妻と女秘書

解説

「支那海」「男の世界」のクラーク・ゲーブル、「港に異常なし」「支那海」のジーン・ハーロウおよび「諾?否?」「男の世界」のマーナ・ローイが主演する映画でフェイス・ボールドウィン作の大衆小説に基いて「春を手さぐる」のノーマン・クラスナと「ローズ・マリイ(1936)」のアリス・デュアー・ミラーと「浮かれ姫君」のジョン・リー・メインが協力脚色し、「噫初恋」「アンナ・カレニナ」のクラレンス・ブランが監督に当たり、「港に異常なし」「賓島」のレイ・ジューンが撮影した。助演は「少年G戦線」のメイ・ロブソン、「ローズ・マリイ(1936)」のジェームズ・ステュアート、「ロイドの牛乳屋」のジョージ・バービア等である。

1936年製作/アメリカ
原題:Wife vs. Secretary

ストーリー

若手の実業家として辣腕を振るっている出版会社の社長ヴァン・スタンホープと最愛の妻リンダとの仲は、新婚当時と変わらぬ親密さで、人も羨むばかりであった。ヴァンはホワイティという美しい女秘書を使っていたが、もちろんリンダはそれについて何の嫉妬も抱くわけがなかった。しかしヴァンの母親ミミはホワイティを一目見ると、あんな美しい秘書をおいては今に面白からぬことが起こるに違いないというのだった。ホワイティがヴァンの仕事にとって何者にも代え難い事を知っており、また夫の愛情を信頼するリンダは、母親の言葉を耳にも止めなかった。しかし周囲の人々からヴァンとホワイティの関係について様々嫌な噂を聞くことが度重なるにつれて、いつしかリンダの心にも淡い疑念が浮かんでくるのだった。彼女はヴァンにホワイティを外の仕事に就かせるように頼んだが彼は聞き入れなかった。これが2人の初めての口論だった。一方ホワイティにはデイヴという恋人があり結婚を申し込まれたが、今の仕事に興味を持ってい彼女はそれを聞き入れないので、2人の間には誤解が生じて別れてしまう。ヴァンは事業上の重要な契約を纒めるためにハヴァナへ旅行した。ホワイティは緊急の用件で彼に呼ばれ一足後に到着したが、深夜ヴァンの部屋にニューヨークにいるリンダからの電話を取り次いだのはホワイティだった。リンダの心には一度忘れた疑念が嫉妬となって燃え上がった。彼女は2人が仕事にかこつけて道ならぬ恋の逃避行に赴いたものと誤解してしまったのだ。ニューヨークに帰ったヴァンがいかに弁解しても、一度嫉妬に狂ったリンダの耳には何事も信ずることができなかった。彼女はついに夫を捨てて欧州への旅に上がる決心をした。出航30分前、ホワイティはリンダを船に訪れて最後の忠告を試みた。彼女は、もしリンダが夫を捨てるようなことがあれば、ヴァンは寂しさから必ず身近の女性に慰安を求めるであろうこと、そしてその女性とは取りも直さず自分であることそうなればリンダの疑いは初めて真実となって、自分とヴァンは決して離れないであろうこと、等を説いた。リンダの疑念は初めて解け、彼女は事務所にいる夫のもとへ帰った。2人の幸せな様子を見てホワイティは外へ出た。そこには恋人デイヴが待っていた。

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スタッフ・キャスト

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