日曜はダメよ

劇場公開日:

解説

「掟」のジュールス・ダッシンが監督・原案・脚本を担当したギリシャを舞台とする喜劇。撮影を担当したのはジャック・ナットー。音楽をギリシャ人のマース・ハジサキスが受けもっている。出演するのは主人公を演じるダッシン自身のほか、「掟」のメリナ・メルクーリ、ジョージ・ファウンダス、ティトス・ヴァンディス、ミツォス・リグィーゾス、デスポ・ディアマンティドゥなど。

1960年製作/アメリカ
原題:Never on Sunday
配給:日本ユナイテッド
劇場公開日:1961年5月3日

ストーリー

ギリシャの港町ピレウス――金髪でグラマーで、町中の男の注目の的イリヤ(メリナ・メルクーリ)は底抜けに明るい売春婦だ。アメリカからホーマー(ジュールス・ダッシン)という古代ギリシャの民間研究家がやってきた。上陸第一歩、彼は酒場に入った。そこで町の男たちが酔って唄うのに感激し、思わず拍手した。それが男たちを怒らせてしまい、喧嘩になった。仲に入って喧嘩を止めたのがイリヤだった。ホーマーは彼女こそ伝統的なギリシャ美人とみて、さっそく研究対象に決めた。そして今の商売をやめさせようと思った。イリヤは週1回、日曜だけは仕事を休んで、トニオ(ジョージ・ファウンダス)やジョルゴ(ティトス・ヴァンディス)ら気の合った男たちを呼んでドンチャン騒ぎをやった。ホーマーも粘りが功を奏して参加することができた。町の売春ボス、ノー・フェイスの子分ガルベジが日曜日に贈物を持ってきた。が、たちまち男たちにつまみ出された。独立営業のイリヤはノー・フェイスにとってシャクの種だった。ホーマーの更正運動を知ったノー・フェイスは、金を出してイリヤに足を洗わせようとした。ホーマーはイリヤの仕事を休ませて勉強を教えた。彼女の独特なギリシャ悲劇の解釈にはホーマーもめんくらった。売春婦の1人が、イリヤにホーマーがノー。フェイスの手先だと教えた。怒った彼女は今までの修行をほっぽりだした。そこへ外国の大艦隊が入港した。イリヤは売春婦たちの先頭に立ってノー・フェイスに挑戦した。ブタ箱での団体交渉に成功して、軍配はイリヤに上った。再び酒場にイリヤの姿がみられるようになり、男たちは大喜び。初めてギリシャ人気質を知ったホーマーも考えを変え、踊りに加わった。――次ぎの日、出港するアメリカ船の甲板に、1人寂しく帰国するホーマーの姿があった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第33回 アカデミー賞(1961年)

受賞

主題歌賞

ノミネート

監督賞 ジュールス・ダッシン
女優賞 メリナ・メルクーリ
脚本賞 ジュールス・ダッシン
衣装デザイン賞(白黒)
詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

5.0そして、海岸へ行きました。

2024年1月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
マサシ

3.5ジュールス・ダッシン監督&メリナ・メルクーリの大らかなコメディ

2022年2月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ジュールス・ダッシン監督作品。
主演は、メリナ・メルクーリ&ジュールス・ダッシン。
ギリシャの港町を舞台にした明るく大らかなコメディ映画。

冒頭、港から海に飛び込む一人の女性イリア(メリナ・メルクーリ)を見て、船乗りたちが船から次々と海に飛び込む。爽快感あふれるオープニングで、ギリシャ人の仕事は置いといて海に飛び込む大らかさが見られる素敵なシーンから始まる。

そんなギリシャの港町に、一人のアメリカ人がやってきた。
「ギリシャの栄枯盛衰の研究」を目的にした学者くずれの男ホーマー(ジュールス・ダッシン)。
ホーマーは、酒場でイリアと知り合い、陽気な彼女がギリシャ語・英語・フランス語・イタリア語などペラペラ喋るのに驚いた。「どこで、そんなに言葉を覚えたの?」と尋ねると、イリアは「ベッドの中!」とあっけらかんと答える。彼女は娼婦だったのだ。しかも金額ではなく、自分が気に入った男としか……という変わった娼婦。
ホーマーは「彼女に道徳心を持たせて、仕事をやめさせる!」と意気込むが……。

イリアが日曜日はギリシャ悲劇を語るため、仕事は休む日なので『日曜はダメよ』というタイトル。
そんな日曜日に、イリアが語るギリシャ悲劇「メディア」はイリアが改変しているが、このあたりはジュールス・ダッシン監督の傑作『女の叫び』に通じるものがある。

また、「楽譜を読めないくせに…」と言われた楽器奏者が「もう演奏しない!」と閉じこもってしまうと、イリアは「鳥は楽譜を読める?読めなくても歌うのを止めないわよね」という名セリフは素敵。

先日(本年2月11日)にジュールス・ダッシン監督の『女の叫び』を観て衝撃を受け、今までに観た作品も未見の作品もひっくるめてジュールス・ダッシン監督作は観直そうと思いたって、本作も観た。
本作の製作時には、ジュールス・ダッシンとメリナ・メルクーリは未だ夫婦ではなかったが、この後、二人の作品が次々と生まれることになる。

観終わったあと、耳に残るメロディが心地良い。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
たいちぃ