遠い夜明け
劇場公開日:1988年2月27日
解説
アパルトヘイト政策をとる南アフリカ共和国を舞台に自由な理想社会を叫ぶ黒人男性と彼を支持する白人男性との熱い友情を描く壮大な叙事詩的映画。製作・監督は「ガンジー」「コーラスライン」のリチャード・アッテンボロー、原作は本編の主人公でもあるドナルド・ウッズ、脚本はジョン・ブライリー、撮影はロニー・テイラー、音楽はジョージ・フェントンとジョナス・グワングワが担当。出演はケヴィン・クライン、デンゼル・ワシントン、ペネロープ・ウィルトンほか。
1987年製作/158分/アメリカ
原題または英題:Cry Freedom
配給:ユニヴァーサル=UIP
劇場公開日:1988年2月27日
ストーリー
1975年11月24日、南アフリカ共和国ケープ州クロスロード黒人居留地。突然、静寂を打ち破って次々と黒人たちを虫けらのように襲う武装警官の集団。大地は黒人たちの叫び声とともに血で染まって行く。この事実は無視され、平穏無事に公衆衛生が行なわれたという放送が数時間後にラジオから流された。黒人運動家のスティーヴ・ビコ(デンゼル・ワシントン)を白人差別の扇動者だと批判していた「デイリー・ディスパッチ」新聞の編集長ドナルド・ウッズ(ケヴィン・クライン)は黒人の女医ランペーレ(ジョゼット・シモン)に案内されて、ビコを訪れた。ビコは、ウィリアムズ・タウンで公権喪失の宣言を受け拘束下にあったが、何ら臆することもなく、許可地以外の黒人居留地にウッズを案内した。ウッズは自分の新聞社に2人の黒人を雇った。彼は、自分の信じる道を歩き続けるビコに心を揺り動かされた。ビコは幾度となく逮捕され、警察の暴力を受けていたがひるむことなく自分の考えを主張し続け、日に日に支持者を増やしていった。しかし、ある日、彼が作りかけていた村が覆面の男たちに襲われた。この中に警察署長がいたことを知ったウッズは、クルーガー警視総監(ジョン・ソー)に訴えたが、全ては彼の命令で動いていたのだった。やがてウッズにも監視の眼が向けられ始め、彼の新聞社で働き出していた2人の黒人が逮捕された。その頃、独房に入れられていた黒人男性が自殺するという事件が起こったが、調査の結果、看守が糸で吊ったマペトラの人形を囚人に見せたという事実が判明。このような不穏な動きによって、ケープタウンの黒人学生集会に参加するために旅立ったビコは、途中の検問で逮捕されてしまった。狂気のような拷問の続くなか、1977年9月12日、彼は遂に帰らぬ人となってしまった。この知らせは人々に涙を溢れさせ、ウッズの心に堅い誓いを立てさせた。自由を求めた闘士ビコの姿を全世界に伝えることを。この頃、彼への弾圧は激しくなり、更に妻や子供たちまでもが危険にさらされ出した。命の保障さえもない状況のなか、彼はビコの死の真相を暴き、英国へ行くことを決意した。家族以外の人間とは同時に1名以上とは接触できないという厳重な監視の許、ビコとの友情に生きようとするウッズのひたむきな姿に心打たれる妻のウェンディ(ペネロープ・ウィルトン)。ウッズが閉塞状況の中で書いた原稿を国外へ持ち出そうという計画が練られた。そして1977年大晦日。ウッズは不滅のビコの姿を胸に、妻と5人の子どもたちとは別々のルートながら、自由の証を手にするために、壮烈で危険な逃避行に旅立った……。
スタッフ・キャスト
- 監督
- リチャード・アッテンボロー
- 脚本
- ジョン・ブライリー
- 原作
- ドナルド・ウッズ
- エクゼクティブ・プロデューサー
- テレンス・クレッグ
- 製作
- リチャード・アッテンボロー
- 撮影
- ロニー・テイラー
- 美術
- スチュアート・クレイグ
- 音楽
- ジョージ・フェントン
- ヨナス・グワングワ
- 編集
- レスリー・ウォーカー
- 衣裳デザイン
- ジョン・メロー
- 字幕
- 戸田奈津子
受賞歴
第60回 アカデミー賞(1988年)
ノミネート
助演男優賞 | デンゼル・ワシントン |
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作曲賞 | ジョージ・フェントン ヨナス・グワングワ |
主題歌賞 |
第45回 ゴールデングローブ賞(1988年)
ノミネート
最優秀作品賞(ドラマ) | |
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最優秀主演男優賞(ドラマ) | デンゼル・ワシントン |
最優秀監督賞 | リチャード・アッテンボロー |
最優秀作曲賞 | ジョージ・フェントン |