ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアのレビュー・感想・評価
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【”天国じゃ、みんな海の話をするんだぜ。”余命少ない病院で同室になった二人の男が見たことがない海を目指す破天荒なおバカアクションエロティックロードムービー。ラストシーンは切なくて、沁みます・・。】
■余命わずかと宣告され、たまたま同室に入院させられたマーチンとルディ。
ふたりは死ぬ前に見た事がない海を見ようと病棟を抜け出し、ギャングのベンツを盗んで人生最後の冒険に旅立つ。
ところがその車には大金が積まれていたが、二人はそれを知らず銀行強盗をしつつ、恵まれない人や泊まったホテルで少年のボーイにチップをはずむ。
だが、当然の如く二人はギャングと警察から追われるはめになるが、マーチンはルディを被害者に仕立て、ストックホルム症候群に見せかけ、逃走を続けるのである。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・ユーモアに溢れつつ、人情味があり、エロティックなシーンも盛り込みながらマーチンとルディの入院するまで、見知らぬ関係だった友情の表現が見事である。
ー 道中、頻繁に頭の腫瘍により発作を起こすマーチン。ルディも末期癌であるが、彼は時に薬局で劇薬を強奪しつつ、彼を助け未だ見ぬ海を目指すのである。フランス、オランダを越えて・・。-
・二人は、ギャングのベンツ230Lベイビー・ブルーを盗み、最後はエルヴィス・プレスリー好きのマーチンの母にエルヴィスと同じく、ピンク・キャデラックをプレゼントするのである。
ー 名車が次々に出てきます。-
・ギャングの大ボス、カーチスを演じた故、ルトガー・ハウアーの姿や、二人に対する懐の大きな粋な台詞も、実に格好良い。
<良くこの短い尺で、ここまで面白くって、エロティックで、沁みるロードムービーを作ったものだと、感じ入った作品である。
漸く着いた海岸で、二人は初めての海を揃って眺めるのである。
そして、発作を起こして横に倒れ、動かなくなったマーチン。
ボブ・ディランの名曲「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」のカバーが流れるラストも良き作品である。>
無敵な二人
実に酒が呑みたくなる作品
たまたまレンタル屋で目に止まった作品。
おお!と、懐かしさもあって久々に観たくなりました。
「海を知らないと天国で寂しいぞ?」なんな理由で二人海を目指すクライムロードムービー。
主演だけでなく、脚本・制作にも参加したティル・シュヴァイガーの出世作でしょう。
マフィアの車を盗んで海へ向かう旅。そんなスタートからですが、まぁとにかく破天荒。後先の事を全く考えない行動はむしろ爽快。
しかしただ愉快な旅だけでなく、時折現れる発作が確実に近づいている死を思い出させます。
そんな、死を覚悟した二人が手を握るのが実に印象的。
そしてやっと海にたどり着いた二人。その浜辺を歩く姿はとても感慨深いものでした。
言葉もなく海を眺めながら回し呑みするテキーラ、それはとても美しかった。
こうして二人の旅は終わり、そしてこれ以上ないタイミングで流れる「ヘブンズドアー」。
本当、実に酒が呑みたくなる作品です。
煙草とテキーラと海
新宿ピカデリーありがとう💕映画館で、それもライブ音響上映で見ることができるとは!見る前から嬉しいのとワクワクで涙目でした。やっぱりいい。音楽の良さもよくわかりました。ドイツ映画のかっこよさがぎっしり。(2022.11.04.)
エルヴィスに倣って、エルヴィス・ファンの母親にピンクのキャデラックをプレゼントするシーンがあることを強烈に思い出した。今日、映画「エルヴィス」を見るからだ。ピンク・キャデラックの場面がなかったら怒るぞ!楽しみ~。(2022.7.5.)
若い世代が作った自由でかっこよくてドイツ映画の金字塔ポジションの映画。なんと初めて見た。勿論知ってた。やっと見ることができた。ティル細くてかっこいい!(「イングロリアス・バスターズ」でも会ったね!)ブルーの目が美しく救急車の中でにこっと笑った目がいたずら小僧でかわいかった。プライプトロイいい味出しててお腹痛くなる程笑えた。移民の役が彼は本当に上手くて移民ドイツ語を話させたら右に出る者なし!そして間抜けのルンルン警官ケラー!
脚本、キャスティング、映像、カメラ、音楽、編集、衣装、セット、カーアクション、ヘリ、色んな車、ドンパチ、セリフ、全てが最高に良かった。ドイツらしさとドイツらしくなさがうまくブレンドされたジャンル超越映画。
死は生の一部だよ。天国はそりゃいいところだ。そこで流行ってるのは海の話なんだから、海を見たことなけりゃ話に入れないよ。何しろ天国での暮らしは長く続くんだから。「怖がることはないよ」ドイツは詩人と思想家の国。この映画を見てセリフを聞いたら素直にそう思える。
ユーロでなくてマルク、携帯なくて公衆電話の時代だったんだ、ほんの少し前と思ってたのに。権威もヒエラルキーもなくて若い世代が家族みたいにして作った映画愛たっぷりのドイツ映画。
おまけ
2017年ドイツ公開の映画でもブライプトロイ大活躍!大麻&幼なじみとの友情話。大笑いできる映画!(タイトルは "Lommbock")
ギャングたちも病院の患者も下ネタギャグのオンパレード。
マーチン・ブレスト(シュヴァイガー)は脳腫瘍。病室でいつもタバコをぷかぷか。そこへ骨肉腫のルディ(リーファース)が同室になり語りあうが、「海を見たことがない」と告白する。ギャングの二人組、ベルギー人ヘンクとアラブ人のアブドゥル(モーリッツ・ブライブトロイ)が少年を撥ねて病院へやってくる。マーチンとルディは運よくキーが見つかったので乗り逃げ・・・GSでも文無しで給油。服を買うために銀行を襲ったが、その直後にギャングも銀行へ(笑)
逃亡劇も長期戦になった。機転を利かせたマーチンがルディを人質にとった風に装ったからだ。ニュース番組ではヘルシンキ・シンドロームについて話題となっている。やがて警察とギャング双方に銃撃されたりするが、マーチンがプレスリーのようにピンクのキャデラッ九を母親にプレゼント。そして、車の中で見つけた金は銀行やGSに返すようにする。死ぬまでにしたいこと。二人の女とヤル・・・運悪く、そこはギャングのボスの店・・・絶体絶命のピンチ!
最後に美味しい役どころ、ボスが金を返す相手の大ボス・カーティス(ルドガー・ハウアー)が渋い。拳銃を向けられた二人に「最後にやり残したことは?」「海を見たい」「じゃ、行け。天国じゃ海が話題になるからな」
笑えて、緊張して、泣けてくる映画。何度も発作で苦しむマーチンもいいし、それに従順に従うルディもいい。もちろんおとぼけギャングたちも。ギャングの金100万マルクにしても、迷惑かけた人たちに贈って、ほとんど残らなかったところも。ラストの海はほんとにすがすがしい。おまけの映像も・・・あの警官もあほだ。
知ってるか?天国では海の話をするんだぜ。
ピンクのキャデラック
味のある名作
10代の時に出会っていれば…
天国では海について話すのが流行っているらしい
コメディ
久々に観たら、
カッコ良かったイメージだったけどコメディだった。
やってる事はめちゃくちゃだけど、
二人がどんな人生を送って来たかは想像でしか分からないけど、神さまからのご褒美と見えなくもない。
車で遠くまで逃げてるようだけど、割と近場で事が収まっているのは、まぁ置いといて頭と終わりが同じところだったり、気持ち良い場面がいくつかあった。
特にダメな二人のギャングとのすれ違いはクスッとする。
死ぬんじゃないか?と言う不安をノッキンオンヘブンズドアのイントロだけ流して煽るのはせこいけど、ある意味発明なのかな?と思いました。
今観るとツッコミどころも多いけど、最期に信頼する人と共にするのは人生最大の喜びなのではないかと思います。
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