廿日鼠と人間(1939)

劇場公開日:

解説

「激戦地」のリュイス・マルストンが1939年に製作監督した作品で、「革命児サパタ」のジョン・スタインベックの原作小説をジョージ・S・カウフマンが舞台劇に書き直したものから、ユージーン・ソロウが脚色した。撮影はノーバート・ブロディン、作曲は「女相続人」のアーロン・コープランドの担当。主演は「アメリカの恋人」のバージェス・メレディス、「暗黒街の巨頭」のベティ・フィールド、「真昼の決闘」のロン・チャニー・ジュニア で、「烙印」のチャールズ・ビック・フォード、ニューヨークグループ劇場のローマン・ボーネン、「セントルイス」のボブ・スティール、ノア・ビアリー・ジュニアらが助演する。

1939年製作/111分/アメリカ
原題または英題:Of Mice and Men
配給:松竹
劇場公開日:1953年7月7日

ストーリー

小男のジョージ(バージェス・メレディス)と大男のレニー(ロン・チャニィ・ジュニア )は農場から農場へと渡り歩く日雇い農夫であった。ドン底の生活をしていながら、この2人にも夢があった。いつか自分たちだけの小屋と土地を持つという夢。これもジョージ1人だったら案外早く実現するかも知れなかったが、レニーがいつも荷厄介になっていた。レニーは体ばかりは人並みはずれて大きいが、頭は子供のように幼稚で、そのため行く先々で面倒を起こしたが、ジョージは幼友達であるレニーをどうしても見捨てることができなかった。2人は新しくジャクソンの農場で働くことになった。ジャクソンの息子カーリイは浮気な女メエ(ベティ・フィールド)を妻にしてから嫉妬深くなり、メエと口を利く男に片っ端から喧嘩を売って歩いた。だが農夫頭のスリム(チャールズ・ビックフォード)だけには頭があがらず、彼がメエに子犬を与えた腹いせを誰かに当たろうと思っていた。たまたまレニーもスリムから子犬を貰って大喜びをしていた。カーリイは罪のないレニーに喰ってかかったが、レニーはカーリイの手を握って骨をくだいてしまった。その頃、片腕のない老掃除夫キャンディがジョージとレニーの仲間に入り、300ドルを出して彼らの夢の実現に一歩踏み出した。カーリイは手の怪我以来、メエとの折り合いがまずく、とうとう彼女は離婚された。メエは荷物をまとめて出て行くときに子犬をとりに納屋へ入った。ちょうどそこにレニーがいあわせた。メエは彼をからかいたくなり、話しかけ髪を撫でさせた。ところがレニーの愛撫は思わぬ力が入り、メエは殺されてしまった。レニーは藪の中に逃げ出した。ジョージは彼が皆のリンチに遭うよりはと彼を射殺した。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第12回 アカデミー賞(1940年)

ノミネート

作品賞  
作曲賞 アーロン・コプランド
編曲賞 アーロン・コプランド
音響録音賞  
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映画レビュー

3.0原作をなぞっただけかのような作風に…

2022年8月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

スタインベックの原作本を読んだついでに、 映像化2作品を観ることにした。 こちらは「西部戦線異状なし」の ルイス・マイルストン監督作品だったので 期待したが、原作をなぞっただけかの ような作風には驚いた。 それでも、原作との若干の違いはあり、 女優を夢見るカーリーの妻が 夫に愛想も尽かし家出しようとした時に レニーに会って事件になる設定が 原作には無いことや、 ラストで警察沙汰になる・ならない等の 幾つかの細かい相違があるものの、 本論には何の支障もない程度だったと思う。 それにしても、ジョージ役の俳優が 「ロッキー」のトレーナー役の人と 知った時は、驚きと共に、 半世紀という時の流れを感じた。 スタインベックの映画化作品としては、 ジョン・フォードの「怒りの葡萄」があり、 貧しい境遇から這い上がろうとする人々を 描くという点では共通性がありそうだが、 映画化についてはフォード作品に 軍配が上がっているような気がした。 原作を読んだ直後ということもあり、 このマイルストン版が 余りにも原作通りだったため そのストーリーの確認に終始して 新たな視点を感じることが 出来ないで観終わってしまった感じだ。 続いて、ロードショー以来となる 再鑑賞予定の1992年版では どうなのだろうと比較が楽しみになった。

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