トレインスポッティングのレビュー・感想・評価
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20年以上を経ての再見
実は20年以上前の初見時は、あまりの汚さに耐えられずシーツの場面で鑑賞を中断していた。
今回改めて見直して気づいたのは「イギリスの荒廃」を描いた映画だということ。
サッチャリズムの「小さな政府」政策や行き過ぎた資本主義により次々と閉鎖された国営企業と福祉のカット。
街には失業者が溢れ社会全体に漂う閉塞感の中、希望のない若者が向かうところは酒とセックスとドラッグという刹那的な快楽だけ。
本作の日本公開時、「キムタクがこの映画のTシャツを着てた」とか「渋谷ではこの映画のTシャツやサントラCDが流行ってる」とかそういう表層的なことばかりが話題になっていたが、当時のイギリスの若者の絶望にどれだけの人が気づいていただろうか。
本サイトに限らず他の映画レビューサイトでも「お洒落でクールなストリートライフ」みたいに語られる本作だが、現実は悲惨だということ。
そう考えればなかなかの佳作とも言えるが、赤ん坊の死がどうしても嫌悪感を拭えないためこの評価。
どう感じれば良いのやら?
トレインスポッティング2を観ようと思い復習の為、恐らく公開当時以来に鑑賞。
当時流行ってたなー。
下手したらポスター貼ってたかも。
内容全く覚えてない…。
それでもスコットランド一汚いトイレのシーンだけは、なんとなく覚えてた。
物食べながら観てなくて良かった!って程の耐えがたい汚さ。
日本じゃありえないけど、世界の何処かにはホントにあるんだろうな。
ある意味凄いセット!美術さんナイスです。
ドラッグ、セックス、バイオレンス、エイズ。
自分とは生きる世界の違う、とにかく感情移入出来ない文字通りクソ集団の破滅的日常をポップにテンポ良く描いていて、これがファッション的に流行ってた当時って、自分も含めてどうなの?
仲間を出し抜いたレントンが、観ている我々に向かって「あんたと同じ人生」を平穏に暮らすって最後のモノローグ。
なんかスカッとした風のラストだけど、どう感じれば良いのやら?
トミーと赤ちゃんが気の毒でなりません…。
ドラッグ、ダメ絶対。
彩られ繰り返される怪快奇喜
古典になりつつある
なんというかありがとう
やはり最高だった
この作品を再びスクリーンで観れる事がとても嬉しい、シネクイントありがとう!
96年の作品だけど、今観ても古さなんて微塵も感じません。
まずオレンジを基調としたアートワークがすっごく良かった。仕事柄かもしれませんが、かなりぐっときました。
イギーのオープニングから飛ばしまくってて、カメラワークも素晴らしい。
場面転換ではしっとりとした引きを入れるなど緩急も効いています。
キャストも皆クセが強くて彼らを見ているだけでも飽きないんですね。
そしてなんと言っても選曲とその使い方のセンス、すばらしいに尽きます。
そういえば当時ラジオでは「ラストフォーライフ」と「ボーンスリッピー」は1日に3回は流れてましたよ。
演出も色々なアイディアが見て取れるし、話のテンポも良いです。
薬物中毒な若者をテーマにしている為、ノリだけで突っ走っているクライムムービーみたく捉えられる事もあるかと思います。
しかし世界がエイズに怯える中、スコットランドで暮らす若者達の不安や生活の実態といった側面をしっかり描いていると思います。
作中「歳をとるとクソってことか?」「それが真理だ」と言ったやり取りがありますが、後に「T2」が出来た事を考えると相当皮肉が効いていますね。何だかニヤリとしてしましました。
ラストのアンダーワールドの入れ方も見事で、最初から最後まで楽しめる作品です。
もう観終わった直後に「T2」を見返したくなりましたよ。
それにしても久しぶりに観たけどやはり最高だった、今なおボイルの最高傑作と言って良いでしょうね。
不快感を催す
平凡な日常の豊かさ
【”豊かな人生なんか興味がない・・、ヘロインだけが・・”、とレントンは確かに冒頭で言っていた・・。スコットランドの若きジャンキー達の生き様を斬新な感性で描き出した作品。】
あの、スコットランド・ハイランド地方の駅のホームで叫んでいるレントン(ユアン・マクレガー)の姿は忘れ難い。
”あの腐ったイギリスの属国の更に田舎で・・・・ ”ファッ●ン・スコティッシュ!”
ーうわわ・・、良いのか・・?。ー
レントンはじめ、スパッドも(当時、一番ジャンキーに見えた)、シック・ボーイも、ベグビーも皆が、閉塞感を抱きつつ、時に明るく、時に破天荒に暮らす日々・・。
が、レントンは仲間のトミーの死をきっかけに真面目に働き始めるが・・。ベグビーとシック・ボーイが部屋に居ついてしまい、会社は馘首。
そして彼らは、麻薬を大量に転売し、16,000ポンドを手に入れるが・・。
”豊かな人生なんか興味がない・・、”と冒頭に言っていたレントンが、優しいスパッドにだけ、一人分の分け前4000ポンドをロッカーに残して、”豊かな人生”を語りながら、ボストンバックを肩から下げて歩き去るシーンも良かったなあ。
個人的には、今作でデビューしたケリー・マクドナルド(当時、名前も知らず)が扮したダイアン(レントン一目惚れ・・・)の、夜は紅いコートを羽織り、クラブで男を誘惑し(レントンとヤッタ後、目が覚めたらダイアン家は朝食だった・・:笑った。)、昼間は制服も可愛い中学生の姿が印象的だった・・。
(”T2”にも弁護士役として、出演していて嬉しかった。)
■音楽は、多くの人はイギー・ポップ(ジギー・ポップじゃないよ・・)の”ラスト・フォー・ライフ”を推すと思われるが、
私はレントンのヘロイン・トリップシーンで印象的に使われていたルー・リードの”パーフェクト・ディ”が好きであるし、効果的に使われていると思います。
<1996年12月 劇場にて鑑賞>
<2020年5月 別媒体にて久方振りに鑑賞>
■蛇足:当時、20数年後に”T2”(ターミネーター2ではない!)を鑑賞するとは思わなかったよ・・。
ユアンマクレガー
もうヤクなんてしないなんて 言わないよ絶対♪
「ビタミンCが違法ならヤってた」という台詞は笑った。ジャンキーのトリップ状態を表現した映画は多いが、これは気持ち悪くなるだけ。抽象的な描き方なんだろうけど、妙にリアルな画面のおかげで吐き気がしてきました(面白いんですけどね)。
あちこちのレビューを読むと、スタイリッシュだとかかっこいいとかの感想があったけど、時は世紀末を象徴し、自堕落な生き方から脱却できないダメ青年を描いているだけ。ユアンだけが最後には運だけで成功する!なんて評もあったが、全編通して、「これが最後だ」と何度も誓っているところから推察すると、また失敗しますよと自虐的に表現しているラストだと思う。
ヤクでつながった友情なんてクズみたいなもんだという教訓にもなっているのだろうなぁ。
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