タクシードライバーのレビュー・感想・評価
全175件中、161~175件目を表示
時代は変わった
今回20数年ぶりにWOWWOWでの放映を年末休みに見直したが、ベトナム戦争直後アメリカで覆われていた虚無感に悩み苦しむ若者をロバート・デニーロが見事に演じている。
しかし、私自身歳をとったせいか、あるいは、平和ボケか、どうもこの虚無感を肯定的に捉えられなくなっている。また、これは基本的にスコセッシ監督の作品に共通していえることだが、その思いを正義感に名を借りた
暴力で訴えるという手法にかなり違和感を感じてしまう。
公開当時は、共感する人もたくさんいたからこそ、これだけ注目される映画になったのであろうし、私自身若かりし頃に見たときはもっと衝撃やら感情の高ぶりを覚えた記憶があるが、時代の移り変わりを感じてしまう。
彼だからこそ
これまた人を選ぶ作品です。
面白いか?と聞かれると、うーん。
所々わかりにくいし、一コマ一コマがけっこう長いんです。
せっかちな人や単純アクションを求める人は絶対ムリな映画 笑
けど、みんなが言う"カッコよさ"も
ちゃんと伝わってきた。
結論これロバートデニーロじゃなかったら見ないやつだ
アメリカン・ニューシネマ
素晴らしい映画であり個人的に最も共感できる映画の一つ。この映画は明らかに好き嫌いを分けるし、理解できるか、共感できるかを分ける映画だと思うが、まずはアメリカン・ニューシネマによくあるマインドを理解しなければ正当に評価しづらい映画であると思う。
世間に対して「もう我慢ならん」という気持ちをどこかに抱えている人はトラヴィスの気持ちに共感できるだろうと思う。ジョディフォスターの役みたいに、いい子なのに頭が弱くてつけ込まれている女の子を見るあの感じとか、街中でたむろしている若者を見るあの感じとか、今でも正義感の強すぎる者には我慢ならない感情としての共感はあるはずだと思う。
2度見るとさらに理解に近づく映画で、トラヴィスは映画のスタートからもう精神的に限界なのが感じられる。
この映画を観ていて違和感を感じた部分には実はちゃんと理由(撮影方法など)があることも多いため、特典の音声解説みたいなものを見たら新たに発見があるはず。
それにしてもこの映画のデニーロほど笑顔が怖い登場人物はなかなかいないと思う。
デニーロの瞳
監督スコセッシと俳優デニーロの評価を決定づけた1976年作品。
自分が今さら言うまでもない傑作なのだが改めて映画館で観ると実に良い。
当時のニューヨークの風景とデニーロの風貌。常にウエットで寂しげ。撮影も素晴らしい。
サウンドトラックが印象的だがちょっと大仰に聴こえたな。
デニーロが決意し、肉体改造やガジェットを作り出したシーンには思わずキターと(心の中で叫び)
最初観た時のラストの不思議な感じは今回も変わらず。
殺伐としたままでも(もちろん)ハッピーエンドでもない、日常に戻るが前とは確実に変わってる、とでも言うような。
孤独を抱えた人間は必ず影響されてしまう危険な映画でもありますね。
凡人であるということ。
何者でもない平凡なくらしに埋没していく日々。同僚は、自分が負け犬であることを認め、あまり考えずに生きろ、と。
それでも、何かを為したい、と模索するトラビス。
ベトナム帰還兵、それに起因する(と思われる)不眠、精神の瓦解、社会的孤立。
春を売る、12歳半の少女アイリスとの出会い・邂逅。そして、物語は想定外の結末に向かい加速していく。
それは、トラビスが、アイリスが、望んでいたものだったのだろうか?
何かを為したい、でも、何もなし得ていない、という人間が私も含めて大半。
都市部における人間関係の希薄さは、各国の経済的発展に伴い、加速度を増している。
現在、そして、未来にも通じる処のある、息の長い作品。さすが名作と感じました。
AKB襲撃事件?
デニーロが演じる青年は今でいう発達障害を抱えていたのではないだろうか?
つきあってもない女の子をポルノ映画に連れていったり、会話のかみあわない感とか、極端すぎる行動、普通じゃありません。
実家の親には親切で、虐待されて育ったわけでもないのに、都会での孤独がこんなにも狂気を生み出すなんて、最近起きたAKB襲撃事件を思い出しました。
ルサンチマン爆発
ルサンチマンの爆発!
悪者退治だけど、実際は思い込みの逆恨みだから非常に恐ろしい。
隣人にはしたくないな...
ベクトルが違えば秋葉原の無差別殺人になりかねないわけだ。
鬱屈の発散って恐ろしい訳で、日本でもトラビス気取りの鬱屈が爆発するやら。
こんな鬱屈とした空気こそを改善しないとなんだろうな〜
とりあえず初デートでポルノ映画見に行っちゃダメだろう〜
そんなん許されるのはノルウェイの森のミドリちゃんだけ!
現代の日本はまるでベトナム戦争後のアメリカ
タクシードライバーという映画で一番大事なことは、このデニーロがベトナム戦争から帰ってきた男の持つ特有の虚無感を持っていることだ。
現代の日本人は、この虚無感を抱えながら生きている。
デニーロの持つ厨二くささは現代人が生きているうえで隠しながらそれでも巨大なネット掲示板などで発散しているものと似ているように思える。それでも何かを変えたい。
それは閉塞感のなかから生まれる虚無感だからだ。
現代日本は閉塞感しかない。
開放的なムードはどこかへ行ってしまった。まるでこれからだれかと戦争をするみたいだ。
この作品は現代日本人に何かをちゃんと残せるような作品であるように思うし、今の日本人にはこれが必要な映画のように思える。
これぞ真のダークヒーロー
街を守るため。
その使命は決してアメコミヒーローと変わりない。
武器はお手製。頑丈なスーツなどの装備なし。
見る限りではただのタクシードライバー。
世間は変わり者と言うかもしれないが、ヒーローの心をもった街を守るダークヒーローなのだ。
スタイリッシュでクールなデ・ニーロが痺れる!!
スコセッシ監督の演出力
スコセッシ監督の代表作でいわゆるアメリカン・ニューシネマと呼ばれるものです。しかし、「イージー・ライダー」とは違いあまり開放的ではないです。でも、音楽も素晴らしいし、主人公の感情もしっかりと描かれているので集中して見てしまいます。また、ジョディー・フォスターが出ています。
くたばれ、ニューヨーク
この映画を平たく説明するなら、女に振られた男が狂気に向かっていく様を描いた映画です。ただ人に紹介する上で必ず付け加えなければいけないワードがあります、それは“名作”です。
悩める現代人は共感出来ること間違いないです。
まず映画の見所ですが、若きロバートデニーロの演技。とにかく自然で狂気に満ちてる。
デニーロがほくそ笑むシーンが幾つかあるのですが、その笑みが徐々に常軌を逸していくのです。
若者が社会への反逆者へと変わる様を淡々と演じている。鏡に向かって44口径マグナムを構えるカットには惚れます。
ラストシーンの銃撃戦はやっぱりカッコいい‼
この映画にはたくさんの解釈の仕方がありますが、偏見ありありの俺の解釈で説明していきます。
女に裏切られただけで、男はこれほど壊れることが出来るのです。トラビスの狂気へ向かう引き金を引いたのはベティなんです。その狂気の弾丸はニューヨークにはびこるクズを撃ち抜ける。
トラビスが銃を構え、鏡の前で「俺に言ってんのか?」と呟くセリフがある。そのセリフはトラビス自身に向けて放つ言葉なのですが、しかし、悩める現代人全てに当てはまる言葉でその銃口は見ている私たちに突きつけられているようにも取れます。
その秘めた過激なメッセージこそが、この映画が不朽の“名作”たる所以ではないでしょうか。
世の中を嘆き、夢も目標もない中2病を患ったままの二十代は絶対に見ろ!見終わると、妙な救済感を味わえます。そして、モヒカンへの憧れがほんのり芽生えるでしょう(笑)
大都会の孤独
「You talkin' to me?」この一言がまさしくトラヴィスの孤独な心の内を表している。
大都会の孤独ほど人を狂気にさせるものは無いだろう、はびこる「悪」を容認する世間に馴染むことの出来ないトラヴィスの心は少しずつ空回りし始める。
壊れて行く心が暴力的かつ人間的に描かれる様が素晴らしい。
今でも大都会でこのような事件が起こるということが、この作品の目線の鋭さを感じさせる。
売春から少女を救ったと「殺人者」をヒーロー扱いしたり、孤独では普通に生きて行けなかったり、色々な視点で人間味に溢れる作品。
彼はどこにたどり着いたの?
1976年の作品です。"1973年海兵隊名誉除隊、不眠症の26歳"でピンとくる人達に、強い共感で受け入れられたと思います。
だけど、"普通"の幸せを強く求め果たせず、孤独感から"特別な存在"願望に取り込まれる若者の姿と捉えれば、時代を越えたものかも知れません。
街角で突然多数を殺傷する若者の心を重ね、殺伐とした気持ちになります。
努力しているのに彼の会話は誰とも噛み合わない。でも他の人達の会話も同じ、ごまかし方を知っているだけに思えます。
突き放され、ひどく心細い気持ちにさせられたラストでした。彼はどこにたどり着いたの?ヒントはあの眼差しだけです。最後にやられたって思いました。
実は、「つい観た振りをしてしまう映画」ランキングのニュースで急に興味ひかれました。
トラビスを演じるロバート・デ・ニーロ、静かな狂気がすごいです。有名な鏡の場面、本物は初めて見ました。
これはこれでありかと。
私の好きなデニーロの若かりしころの作品。
この狂気的な演技が高く評価されたそうです。
有名な「レオン」はこれに近い雰囲気もありますね。
でも、こちらの終わり方の方が、良いかも。
続編もできないだろうか?
全175件中、161~175件目を表示