デッドマン・ウォーキングのレビュー・感想・評価
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当然の帰結。もっと衝撃的な展開かと思ったが…ある意味こちらの方がよ...
当然の帰結。もっと衝撃的な展開かと思ったが…ある意味こちらの方がより衝撃的。
死刑制度の是非。赦しのための宗教。
シスター、死刑囚、被害者、家族、それぞれの視点がとてもリアル。深く考えさせられる。
最後の死刑制度反対!みたいなセリフだけがやや余計だった気がする。
名優2人の競演もお見事、ティム・ロビンス監督恐るべしってところか。
デッドマン=死刑囚
ずっと気になっていたがなかなか見る機会がなかったやつ。
若干ショーン・ペンにハマっているので見た。
デッドマンウォーキング=死刑囚が(死刑場へ)歩くぞ
さすがショーン・ペン、終盤の家族とのお別れのシーンとかめっちゃ泣けた。母親の気持ちは痛いほど伝わったが、弟たちの心境が気になる、、。ルールブラックジャック出てた。
やったことは最低だから可哀想という気持ちはないが、容疑者側が同情されるような映画は珍しいのでは?
批判もありそうだけど高評価だからあまりないのかな。
概要を知らずに見たから、途中ショーン・ペンがシスターを騙して脱走でもするお話なのかと思った。普通に懐いてただけか。
被害者側の視点も書かれていて辛かった。
今作のシスターは全人類を愛している感じ。シスターの鏡。洋画で出てくるシスターって全員いい人が多いような、、?被害者家族も少しは死刑囚の味方をするシスターの理解を示しているところが良い。
州によって処刑法が異なるっていうのが面白い。グリーンマイルでは電気椅子、ダンサーインザダークでは絞首刑、本作では薬物。薬物が1番人道的な気がする。1本目で鎮静剤を投入し、2本目で呼吸停止、3本目で心肺停止にさせる。
日本とは違って観客がいるっていうのもすごい、、。
果たして最後の言葉で謝罪を述べた死刑囚は今までに何人いたのだろう。。
この映画が何を伝えたいのかは分からなかったが(犯罪はやめろってことか?)名作と言われる所以はわかる。
死刑廃止した方が良いのかどうかは見た人次第。
おすすめ!
そうであって欲しくなかった
ルイジアナ刑務所に収監された死刑囚マシューをショーン・ペンが、マシューから手紙を貰い、彼のスピリチュアルカウンセラーとなる修道女ヘレンを、スーザン・サランドンが演じる。
死刑執行の描写がリアルで、その様子を見守る被害者の親の姿など、まるでドキュメンタリーのようでした。
余りに残虐な犯罪シーンに、被害者二人の親だったなら、彼らを赦す事は出来ないだろうと感じました。
殺人犯をも心から認め、赦す、私にはとても出来そうもありません。
NHK-BSを録画にて鑑賞 (字幕)
原作からすると死刑廃止論的内容なのだろうが、映画としては果たして…
この映画は、1996年度キネマ旬報ベストテン
においていずれも話題作の
「イル・ポスティーヌ」
「ユリシーズの瞳」
「アンダーグラウンド」
「ファーゴ」
に次いで見事第5位に選出された作品だが、
テレビ放映を機に再鑑賞した。
日本は先進諸国の中では
数少ない死刑制度を持つ国として
何かと国際的な批判を受けているが、
私的にもなかなか結論の出ないテーマ。
そんな中、その問題への主人公の思索を
しっかりと描いた内容に
魅入られるようにこの作品を鑑賞した。
映画の最終版で、
尼僧の「助け合えば憎しみから抜け出せる」
との言葉に、
被害者の父親は「どうかな、そうは思えん」
との返答にも関わらず、
二人が融和を得たような
教会で共に祈るシーンで終えた。
私は遠藤周作が好きで、
彼の“同伴”と語られる
寄り添うキリスト像に共感を覚えるが、
ただ、小説で語られる“同伴”は
弱い人々へのそれであり、
悪い人々への“同伴”との印象は
あまり無いように感じている。
この映画で描かれる犯罪は
余りにも残酷過ぎて、
とても正視に耐えられるものではないが、
死刑直前、犯人は遺族への謝罪を行い、
尼僧はキリストのように、
処刑に臨む彼に“同伴”した。
原作からすると、この映画は
本来は死刑廃止論的作品なのだろうが、
一方では、そうでは無い如くに、
処刑と交互に描かれる酷過ぎる犯行シーン、
また、ガラスに映る亡くなった
被害者二人の顔の描写もあり、
果たしてティム・ロビンス監督の真意は
どうだったのだろうか。
死とは何か
死刑囚の死刑執行、それは、我が国でも日常としてある。
が、当事者(死刑囚、遺族含めて)はごく少数で、その心情に
思いを馳せることは、通常ほぼないが、こういう映画を見るたびに
考えさせられる。
人の人生って、死って、明確には答えられない。一人一人みんな違うから。
自分はどちらかと言えば死刑廃止論者ではないが、死刑が抑止になるとも
思えない。改心とは、償いとは、明確な答えはない。
私ごとだが、80代の父が最近、亡くなったが、認知症で話すこともできず、
面会に行っても、呼吸が苦しそうな時もあった。
それは誰にも伝えられない苦しみって。想像するだけでも怖い。
実際の死刑執行の方が、むしろ楽に死ねるなと思った。
ショーンペンは、演技はうまい、本物に見える。
問いかけてくるもの
胸に深く突き刺さる傑作。私は、涙なしにはこの作品を観ることはできない。折に触れみている。
95年制作。
合法的殺人、死刑。非合法殺人との対比。
死刑制度の是非を真正面から問いかける。
目には目を、歯には歯を。古代エジプト、メソポタミア文明時代、バビロニアを統治したハンムラビ王が制定したとされる、ハンムラビ法典にその言葉が記されている。罪刑法定主義の原点とされている。
物語はシスターと死刑囚の対話、心的交流を軸に残虐な犯罪で殺される命と、死刑という制度で殺される命。死、ということだけをとれば、それは殺人と変わらず合法か非合法か、という違いがあるだけではないだろうか、と静かに問いかけているように私は捉えている。
殺人を犯した死刑囚マシューと、その精神的支柱になろうとするシスターヘレン。
マシューの育ってきた環境、無惨、残虐に殺された若い命、彼らの遺族との対比。残酷な犯罪の描写もフラッシュバックで描写されている。
どんな残虐な犯罪を犯し人命を奪った人間にとっても死刑は制度的合法殺人であり、ならば命をもってそれは償いになるのか。
被害者家族は、それで心に安寧を得ることができるのか。
しかし、私が上記のように述べてきたのも結局、安全地帯からの言葉であり、自分の家族や大切な人達が殺された、となれば冷静でいられるはずがない。
犯人にも同じ思いを、と感じるに違いない。
まさに目は目を、歯には歯を、の精神状態におちいるだろう。
いつ自らが加害者、被害者になるかだってわからない…。
監督名優ティムロビンス
シスター演じるはスーザンサランドン、この演技でアカデミー受賞。死刑囚マシューのショーンペン。この人の演技にはいつも圧倒される。2人の圧巻の演技。
撮影監督ロジャーディーキンス。ショーシャンクの空に、でも壁、ガラスに隔てられた2つの世界、刑務所の壮大な空撮など圧巻の撮影で魅せる。
今作も隔てられた向こうとこちらの世界、ガラスに隔てられた壁、俳優のアップ、ロング、心情を捉えるなど見事な撮影。
現在、先進国で死刑制度がある国は日本と数少ない国々らしい。
アメリカは連邦国家であり、州ごとに法律も違うという。
物語終盤、死刑囚マシューは死を受け入れ遺族に謝罪の言葉を述べ、死んでいく。
シスターヘレンの粘り強い対話の精神で、死を前にして罪を受け入れる。
多くの洋画と同様、今作にもキリスト教の概念、聖書の言葉が多く出てくる、心の支えともなる信仰とは何か、も訴えている。
ラストは心を揺さぶられ、とても冷静にはみていられなくなる。涙が滲む、
現代日本でも、残酷な犯罪があり、人命を奪う人間と無念にも奪われてしまう人がいる。
死刑制度があったとしても、果たしてそれが犯罪抑止につながっているのだろうか。
センシティブなテーマだが、音楽が良い。
ラストに流れるブルーススプリングスティンの歌も静かな余韻を残す。
デッドマンウォーキング、死刑囚が行くぞ、という意味らしい。
多くの方にみていただきたい作品です。
私には無責任ではあるが、正しい答えはわからない。
遺族の敵になるしんどい仕事
スーザンサランドン扮するシスターヘレンブレイジェーンは、手紙を寄こしたショーンペン扮する死刑囚のマシューポンスレットに会いに行った。マシューは殺していないと言った。
凶悪犯に対してメンテする必要は無いと思うが、やはりシスターという立場もあって請われたら話し相手も応じるのだろう。死刑囚も最後は救いを求めるんだろうね。被害者遺族の話を聞いてもシスターたるもの死刑囚を救おうとするんだろうね。当然遺族の敵になるわね。しんどい仕事だ。
中立系でした
廃止論者の原作なのに廃止論、継続論どちらにも与しない中立的な作品でした。
原作もそうなのか、制作側がそのようにしたのか不明ですが、淡々とした描写は好感が持てます。
裏返せば、「考えさせられる作品」ではないです。つまり廃止論の人も継続論の人もこの作品に影響を受けて考え方が変わることはないだろうから。
その意味では「カポーティ」の方が廃止論に肩入れでした。
それにしても、二人とも超絶演技力でした。
赦しと愛
世界中の死刑囚が救いを求め憎しみから解き放たれて逝けるのならば本望か、それで誰が救われるのか、清々しく思われるシスターの表情、最後に懺悔の如く徹底した悪を貫かないマシューだが、真実が描かれる映像に心が清らかになろうが同情の余地はない。
死刑廃止論の立場を中心に描かれながらも加害者家族にも寄り添い、被害者家族側と死刑賛成派の意見も取り入れて、どちらかに偏ることはなく僧侶と死刑囚二人が対する静かな時間が死を迎える迄。
残酷な殺人犯でありながら小狡い小悪党でしかない惨めな男を演じたショーン・ペン、全てを受け入れ心を開いた最後の姿でさえ薄情で狡賢い一面を想像してしまう、そんな役柄を演じるショーン・ペンが大好物な自分。
ショーン・ペンの知名度
アメリカでは演技派として既に地位を確立していたショーン・ペンだが、
日本では、この作品でショーン・ペンを知ったという人も多いのでは?
この作品でアカデミー主演男優賞にもノミネートされて、
日本でも知名度が上がった作品。
結構重いテーマだが、結構観やすい作り。
でも、やはりラストの「デッドマン・ウォーキング」
のシーンは観るのは辛いです・・・(T_T)
シスターの愛の深さに感動
死刑囚とシスターが出会う。
正直、死刑になっても仕方ないだろうと思ってしまう男だけれど、シスターは寄りそい、話を聞くのだ。
家族の気持ち、周りの人の支えや反発、いろいろなものを受け止めながら、スピリチュアルカウンセラーとして最後まで見届ける。
このシスターの懐の深さ、大きな愛のおかげで、最後に彼は人としての心を取り戻していく。
死刑という制度がいいか悪いかはそれぞれの意見があるだろう。けれど、この映画を見た人は、人の尊厳について思いを寄せることになるだろうと思った。
死刑制度の意味と価値
個人評価:3.7
シスターの中立さが、違和感と時には苛立ちを覚える。被害者、加害者を平等に扱う。あぁ、それが神の立ち位置なのか。死を前にして神と向き合う事はできたが、本当に主人公は、罪や被害者と向き合ったのだろうか。全ては神の元へ旅立つ自分自身の為なのではないだろうか。自身が真実と向き合う事と、赦しとは別の問題ではないだろうか。無宗教の私には色んな感情が湧き起こる。
さてティム・ロビンスの狙い、テーマはどの部分だろうか。結末から見れば、主人公は死の直前になり、初めて罪と向き合い、神への道を意識出来る様になった。これは終身刑では辿り着かなかった域だろう。また一方、被害者家族は犯人の死によって、ようやく憎しみから解放され、穏やかな生活を取り戻す事ができた。これも終身刑では得られない感情かもしれない。この部分のみスポイルすると、死刑制度の肯定と価値を表した作品だと感じる。
いずれにせよ、とても宗教的だが、死刑囚を誇張なく、とてもリアルに捉えた脚本だと感じた。
ショーン・ペン!
何度見てもショーン・ペンが素晴らしい!
死が刻一刻と迫る死刑囚を見事に演じきってると素人ながらに思う。
親になって久しぶりに観たけど、
マシューは憎い。
それは親になる前よりもリアルな感情で憎かった。
マシューと言う人間自体は
愚かで幼くてどうしようもない馬鹿に
代わりはないけど、
それでも被害者遺族が言うような動物ではなく、
彼も人間であると言う事に複雑な気持ちになった。
やはり自分被害者遺族になると、
死刑にしてほしいとは思うと思う。
だけど、コイツはクズだからと切り捨てるだけではなく1人の人間の死を受け止めないといけないのではないのだろうか?と考えさせられた。
死刑執行前の家族の集まりは、
あんなの見せるのはずっこいわ。と思いました。
とても良いシーンでした。
難しい問題・・
加害者をいくら死刑にしても、被害者の家族の悲しみ・苦しみが消えることはない。死刑制度の有無については難しい問題。そもそも日本では、加害者の死刑がいつ執行されるのか分からないし、被害者の遺族が死刑に立ち会うこともない。これを問題提起したシリアスな映画としては見た方がいい映画・・
最後に真実の愛を知る。
被害者遺族の哀しみ、加害者遺族の哀しみ、その間にいるシスターと、それぞれの心情がうまく表現されていた。
日に日に、悔い改める死刑囚がシスターの優しさに真実の愛を知る。
最後に心打たれる場面に涙しました。
久々に心に響き、考えさせられた作品でした。
全25件中、1~20件目を表示