ドライビング・MISS・デイジーのレビュー・感想・評価
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いるいるこんな素敵なおばあちゃん
たぶんみんなこんなおばあちゃんになるのでは?
とても愛らしくて、憎めなくて、もう少し融通きかせても良いのにと思うけど、そんな女性が黒人の老ドライバーとのつながりを通して、徐々に心を開く流れはとてもよい。
前々から観たいと思ってましたが、初鑑賞出来ました。 思いのほか地味...
前々から観たいと思ってましたが、初鑑賞出来ました。
思いのほか地味な作品で、期待値高過ぎたのかもしれません。。
でも繰り返し見れば見るほど、沁みる作品な気がします。
モーガン・フリーマン
午前十時の映画祭にて。
モーガン・フリーマン出演で楽しみに観ましたが、
特に盛り上がりもなく、わりと淡々と、おしゃべりが続き…
退屈で退屈で、眠くて眠くて、かなりウトウト…
眠かった…(笑)
配信で改めて観ようと思いつつ、再観賞が憂鬱で実行に移せずにいます(笑)
僕は合わないです(笑)
車がオシャレで良かったです(笑)
友情はイデオロギーに勝る
前評判もあらすじも全く見ずに映画館で観たせいで
最初は老婆と運転手の淡い恋物語かと穿った目でながめていた。
ところがキング牧師というワードが出てきたあたりで、三文映画とは
一線を画す深いメッセージ性を感じた。ラストで感動しました。
イデオロギーで争うことの哀しさと信頼関係の難しさ。
人種や宗教、肌の色で差別することが何と愚かしくむなしいか。
それを乗り越えた友情、時間をかけた主従の成熟の何と素晴らしいことか。
決して政治宗教は主題ではなく、ピュアなメッセージなんだと思いました。
今どきの映画に比すると淡泊な展開かもしれません。
ですが、静かに引き込まれていく構成なのが却って全体の良さを引き立てている。
音楽も素晴らしかったですが、有名な巨匠だったのですね。
終わった後も余韻に浸ってしまいました。何度も観たい作品です。
それぞれの立場から見えるもの
午前十時の映画祭にて鑑賞。
主従関係でしかなかった2人が友情とも愛情とも形容しがたい関係を築いていく。2人の距離感の緩やかな変化に魅了されるのは名優のなせる業か。
特別なメッセージや大きな山場がなくとも沁みる物語。
なんかほのぼのした
午前十時の映画祭12にて。
1948年、初老の婦人は車の運転を誤り垣根を突き破って車を落とした。これをきっかけに母のために息子が運転手を雇い、それからこのユダヤ系の老婦人とアフリカ系の運転手の友情を1973年、老婦人が認知症になって老人ホームにいるまでを描いた話。
老婦人役のジェシカ・タンディのキリッとした中にも優しさの溢れる演技が素晴らしかったのと、運転手役のモーガン・フリーマンがユーモアも有ってさすがだった。
なんか、ほのぼのしてて良かった。
【旧癖的な思想のアメリカ社会で生きて来た老婦人が出会った、文盲の温かき心を持つ黒人運転手から学んだ事。何よりも、笑顔を絶やさない運転手ホークを演じた、モーガン・フリーマンの姿が印象的な作品である。】
■1948年、アトランタ。
元教師で未亡人の気品高きデイジー(ジェシカ・タンディ)は、運転中に事故を起こしかけたことがきっかけで、息子プーリー(ダン・エイクロイド)の雇った黒人・ホーク(モーガン・フリーマン)の運転する車を利用することに。
だが自分で車を運転したいデイジーはホークに悪態をついてばかり。
だが、ホークは何時でも微笑みを浮かべつつ、我儘なデイジーに飄々とした態度で接しながら、職務に励んでいる。
◆感想
・黒人運転手と白人の時代的に意図なき人種差別をする老婦人が、お互いの壁を徐々に取り払いつつ、且つ相手を尊崇しながら接し、心を通わせていく姿が、心地よい作品。
・デイジーに対し、”ストレンジ・フルーツ”の話を始めるも、”この人は、そういう事は知らずに育ったのだ・・”と察し、話を止めるホークの姿。
・ジェシカ・タンディ演じるデイジーが、認知症を患い施設に入居するも、具合が良い時には息子プーリーよりもホークと話したがる姿。
<資料を読むと、今作を“綺麗ごと”と切り捨てる論調のコメントもあるが、私は年代的に人種差別を当たり前の事として育った”ユダヤ系”のデイジーの姿を否定する気にはなれないのである。
何よりも、笑顔を絶やさないホークを演じた、モーガン・フリーマンの姿が印象的な作品である。>
名優が演じるとこんなに素晴らしいエンディングが迎えられるのか? と...
名優が演じるとこんなに素晴らしいエンディングが迎えられるのか?
と思えるぐらい自然な演技で、そしてふけ方も3人3様それなりのふさわしいふけ方をしてた。
ラストの施設の場面はぐっと引き寄せられたし、なんか二人の関係がうれしかった。
息子のブーリーもホークから持ちかけられた賃金交渉の場面では差別のしない良い奴というのが伝わってきた。
逆にブーリーがあざとく感じたぐらいだ。
それにしても車といい、家といいローンのようだがあの時代に買える黒人てすごくないのだろうか?
差別があふれていた時代と想像したらローンを組めたのも不思議だ。
それと今でこそ多くの人がなっている認知症、この時代にすでに当たり前のように存在していたのにはびっくりだ。
いずれにしても「いつかもう一度見る映画」に入れておこう。
理想と現実のギャップ
人種差別の強い南部で、事業に成功した息子が老いた母のために雇った運転手。(アフリカ系)
差別しないと言いながらも、運転を禁じられた反発も有って、きつく当たる冒頭から、少しずつ自身を省みてデイジーが変わって行く。
ポイントは警官に職務質問をかけられる所からか、、(「ユダヤの婆さんにニグロの運転手?」) 白人の括りでは優遇されるが、同じ白人同士では蔑まれるユダヤ系。 自分が下位に扱われてしっくり来たのだろう。
ラスト、老人ホームで久しぶりに会う時の会話が良い。 鑑賞して確認して欲しい!
メイン2人の名優も良いが、息子役のダン・エイクロイドが良い。こんな演技も出来るのかと思った作品。(どうしてもコミカルイメージが強かったので)
「自由と平等」を標榜するアメリカだが、要はそれが出来ないからそうするのであって、こうした作品が作られることが救い。
大阪ナオミのマスクをみて、改めて思った
ふと再鑑賞したくなる作品。
また鑑賞したくなって、10年ぶりに再鑑賞。
老婦人のお抱え黒人運転手をモーガン・フリーマンが演じていますが、
時々、ふっと出てくる差別描写に、黒人運転手は何事もなかったように、まるで当たり前のごとく
受け流していきます。
そのフリーマンの顔付きが、悲しいような、訴えるような、あきらめたような、受け入れたような、何とも言えない表情に、何度見ても心が痛みます。
さすがにすばらしい俳優ですね、モーガン・フリーマンは。
しかし、この作品の根底にある優しさが、人種差別の無意味さを決定づけてくれます。
10年後にまた鑑賞してみようと思う。
その時は、私自身も老女になっている。
老いた男女の長年にわたる友情物語。 ジェシカ・タンディとモーガン・...
老いた男女の長年にわたる友情物語。
ジェシカ・タンディとモーガン・フリーマンの名演を楽しめば良い。
黒人やユダヤ人に対する差別が背景としてあり、奥が深いようだが、あからさまな描写は少ない。その為かやや地味に感じてしまった。
鑑賞後色々調べるとなるほど深い。もっと勉強しとけばよかった。いつもの言い訳、私は世界史選択じゃなかったんです(笑)
真の人間同士の心のふれあいが差別をその根源から消し去るのです
素晴らしい映画に出会えた幸福を感じました
とにかくジェシカ・タンディとモーガン・フリーマンの掛け合いが素晴らしく吹き出しそうなくらいに面白く、そしてやがてホロリとさせられます
この二人の名優の演技は物凄いものがあります
またデイジーの息子役のダン・エイクロイドもいい味をだして名優の域です
人種差別の物語であり、共に皆年老いていく物語でもあります
熱い感動と心が洗われる思いの両方が、快く沸き上がりました
ミスというのは未亡人という意味合いです
ご主人は何年も前に亡くなっていて墓参りに行くシーンもあります
劇中の会話から1876年生まれと分かります
その年生まれには意味があります
その12年後が例の5年生の集合写真なのですが逆に12年前なら南北戦争でのアトランタの戦いの年なのです
そうあの「風と共に去りぬ」のクライマックスの戦いの年です
つまり彼女はそのスカーレット・オハラの娘と同じ年代にあたるのです
彼女の死別した夫と義父はどうやら当地で紡績工場を裸一貫から興したというのですから、もしかしたら南北戦争前はあの風と共に去りぬのようなプランテーションの出身者かも知れません
そしてドイツ系のユダヤ人という設定です
これらの事には意味があり物語が進むに従って明らかになっていきます
そして、もともと学校の先生で細々と気難しい性格のようです
また人の心の痛みとかにも、もともとから無関心な性格でズケズケ物言うタイプだったようでもあります
息子からもかなり嫌がられています
舞台は人種差別の強い南部ジョージア州アトランタ
時は1953年から物語が始まります、彼女は77歳
車を買い換えたりメイドのアデラが死んだ年が1963年、彼女は87歳
キング牧師の夕食会があったのは1966年、彼女90歳
認知症を発症し、ラストの老人ホームは恐らく70年代のことのようです
デイジーは殆ど100歳です
つまり1950年代からの20年に渡る時代の移り変わりが実は描かれているのです
ですから、題名のドライビングとは、単なる車の運転の事だけではなく、彼女の人生のドライブを差しているのです
特に人種差別への彼女の変化について
人種的な偏見を持たないといいつつデイジーは無自覚に差別をしつづけます
やがてホークと打ち解けるようになってきても、表面的なだけで差別は消えてはいません
アラバマ州モビールの親戚の家に行く約500キロ程の一日旅で、道中職務質問する警官はホークに差別的な視線を向けます
ホークはたまらず子供頃のKKK のリンチを見た記憶を話ます
何故彼がそのような話をしだしたのかも彼女は理解出来もしないのです
さらにデイジーにもユダヤ人であることからホークと同様に差別的な視線を向けられていたのにも関わらず、彼女はホークを無自覚に人間扱いしない言動をするのです
毎週通うユダヤ寺院を爆破されて、自分も被差別人種だと気付かされてもなお、ホークには無自覚に差別をしています
それでも次第にキング牧師の夕食会行きたいと思うようになるまでには彼女も意識改革してきますが、ホークを誘うことは全く頭にも浮かばないのです
逆に出席を断った息子にホークを誘ってやれと言われて初めてそれを思い至るのですが、会場に到着間際になって突然一緒に夕食会に出席すればとか言い出すのです
ノーベル平和賞を受賞した地元アトランタの英雄が当地の一流ホテルで名士を集めて夕食会を開いて演説するのです
会場には白人も黒人もみな立派に身なりを整えて集まっているのです
ホークは運転手のみすぼらしい服装です
無自覚な残酷さです
さすがのホークも悪態をついてしまいます
そしてクライマックス
認知症を発症してホークにパニックを鎮めないと病院に入れられると諭され落ち着くシーン
デイジーはホークに今も昔の車に乗っているのかと尋ねます
ホークは今乗っているのは65年型のキャデラックだと答えると、彼女は目が悪いのに運転したら駄目と返します
でも、その表情は黒人がそんないい車に乗っているなんて、という顔です
ホークの顔にもそれを感じとった表情が浮かび諦めています
それでも彼女はあなたは友達よとホークの手を握りしめるのです
そのことでホークは無自覚な差別は表面的には染み付いていて消えないものかもしれないが、長年の心の触れ合う信頼関係は人種を超えて、このように表面的ではない、心の奥底で真の友情を作るのだと知るのです
そして施設に入れられたデイジーの屋敷は売りに出され、結局ホークが買うのです
あのハドソンの車のように
彼の孫娘は大学の先生というそんな時代なのです
デイジーの息子ブーリーは地元でも有力な紡績工場の社長
彼はキング牧師の夕食会にでると商売に差し障りがでるからと母の誘いを断った人物ではあるのですが、本当は差別的ではありません
本作の白人の中で最も平等にホークを扱っているのです
世が世ならプランテーションの大旦那様
彼の工場も50年代は黒人工員達が一人一台づつ操作した機械が、60年代ともなると自動織機にかわり工員の姿も見えません
時代は変わったのです
彼は母親の屋敷を黒人のホークに売ることを、却って嬉しくとても喜んでいます
ホークが高齢で運転ができなくなりタクシーを使ってでも母親を時折お見舞いに来てくれることを心から感謝しています
ホークもその心はしっかりと感じています
だからこそラストシーンでホークは、今もブーリーから週給を貰っていると、呆けたデイジーに調子を合わせてやっているのです
あんなに無自覚に差別をしていたデイジーはホークを嬉しそうに迎え、彼との会話は本当に楽しそうです
そしてホークの差し出すパイのスプーンを子供のような笑顔で二度も口に入れるのです
彼もまた共に年老いた長年の本当の友人となっているのです
そこには人種の壁はどこにも無いのです
本作のテーマは此処に集約されています
無自覚な差別にいちいち目くじらをたてることなく、ホークのように少しは苛立つことがあっても、軽くジョークで受け流していき、彼とデイジーの間のような真の人間同士の心のふれあいこそが差別をその根源から消し去るのです
悪しき人々の過激な言葉や暴力ではなく云々とのキング牧師の演説のとおり、それは差別を逆に増幅するのです
スパイク・リー監督にこそ本作を百回観て欲しいと思いました
彼はどうせ白人監督の作品だろと斬って捨てるでしょうが・・・
老いていくということ
そういえば見たようで見てなかった作品。
最初は心を開かなかった老女が、運転手の優しい心に接していくうちに。
少しずつ心を開いていく過程を、有色人種差別等歴史の過程をさりげなく織り込んでいく所が、いいんじゃないでしょうか。
老女は否定してたけど、お金持ち未亡人あるあるな「つっけんどん」とした態度。嫌味っぽくてナイスです。
雪と停電で一人きりのところに運転手がやってきたときにの老女のセリフ。「you are・・・」。「あなたは友達」。いい訳です。
オスカー主演女優賞・作品賞・脚色賞・メーキャップ賞。25年の過程をメイクで現していくのが素晴らしいです。
実は深い映画
一見、老婦人と初老の黒人運転手との心の交流をハートウォーミングに描いた作品のように感じるかもしれないが、実は人種差別が背景に描かれています。1回観たときは暖かい気持ちになりましたが2回観たときは深く心に突き刺さるものがありました。この映画最後まで重たい雰囲気にさせず、観る側を常に暖かい気持ちにさせながらも上手く人種差別の問題を描いています。すごいいい映画ですのでおすすめです。
最後に胸打たれる
どういう映画かわからずに視聴。最後の10分でこの映画の良さに気づきました。
時代設定としては1950年くらいですね。
最後、デイジーの息子への軽口は最高に笑えた。息子の返しもまたいい。デイジーとホークのやり取り素敵です。いい顔してました。
人生のドライブ
頑固な老婦人とお抱え黒人運転手の交流を描き、1989年度のアカデミー賞で作品賞に輝いたヒューマン・ストーリー。
数あるアカデミー作品賞受賞作の中でも非常に好きな一作。
この作風が好きなのだ。
まるで松竹の名作映画を見ているよう。
本当に大きな出来事は何も起こらない。
いや、一応些細な出来事は起こるのだが、日常の一コマの積み重ね。
そんな淡々とした語り口の中で描かれる二人の交流がじんわりと心に染み入る。
頑固なミス・デイジーと陽気なホーク。
最初は悪態ばかりついていたミス・デイジーも、ホークの実直な献身ぶりに徐々に心を開き、主従関係や人種を超え、大切な友となっていく。
加えて、二人のやり取りも軽妙でユーモラス。
言うまでもなく、名優二人の名演が素晴らしいのだ。
頑固で辛口だけど気品が漂うジェシカ・タンディの名演は、アカデミー主演女優は納得…どころか、当然。
舞台でも同役を演じていたモーガン・フリーマンにとってはハマり役。近年の渋い重厚演技とは違う陽気な役柄は今見ると新鮮かも。
ミス・デイジーの親思いの息子役ダン・エイクロイドも好助演。
舞台は1950年代の南部。主人公二人はユダヤ人と黒人。
劇中の警官の台詞でも皮肉られるように、人種問題もさりげなく織り込む。
25年という月日が過ぎていく。
確実にやってくる老いや死。
ボケてもなお覚え、寄り添ってくれる存在。
二人の25年の人生のドライブはかけがえのないものであった。
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