バウンド
劇場公開日:1997年7月5日
解説
マフィアの金を奪って逃走せんとする2人の女の姿を描いたクライム・サスペンス。「暗殺者」「アンフォゲタブル」の脚本を手掛けたラリー(65年生まれ)とアンディ(68年生まれ)のウォシャウスキー兄弟が初監督と脚本、製作総指揮を兼ねた第1回作品で、ひねりの効いた脚本とユニークな人物設定、斬新な映像・音響設計など才気あふれるところを見せる。製作はアンドリュー・ラザーとスチュアート・ボロス、撮影は「クルーレス」のビル・ポープ、音楽はドン・デイヴィス、プロダクション・デザインはイヴ・コーリー、美術監督はロバート・ゴールドスタインとアンドレア・ドパソ、編集はザック・スタンバーグ、黒を基調にした衣裳は「プリシラ」のリジー・ガーディナーが担当。主演は「ライアーライアー」のジェニファー・ティリー、「ショーガール」のジーナ・ガーション、「悪魔たち、天使たち」のジョー・パントリアーノ。共演は「ホワイト・サンズ」のジョン・P・ライアン、「12モンキーズ」のクリストファー・メローニ、「クロッシング・ガード」などで俳優としても活躍する映画監督のリチャード・C・サラフィアンほか。97年ポルト国際映画祭グランプリ、主演女優賞(ジェニファー・ティリー)受賞。
1996年製作/108分/アメリカ
原題または英題:Bound
配給:K2エンタテインメント配給(FCC=MR=R2提供)
劇場公開日:1997年7月5日
ストーリー
腕のいい盗みのプロ、コーキー(ジーナ・ガーション)は5年間の刑期を終えて出所した。彼女はマフィアのビアンキーニから、彼の所有するシカゴのアパートの内装と配管工事を任された。隣の部屋には、組織のマネーロンダリング担当のシーザー(ジョー・パントリアーノ)とその情婦ヴァイオレット(ジェニファー・ティリー)が住んでいた。妖艶なヴァイオレットは中性的なコーキーにひと目惚れして誘いをかけ、2人はその夜、激しく求め会う。数日後、シーザーの部屋では組織の会計士シェリー(バリー・キヴェル)が200万ドルを横領したのが発覚し、ボスの息子ジョニー(クリストファー・メローニ)らの拷問を受けていた。シェリーとも密かに関係を続けていたヴァイオレットはコーキーに、その金を奪って逃げようと持ちかける。彼女を愛し始めていたコーキーだったが、相手がマフィアのマルゾーニ一家であることと、かつて相棒に裏切られた苦い経験から躊躇する。だが、彼女はボスのジーノ(リチャード・C・サラフィアン)が金を受け取りにくる日に金を奪い、シーザーには彼と折り合いの良くないジョニーの仕業と思わせる作戦を思いつき、2人で周到な準備を進める。当日、打ち合わせどおりにヴァイオレットはジーノの好きな酒瓶をわざと落とし、代えを買いにいくと言って部屋を出た。その隙に忍び込んだコーキーは金の入ったトランクをこじ開け、中身を新聞紙とすり替えた。そこへ戻ってきたヴァイオレットは下でジョニーを見たと嘘を言い、不安に駆られたシーザーは金が盗まれたことを知り、それがジョニーの仕業だと確信した。だが、ボスの息子には手出しできないから逃亡するはずと読んでいたコーキーらの予想に反し、シーザーは反撃の手を考え、ヴァイオレットにも傍らにいるよう命じた。そして、ジーノらを迎えたシーザーは言い争いの挙げ句、全員を射殺してしまう。駆けつけた警官たちをうまくやり過ごし、後は死体を始末してジーノらが来なかったことにし、金さえ見つければ問題ないと考えたシーザーだが、ジョニーの家や車からは出てこずパニックに陥る。やがて、組織の番頭ミッキー(ジョン・P・ライアン)にジーノらがまだ現れないと時間稼ぎの電話をした彼は、不安に駆られたヴァイオレットが隣室のコーキーに電話しているのに気づき、全ては女2人の仕業だったと悟る。シーザーはコーキーを殴りつけて縛り上げるが、そこへミッキーと相棒のルーが現れた。シーザーの前でルーがトランクを開けようとした時、電話が鳴った。シーザーが取ると、声の主は隣の間から携帯電話で掛けているヴァイオレットだった。彼女はシーザーに指図し、ジーノらが交通事故に遭ったようにルーたちに思わせる。彼らが病院に向かった後、シーザーは金がコーキーの部屋の塗料缶に隠してあることを知るが、女たちの連携プレイで銃弾に倒れる。首尾よく金を手に入れた女たちはキスを交わし、ピックアップ・トラックで新天地を目指した。
スタッフ・キャスト
- 監督
- リリー・ウォシャウスキー
- ラナ・ウォシャウスキー
- 脚本
- リリー・ウォシャウスキー
- ラナ・ウォシャウスキー
- エグゼクティブプロデューサー
- リリー・ウォシャウスキー
- ラナ・ウォシャウスキー
- 製作
- アンドリュー・ラザー
- スチュアート・ボロス
- 撮影
- ビル・ポープ
- 美術
- Eve Cauley
- 音楽
- ドン・デイビス
- 編集監督
- ロバート・ゴールドスタイン
- アンドレア・ドパソ
- 編集
- ザック・ステーンバーグ
- 衣装デザイン
- リジー・ガーディナー
- 字幕
- 菊地浩司