追想(1956)

解説

ロシア革命の犠牲から奇跡的に逃れ今も生存を伝えられるロマノフ王朝の皇女アナスタシアに絡まる恋と陰謀を描いた話題作。原作はガイ・ボルトンの潤色によるフランスのマルセル・モーレットの戯曲により、「旅情」のアーサー・ローレンツが脚色、「愛情は深い海の如く」のアナトール・リトヴァクが監督した。撮影は「旅情」のジャック・ヒルドヤード、音楽は「バス停留所」のアルフレッド・ニューマン。主な出演者は、「王様と私」のユル・ブリンナー、「われら女性」以来久々のイングリッド・バーグマン、「砂漠部隊」のエイキム・タミロフ、舞台からヘレン・ヘイズなど。

1956年製作/アメリカ
原題または英題:Anastasia

ストーリー

1928年。パリ在住のボーニン(ユル・ブリンナー)を首謀者とするチェルノフ(エイキム・タミロフ)ら4人の白系ロシア人は、ロシア革命のとき独り逃れたという大公女アナスタシアが生存していると宣伝、彼女を敵から救出する名目で旧貴族から資金を集め出した。そして4人は、セーヌ河に身を投げようとしたアンナ・コレフ(イングリッド・バーグマン)をアナスタシアに仕立て、ロシア皇帝ニコラス2世が生前、大公女のために英国銀行に預金した1000万ポンド、利子も含めて3600万ドルの金を引き出そうと企む。アンナは、前に病院に入っていたとき自分はアナスタシアと打ち明けたことがあり、自分の過去を殆ど記憶していないという謎の女だった。ボーニンらの巧みな演出で、アンナはアナスタシアとして在パリの旧ロシア宮廷の要人たちに引き合わされた。しかし要人の1人は彼女の真実性を認めず、狼狽したボーニンは最後の切札として彼女を、デンマークで甥のポール公と余生を送るアナスタシアの祖母・大皇妃(ヘレン・ヘイズ)と対面させようとする。ポール公は革命前、アナスタシアと許婚であった。だがボーニンの試みは失敗、そこで彼は大皇妃の侍女を買収して劇場でポール公とアンナの対面を計った。これは成功し、ポール公も信じはしなかったがアンナの美しさに打たれた。ところが翌晩、ポール公に再び会ったアンナは、自分を偽物のアナスタシアでなく唯の女として扱って欲しいと打ち明けた。一方、ボーニンも、ポール公に自分の欲しいのはアナスタシアの金だけだと明けすけに話した。経済力の足りぬポール公は、この話に乗り、大皇妃とアンナの対面に手を貸す。大皇妃と会ったアンナは少女時代のことを聞かれ、ドギマギして帰ろうとするが、大皇妃はアンナが時々する妙な咳に気づき、彼女が本物のアナスタシアと知った。かくてアンナはアナスタシア大公女として認められ、数週間後には、彼女の金目当てのポール公と婚約披露をすることになった。だが、この時になって、アンナとボーニンは互いに愛し合っていることを知った。しかしすべてを諦めたボーニンは想いを秘めて大皇妃に暇乞いに行った。ところが大皇妃は、ボーニンの心中を鋭いカンで悟り、2人を結ぶ労をとる。アナスタシア大公女婚約披露の席に2人の姿はなく、「芝居は終わった」という大皇妃の声だけが静かに響いていた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第29回 アカデミー賞(1957年)

ノミネート

作曲賞(ドラマ/コメディ) アルフレッド・ニューマン

第14回 ゴールデングローブ賞(1957年)

受賞

最優秀主演女優賞(ドラマ) イングリッド・バーグマン

ノミネート

最優秀主演女優賞(ドラマ) ヘレン・ヘイズ
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映画レビュー

3.0名女優の競演

2024年3月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

幸せ

物語の舞台は多国に亘るので平面的な広がりはあるものの、ストーリーはシンプルでラストも唐突なため、立体的な奥行きが感じられなかったのが少々残念。イングリッド・バーグマンとヘレン・ヘイズの演技が力強く、舞台劇の色合いが強かったですね。冬のライオンと似た印象を受けましたが、個人的にはこういった映画は好きです。
にしてもイングリッド・バーグマン、素敵ですね。

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吠えない狼

3.5皇帝一家皆殺しというおそロシア🇷🇺革命。それには続きがあった。なん...

2022年8月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

皇帝一家皆殺しというおそロシア🇷🇺革命。それには続きがあった。なんと皇女アナスタシアが難を逃れ生きているというのだ。
演じるバーグマンが圧巻の演技を見せる。果たして彼女は本物なのか、偽物なのか、ドキドキです。共演ユル・ブリンナーも旬の頃か、カッコいい。面白かった。
素晴らしい創作物語かと調べてみると、なんと本当にそんな人がいたんですね、ビックリ。史実ではほぼ偽物確定のようです。が、今でも本物と信奉する人もいるよう。映画では本物っぽく描かれているのも見ものかも。
バーグマン信奉者の私はその美貌を見ているだけで楽しかったです(笑)

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はむひろみ

4.0イングリットバーグマンの気品ある美しさ

2021年5月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

イングリットバーグマン扮するアンナコレフはロシアのアナスタシア皇女だと噂されていたのをユルブリンナー扮するボーニン将軍が確かめた。ボーニン将軍はアンナをアナスタシアに仕立てる様に画策していたが、アンナ自身アナスタシアと信じていた。ボーニン将軍がアンナにダンスを教え込むシーンが出て来るが、イングリットバーグマンもユルブリンナーもそれは見事なものだったね。特にユルブリンナーの台詞の言い回しはスピード感あって威厳があったな。イングリットバーグマンの気品ある美しさは言うまでもないが、負けずに緊張感ある演技だったね。

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重

4.0どんな衣装でも美しいバーグマンと黒のタキシード姿がバッチリのユルブリンナー

2021年4月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

幸せ

デンマークの街や、宮廷、劇場のレトロな美しさにとても、2人が似合ってました。

長い階段を降りてくるバーグマンの美しさ!40歳とはいえ、なんのなんの、しっとり感でホンモノの貴族のようでした〜((o(*゚▽゚*)o)))♡

2人のラブシーンはなくとも、少しだけ手を取り合うシーンで、バーグマンがハッとした感じが、とても良かったです♫

デジタルマスターとやらで、NHK BSの色合いも昔のカラー作品ぽくて、とてもいい感じでした!

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るー