劇場公開日 1996年11月30日

「不滅で普遍で金字塔」トレインスポッティング フリントさんの映画レビュー(感想・評価)

不滅で普遍で金字塔

2017年4月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

興奮

ヘロイン中毒の若者が友人を出し抜いてどん底から脱出する話

「T2 トレインスポッティング」が公開されたので、復習がてらに鑑賞。

通算3回目の鑑賞だが、今回やっとストーリーが把握できた。

前回は7年位前だし、前々回は10年以上前に見た記憶があるのだが、どちらもあまりいい印象は無かった。

ヤク中の若者のハチャメチャ転落人生、薬物依存の怖さしか感じなかったのだが、今回改めて見直すと、
ストーリーもしっかりしてるし、当時の若者文化や抜け出せない生活などがスタイリッシュにまとめられているし最期は希望が有る。純粋にいい映画だと思った。

公開時に20代半ばだった知人から聞いた話だが、本作「トレインスポッティング」が公開されるまではこんなに音楽と若者文化とカット割り、構図、編集の鮮やかな
作品は存在しなかったそうだ。
だから公開された時の衝撃はすさまじく、その後の映画界に多大な影響を与えたらしい。
ミニシアター系の映画の火付け役的存在でもあり、映画のあらたな形を表した偉大な作品なのだそうな。
物語の内容は置いといてだそうだが・・・

自分が映画見始めた頃にはその手の映画は量産されていたので、あたりまえに見ていたが「トレインスポッティング」が最初だったとは。
そう思ってから見ると鑑賞も考え深い。

ユアン・マクレーガーが若い(当たり前)色白、で不健康そのもの。バカでクズでどうしようもない男だが何とか立ち直り、前へ進む姿は感動的だ。
彼を個人的にあまり好きではなかったのだが、本作を見て好きになった。

スッパッド役のユエン・ブレムナーもいい具合に間抜けな心優しい男として絶妙な存在感を出していた。
二人の出てる映画「ブラックホークダウン」が見たくなった。この映画見ると体力かなり持っていかれて疲れるけれども。

ベグビー役のロバート・カーライルは「28週後」くらいしか印象にの残ってないなだが、こんなに暴力的な男を演じていたなんて。
小柄だが喧嘩好きで怖いのは、ジョー・ペシと似ているなと思った。

監督のダニー・ボイル作品はあまり好きではなかったのだが、これを機に見返してみようと思う。

今作の影響力と衝撃は当時の人にしかわからない、とてもうらやましい。

映画はやはりただ見るだけでなく体験するものなのだなと改めて思ったし、映画好きとして歴史に刻まれる瞬間に立ち会いたいものだとつくづく思った。

劇中セリフより

「もし俺だったら、持ち逃げしてた」

仲間を裏切ってでも抜け出したい社会、故郷には帰れなくなるがそれでも前へすすむ
覚悟さえあれば道は開けているのかも知れない。

フリント
MrPさんのコメント
2020年8月14日

「今作の影響力と衝撃は当時の人にしか分からない、映画はやはりただ見るだけでなく体験するもの」
 コロナも流行っているしテレビでいいっしょとアマプラで見ている自分には目から鱗な考え方。たしかに映画にはそういう側面がある。
 今と当時とでは感じ方が違って当然ですよね。

MrP