テレマークの要塞のレビュー・感想・評価
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要塞攻撃で終わらないだと!?
BS10での放送を鑑賞(字幕,録画)。
邦題は「テレマークの要塞」だが、原題をそのまま訳すと「テレマークの英雄たち」となる。本編を観れば、この邦題がクセモノだとすぐに分かるはずだ。主人公たちが攻撃する目標は厳密には「要塞」と言えないシロモノと思えるからだ。おそらく「ナバロンの要塞」や「荒鷲の要塞」のヒット作に便乗し、二匹目のドジョウを狙った名付けだろう。
実話を元にしているとは言え、この手の要塞モノは要塞攻略までの紆余曲折のドラマを描き、クライマックスの要塞への攻撃が醍醐味と云う印象があるが、本作はひと味違う展開を見せる。
ナチスの重水製造工場(これは厳密には要塞と言えなさそうだが⋯)を攻撃するもそれだけに終わらず、二転三転、最後は重水輸送船へと展開し、スリル満点のクライマックスに手に汗握った。
ご都合主義があからさまだった。重水製造工場はナチスの重要施設のはずなのに、あまりにも警備が手薄過ぎる。簡単に侵入出来てしまい、容易く爆破に成功してしまう。輸送船への侵入も同様だ。あっさりな展開が多いのが気になった。
テレマークの英雄たち
開始直後壮大なるネタばらし。 ナチスドイツの原爆製造を阻止したノル...
描くべき焦点が違うのでは
総合60点 ( ストーリー:65点|キャスト:65点|演出:60点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
緊迫感が薄い。いとも簡単に船の乗っ取りが成功して、敵に見つかる心配もなく哨戒線を突破して英国に到着している。2日がかりで寒さ厳しい雪原も超えたのに疲れ知らず、まるで近所の買い物から帰ってきたかのように元気いっぱいに気のきいた話をする。本来なら緊張するであろうナチスの前で急に抱きあうという不自然な行動をとって疑われることもない。敵役の描き方も典型的な間抜けな悪人といったところで、簡単に作戦が実行できる。どうやったのか一切過程がなかったが、敵の基地の図面も簡単に手に入った。
後半は基地の潜入があって盛り返してきたものの、男前の有名俳優が女を口説きながら正義のために行動して格好いいだろうという演出が、軽薄でどうも好きになれない。作戦計画に対しての細かな描写は省かれていきなり潜入が決行されて脱出までしている。命懸けの作戦実行なはずなのに軽い。結局、ドイツの核開発を命懸けで阻止したという歴史の真実を描くのではなく、女にもてる恐れ知らずの英雄を演じるカーク・ダグラスを格好良く描きたいだけ。
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