ネバー・クライ・ウルフ

劇場公開日:

解説

カナダ北部のツンドラ地帯を舞台に1人の生物学者と悪魔の化身とも恐れられているオオカミの触れ合いを通じて大自然の驚異を描く。ディズニー・プロ内に設立されたウォルト・ディズニー・ピクチャーズの第1回作品。製作はルイス・アレン、ジャック・クーファーとジョセフ・ストリック、エグゼキュティブ・プロデューサーはロン・ミラー、監督は「少年の黒い馬」のキャロル・バラード。ファーレイ・モワットの原作『オオカミよ なげくな!』(紀伊国屋書店)を基に力ーティス・ハンソン、サム・ハム、リチャード・クレッターが脚色。撮影はヒロ・ナリタ、音楽はマーク・アイシャム、美術はグリーム・マレイ、録音はアラン・スプレットが担当。出演はチャールズ・マーティン・スミス、ブライアン・デネヒー、ゼイチャリー・イッティマンヤックなど。

1983年製作/105分/アメリカ
原題:Never Cry Wolf
配給:東宝
劇場公開日:1984年6月23日

ストーリー

カナダ北部の草原を疾走するカリブー<北米トナカイ>の数が激減しだした。この原因はオオカミにあるらしく、若い生物学者タイラー(チャールズ・マーティン・スミス)が、調査員として、この北極のツンドラ地帯に乗り込むことになった。ロージー(ブライアン・ドネイ)という得体の知れない男の旧式な単発機でやっとのこと氷上に着陸したタイラーは、1人静寂の世界に取り残された。政府支給のサバイバル手引書を頼りに生活するしかない。春になり、いよいよ彼の調査が開始された。孤独感に耐えながらも、調査開始後2カ月たって、ようやく1匹のオオカミを発見。体重80kg、体長は尻尾を含めると2mをこえる北極オオカミだ。巣穴も発見して、夫婦オオカミらしいその2匹をジョージとアンジェリンと名付けた。ジョージたちは、人間を襲う獰猛な動物と考えられているオオカミとは、信じられないくらいおとなしくみえた。現に、ジョージがカリブーを襲っている形跡はない。では何を食べて生活しているのだろうか。ある日、アンジェリンが野ネズミを捕えているのを目撃した。それで、この謎もとけた。イヌイットのウテック(ゼイチャリー・イッテマンヤック)が、マイクという英語の話せるイヌイットの青年を連れて来た。マイクは、狩猟で生計をたてる普通のハンターで、オオカミの毛皮は、高価だが、ジョージたちは殺さないと言った。夏の終り、オオカミがカリブーを襲うのを目撃した。しかし、襲われたカリブーの骨を調べると、年老いているか、病気であるかのどちらかであった。このあと、しばらくして、タイラーは、ロージーに再会した。6カ月前のオンボロ機ではなく、最新式の飛行機を持っていた。彼は都会から2人のハンターをここまで連れてきていた。獲物のカリブーを得意気に飛行機に積み込みながら、タイラーに飛行機に乗って都会に帰ることを勧めたが、彼はかたくなに断った。数日後、タイラーは、テントに戻ったが、ジョージとアンジェリンの姿が見えない。子供たちを残してどこかへ行くことは考えられない。イヤな予感を感じるタイラー。やがて、ロージーが再びタイラーを迎えにやって来た。その時に、飛行機の一部にオオカミの尻尾が風になびいているのを発見するタイラー。彼は、ロージーに向って発砲し追い返した。冬が近づき、大自然の本当の厳しい季節がやってくるのだ。オオカミ狩りを手引きしたマイクも去っていった今、タイラーの、真のサバイバルが始まろうとしていた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第56回 アカデミー賞(1984年)

ノミネート

音響賞  
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映画レビュー

1.5ドキョメンタリー調だけど現実ぽくない

2013年3月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

総合:30点
ストーリー: 15
キャスト: 60
演出: 30
ビジュアル: 65
音楽: 60

 ドキュメンタリー調の映画だがドキュメンタリーではない。何か全体的に理想主義に走りすぎて現実を無視して変に思える。狼はトナカイを襲ったことが観察されたことはないから、トナカイの減少には関係がないとかっていう最初の主張がまずおかしい。狼がトナカイを襲うのは常識だろうし(本物のドキュメンタリー番組で何度も見たことがありますし、学説でも常識だと思います)、大昔から狼に捕食されていたからといって、トナカイの数が最近になって急に減ったのは狼のせいだという理由には最初からならない。それは恐らく人間誕生以前から繰り返されてきた自然の営みです。特に人間によって大量に駆除されて数が減少した狼が、今更トナカイの数を減少させることなど出来るわけがない。
 何か自然や狼に対する神秘主義的な崇拝みたいなのが映画の主題にあるようで、しかもそれが必ずしも現実に即していないように思える。物語もあまり盛り上がりがなく、学者が一人自然の中で孤独に生きて観察をしてたまに人とも出会うというだけ。正直退屈でした。

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