劇場公開日 1965年12月24日

「描くべき焦点が違うのでは」テレマークの要塞 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0描くべき焦点が違うのでは

2016年4月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

総合60点 ( ストーリー:65点|キャスト:65点|演出:60点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )

 緊迫感が薄い。いとも簡単に船の乗っ取りが成功して、敵に見つかる心配もなく哨戒線を突破して英国に到着している。2日がかりで寒さ厳しい雪原も超えたのに疲れ知らず、まるで近所の買い物から帰ってきたかのように元気いっぱいに気のきいた話をする。本来なら緊張するであろうナチスの前で急に抱きあうという不自然な行動をとって疑われることもない。敵役の描き方も典型的な間抜けな悪人といったところで、簡単に作戦が実行できる。どうやったのか一切過程がなかったが、敵の基地の図面も簡単に手に入った。
 後半は基地の潜入があって盛り返してきたものの、男前の有名俳優が女を口説きながら正義のために行動して格好いいだろうという演出が、軽薄でどうも好きになれない。作戦計画に対しての細かな描写は省かれていきなり潜入が決行されて脱出までしている。命懸けの作戦実行なはずなのに軽い。結局、ドイツの核開発を命懸けで阻止したという歴史の真実を描くのではなく、女にもてる恐れ知らずの英雄を演じるカーク・ダグラスを格好良く描きたいだけ。

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Cape God