誰が為に鐘は鳴る(1943)のレビュー・感想・評価
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恋するマリアを演ずるバーグマンの輝くばかりの美しさと弾ける笑顔に魅せられる
サム・ウッド監督による1943年製作のアメリカ映画。
原題:For Whom the Bell Tolls、配給:パラマウント日本支社。
原作は有名なれど未読。
ゲイリー・クーパーが主役なれど、動きの鈍さもあり、随分と年寄りに見えてしまった(1901年生まれだから40ちょいなんだが)。一方、恋するマリアを演じたイングリッド・バーグマンは輝くばかりの美しさで、笑顔が満載(1915生まれだから、まだ20歳代)。
最初の方は硬い表情が多かったが、クーパーとの関係性が深まるにつれ、笑顔が増え、彼女のクローズアップも増大。カラー映画で、見詰める彼女の緑色の瞳が見られるのが嬉しい。そう、この映画はバーグマンを愛でる映画。最後の方は、クーパーにベタベタなのだが、それでも嫌にならないのが美女の特権か。本当に、クーパーにメロメロに恋している様に見えてしまうバーグマンの演技力も凄いと思わされた。
エイキム・タミロフが演ずる、飲んだくれで、死ぬのが怖くて何度も逃げ出すスペインゲリラ兵士も何とも人間的で印象に残った。実際の戦闘時の実力の高さとのギャップがなかなかみせる。彼の妻役で、逃げた彼に変わって戦士を統率するカティーナ・パクシヌーも、映画初出演だそうだが好演。勇ましく闘う姿と恋するマリアを応援しようとする姿のギャップが微笑ましい。
脚色ダドリー・ニコルズ(駅馬車等)、原作アーネスト・ヘミングウェイ。
製作総指揮バディ・G・デシルバ、製作サム・ウッド、撮影レイ・レナハン、美術ハンス・ドライアー、ハルデイン・ダグラス、音楽ビクター・ヤング(八十日間世界一周等)、録音ハロルド・ルイス ドン・ジョンソン、編集シャーマン・トッド、ジョン・F・リンク、特殊効果ゴードン・ジェニングス、撮影効果ファーシオット・エドワード、テクニカラー・カラー・ディレクターモーガン・ぺデルフォード。
出演はゲイリー・クーパー(Robert_Jordan)、イングリッド・バーグマン(Maria)、エイキム・タミロフ(Pablo)、アルトゥーロ・デ・コルドバ(Agustin)、ジョセフ・カレイア(El_Sordo)、カティーナ・パクシヌー(Pilar)。
今を生きるために、命の炎を燃やせ
若い頃の、主人公の彼女への別れの言葉への違和感が思い出されたが…
NHKの放映戦略か分からないが、
「100分de名著」で
ヘミングウェイスペシャルが放映された後に
この作品の放映があったので
数十年ぶりかで鑑賞。
劇場ではなく多分以前もTVだったと思うが、
キスに鼻が邪魔になるとのエピソードや
ラストの主人公の機銃掃射の映像を
印象的なシーンの映画として記憶していた。
全般的には山岳ゲリラのリーダーの
動きに振り回される部分や、
別のゲリラグループの登場と戦い・全滅の
エピソードの必要性が分からなく、
総じて作品自体が冗長に感じ、
原作がどうなのかは分からないが、
上手い演出とは思えない作品だった。
キネマ旬報では誰からの1票も
入らなかったのは当然に思えた。
全般的には今回も同じ印象だったが、
特に、若かりし頃に違和感を感じたのは、
ラストで主人公の彼女に語る言葉だった。
確かに涙誘う台詞ではあるが、
「いつも君と一緒だ」や
「離れても心はひとつだ」では、
彼女の彼への想いが足かせとなって
彼女の将来の幸福獲得への
障害になるばかりではないかと、
若気の至りで当時は反発を覚えた。
ここはむしろ「君のことはもう眼中に無い」
とか、自分を忘れさせるための突き放す
言葉の方が彼女のためになるはずだ、と。
しかし、今回は迷いが生じた。
どんな酷い言葉だろうが、
それが彼の真意ではないと
彼女は悟るだろうし、
彼の優しい心に触れた彼女が、
それを糧に力強く生きていく
とも想像出来たので。
若い時とは異なる、
老齢の境地の成せる感性だったろうか。
キスで邪魔になる鼻の持ち主
劇場でイングリッド・バーグマンのアップに、心を鷲掴みにされた記憶がある。
1937年のスペインで、フランコ政権に反対するゲリラ活動に身を投じていたアメリカ人(ゲイリー・クーパー)は、戦略的な要所の橋を爆破スべく、地元のゲリラと接触する。
その中にショートカットの美しい娘(イングリッド・バーグマン)がいた。
1943年にこのレベルの映画を作っていたんだ。
橋の爆破ミッションでゲリラに協力を求めたGクーパー教授。作戦変更と...
橋の爆破ミッションでゲリラに協力を求めたGクーパー教授。作戦変更となってしまい最終的にはゲリラを助ける事になった話と、戦火の恋の話。ラブストーリーというほどでもなく、鼻と鼻をどうしたらの場面も大した事ない。別に何も感じなかった。
仲間同士でのゴタゴタのほうが話にしめる割合が大きい。
俺は絶対キレないぞ。殴られる、効果音の繰り返しから、ピラーがパブロ武勇伝を語る場面は良かった。
スペイン内戦に参加したヘミングウェイの経験に基づく話だから、戦争中の正気でない人間の怖さがでてる。内輪揉めですぐに殺す殺さない会議。
ストーリーはわかりやすったけれどそんなに名作とも思えず。ラストもよくなかった。
恋する女の眼演技ではバーグマンの右に出るものはないかな…
キスの仕方がわからないの。鼻が邪魔だわ。
冒頭から列車の爆破だ。明らかに模型とわかるので迫力はないけど、次の目標である鉄橋は壮大で美しい。
橋の近く、山間に住む8人のゲリラ。リーダー格のパブロはやがて女リーダーのピラーにその座を奪われてしまう。アメリカ人ロベルト(クーパー)は娘マリア(バーグマン)とお決まりのように恋に落ちる。「キスの仕方がわからないの。鼻が邪魔だわ」
橋を爆破するのに反対するパブロ。スペイン内戦当初は尊敬に値するほど勇敢な男だったのに、今は飲んだくれ。皆から「殺せ」と言われるほどだったのだ。そして5月だというのに雪が降ってきた・・・爆破計画はどうなるのか・・・
仲間割れとなるかと思ったら、なんとか計画を実行できた。しかし援軍に届けた手紙はやや遅かった。彼らだけでの実行。戦車がやってくる。ファシスト兵は大勢。しかも起爆装置はパブロが壊してしまった・・・あとは撤退するだけとなったのに、ロベルトだけが爆撃を喰らってしまう。マリアに先に行かせるロベルトの心情。あぁ苦しい・・・
バーグマンの美しさはファシストに髪を剃られ、暴行を受けたことによってますます磨きがかかったのか。3日間の恋なのに人生すべてをかけるよう。甘ったるいけど、尽くすタイプ。
山岳ゲリラの肝っ玉女ボス役のカティーナ・パクシヌーが凄い
ご存知ヘミングウェイの超有名小説の映画化
といっても内容は高尚な文学作品ではなく、大まかに言って戦争アクション物ですから気楽に見れます
見所はゲイリー・クーパーと、イングリッド・バーグマンの二大スターの共演でしょう
主人公ゲイリー・クーパーはインディジョーンズをちょっと10歳程老けさせた感じで、さすがに二枚目スターだけに格好は良いのですがやはり中年感は否めません
しかし、イングリッド・バーグマンは輝くばかりに若く美しく見事なヒロインぶりです
彼女が監督の自宅にヒロイン役の短髪姿で乗り込んでこの役を獲得したとか、後年イタリアにロッセリーニ監督の下に走ったエピソードを予感させるような話です
単に役者魂だけでなく、スペイン内線の反ファシズム映画として参加したかったようにも思えます
それはさておき、彼女の飾り気のない健康的な笑顔は役柄にぴったりで本作の成功は彼女の配役で半分はあると思われます
ヘミングウェイも彼女しか考えられないと言ったとか
そしてあと半分の成功要因は、山岳ゲリラのボスの女房にして実質的に本当のボスの中年女性ピラー役のカティーナ・パクシヌーです
彼女の存在感と役柄への説得力は半端ではありません
成る程アカデミー賞の助演女優賞を獲っています
ジブリアニメのラピュタに出てくる空賊の女ボスの元ネタはきっと本作の彼女のイメージでしょう
脚本もこなれていて2時間半強ありますがだれることなく楽しむ事ができます
ぜひカティーナ・パクシヌーの熱演と短髪のイングリッド・バーグマンの美しさをご堪能下さい
タイトルなし(ネタバレ)
名作なので見ておこうかと。
感想ではなく自分メモ↓↓↓
アメリカ兵士が敵の通り道である橋を爆破するために、ジプシーのいる山に隠り、その短い3日間の間に恋が芽生えて…
橋の爆破後、逃げる時に主人公が砲撃にあい、その場にひとり残り、愛する彼女と別れて奇襲を続けて…THE END
イングリッド・バーグマン・・
ワールドプレミア上映版を鑑賞。ヘミングウェイの名作。この邦題が抜群...
「誰が為に鐘は鳴る」を観て・・
世界大恐慌が起こると、全ヨーロッパにナチス・ドイツとムッソリーニのイタリアを中心としてファシズムの嵐が吹き荒れた。スペインも例外ではなかった。共和国政府に陸軍がクーデターを起こし、スペイン動乱が1936年に始まった。
ここからネタバレになるかも・・
反ファシストのアメリカ人で大学教授のロバートは、義勇軍として戦争に参加して峡谷にかかる鉄橋の爆破を任務とした。それには山間に潜むスペイン人ゲリラと協力体制をとることに・・そのゲリラ隊と行動を共にして食事係をしているスペイン娘のマリアと一瞬で両想いの恋に落ちる。映画では、ゲイリー・クーパーとイングリッド・バーグマンが共演して、戦争を背景とした恋愛物語の名作となる。
この映画の原作を書いた文豪ヘミングウェイは実際にスペイン内戦の従軍記者であった。
映画の後半では、ロバートは鉄橋にダイナマイトを仕掛け、爆破に成功。しかしスペイン軍と銃撃戦になる。そして負傷して動けなくなってしまう。マリアが駆け寄るもロバートに説得され戦地で生き別れに・・
ロバートはひとり敵に機関銃を撃ち続けた。
1943年のアメリカ映画。当時は第二次世界大戦の真っ只中である。
名作っちゃ~名作。
有名作品なのだけど
総合:60点
ストーリー: 60
キャスト: 70
演出: 60
ビジュアル: 65
音楽: 60
命懸けの任務と、戦場に咲いた一輪の花との悲恋。ゲイリー・クーパーが演じるロバート・ジョーダンが初めて会う協力者たちがそれぞれに背景を背負っていて、任務の遂行に忠実とは限らない部分などの設定は良く出来ている。正規の軍隊ではないし混乱した社会では、このような人々をそれぞれ見極めるというのも重要で、それが物語に彩りを添えていた。
とはいうものの、時代が古い作品のせいなのか、戦場にメロドラマを持ってきて焦点がぼやけたせいか、その知名度からくる期待度ほどには面白いとは思わなかったのが正直な感想です。なんというのだろうか、真面目に作っている質の高い映画ではあるのだろうが、私には見ていてあまり緊張や感動や興奮がありませんでした。
製作は第二次世界大戦真っ只中の1943年。このような時代ならば、映画は自分の国を持ち上げて敵国を貶めるようなものになりがち。確かにこの映画の主人公は連合国側であるしファシストたちは悪く描かれてはいる。だがあまりに一方的な描き方になっていないのは、作品の品位を貶めることなく保っているように思えた。当時の日本ならばいくら有名小説の映画化といえども、日本万歳、鬼畜米英殲滅のようなものになっていたんじゃないかな。
有名作品なのでたくさんアカデミー賞をとっていると思い込んでいたが、受賞は助演女優賞のみなんだそうです。クーパーとバーグマンという有名俳優二人の出演だが、確かに気の強い妻のピラー役を演じたのカティナ・パクシヌーが良かったように思います。セットとかはこの時代にしては頑張っていると思うし、何より天然色で撮影しているのは立派。
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