デリカテッセン

劇場公開日:

解説・あらすじ

「アメリ」の大ヒットで知られるジャン=ピエール・ジュネが、盟友のマルク・キャロとの共同監督で1991年に発表した長編デビュー作。CMやミュージックビデオ、短編映画を手がけてきたジュネ&キャロによる、独創的な世界観の中で繰り広げられるブラックコメディ。

核戦争により荒廃した近未来のパリ。元ピエロの青年ルイゾンは、職を求めてある精肉店(デリカテッセン)にやってくる。アパート兼店舗の建物のなんでも屋として雇われたルイゾンは、住み込みで働き始め、一癖も二癖もあるアパートの住人たちと過ごす日々を送る。しかし、店の主人には、ルイゾンのような流れ者を殺しては肉にして売っているという、恐ろしい秘密があった。主人の娘ジュリーは、心優しいルイゾンに好意を抱き、父の魔の手から彼を救おうとするのだが……。

ルイゾン役は、ジュネ作品常連のドミニク・ピノン。セザール賞で脚本賞、新人監督作品賞、編集賞、美術賞の4部門を受賞し、シッチェス・カタロニア国際映画祭では監督賞、男優賞なども受賞。日本でも東京国際映画祭ヤングシネマ・コンペティション金賞を受賞するなど、各国で高い評価を得た。2025年1月、ジュネ監修による4Kレストア版でリバイバル公開。

1991年製作/100分/PG12/フランス
原題または英題:Delicatessen
配給:Diggin’
劇場公開日:2025年1月10日

その他の公開日:1991年12月21日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)1991 STUDIOCANAL

映画レビュー

4.0シュールで不穏でブラックで美しい…ラブコメディ(!?)

2025年2月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

不思議な世界観と、不穏な雰囲気、緊張感とシュールさに釘付けであっという間の100分!
SF!?ロマンス!?ブラックコメディ!?オムニバス!?形容しがたい独特な味があった。映像の色味とか美術のセンスもクセになった!

みんなとち狂ってるけど、オシャレで構成も綺麗で絶妙なバランスだった!ブラックな笑いが多いのに不思議と下品さがなく、どこか上品さがあるのがすごい。
主人公とジュリーのラブロマンスが可愛かったし、水中で見つめ合うシーンや2人で楽器を奏でるシーンなんかとてもロマンチックだった!

でもなんだかんだでお気に入りのシーン…というかしばらく頭に残りそうなシーンは、
ベッドの軋む音に合わせて住民たちがリズミカルにシンクロするシーンと、オーロールが全自動自殺機(!?)で何度も自殺を試みるシーン。笑

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とも

5.0青春の思い出加点したら満点に

2025年1月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

グロテスクでユーモラス、ナンセンスでロマンティック。やっぱ最高に面白い映画。この度のレストアがなければ観かえすことは無かったかもと思うと大変ありがたい。メインテーマ、曲そのものも使い方も抜群にいい。大学生の時のオレ、よくぞ観た。

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くつむし

3.5一度味わうとクセになるジュネ亭メニュー

2025年1月25日
iPhoneアプリから投稿

ジャン=ピエール・ジュネがマルク・キャロと共同で監督した作品で、とてもデビュー作とは思えないぶっ飛んだ世界観が魅力です。世紀末のパリで人肉を売る精肉店で働くことになった男の文字通り食うか食われるかのブラック・コメディです。なんと言っても、セピア調でドロっとした映像や不気味な小道具、エグさたっぷりの強烈なキャラの登場人物達と、ジュネの作品に共通するスタイルが既に完成しているのが凄いです。また、主役または準主役にどこか未成熟で不安定な女性が出て来るのも、後年の『ロストチルドレン』『エイリアン4』にも通じるジュネの嗜好性があって面白いです。直接的な残酷なシーンはなく観客に想像させながら、独特のグロテスクで歪んだ情念を感じさせる映像はインパクトがありますが、ストーリーを動かすのは男女の恋であるのがフランス映画らしい所です。役者では、以後の作品でも常連になるドミニク・ピノンが妙な味合いです。意外とまともに見えるのは妖艶な肉屋の女房役のカリン・ビアールで、観る側もジュネの毒に当てられたのかな。

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シネマディクト

4.0ジュネ&キャロの完成された長編デビュー作

2025年1月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

「アメリ」のジャン=ピエール・ジュネがマルク・キャロと共同監督した1991年の長編デビュー作。

ジュネ&キャロによる独創的な世界観はデビュー作とはいえ唯一無比。「成熟」という言葉が相応しいブラックコメディの傑作だった。

核戦争により荒廃し食糧難に陥った近未来。パリ郊外にポツンと残る精肉店兼アパートメントはその名もまんまのデリカテッセン‼︎

元ピエロの青年ルイゾンが求人広告を見てここにたどり着いた。

人間を精肉するという噂のヤバい店主や奇人変人の住人たちと繰り広げる風刺の効いた辛口のドタバタ。ルイゾンと店主の娘ジュリーとのラブロマンスも出色で、10年後の「アメリ」の萌芽がここに在った。

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エロくそチキン2