「劇場で観る機会もこれが最後かと思い、十数年ぶりにスクリーンで鑑賞」大脱走 アンディ・ロビンソンさんの映画レビュー(感想・評価)
劇場で観る機会もこれが最後かと思い、十数年ぶりにスクリーンで鑑賞
この映画との出会いは小学4年生だった時、マックィーンやブロンソン人気によってリバイバル公開された機会だった。
そしてこの映画こそが、その後の自分の映画人生を決定付けたことに間違いない作品だったのである。
それから、都内の名画座でも追いかけて、十数回は観に行った。
しかしそれも、ついにはスクリーンで観た最後は、今は無き「東急文化会館」のさよなら企画での、渋谷東急3(=東急名画座)が最後だった。
でも、その時のフィルムはなんかでワイドじゃなくて、変だったのを覚えている。
今回は当時観たフィルムとは違いを感じた点として、使い回されて次第に傷みが進んでいったフィルムとは異なり、レストアされた画像が蔵出しのフィルムのように綺麗だったのと、音声も磁気プリント音源からレストアされ、ステレオ化されていたことがある。
劇場で、この完全ステレオ化状態での鑑賞は、自身初めてのことじゃないだろうか?
それともう一つビックリだったのが、インターミッション(途中休憩)があった事。これはこの作品では初めての事で、TV放映時の前後編処理と同じタイミングで切られており、前代未聞って感じ。
これでは(一気に通して観なかったら)テンション下がっちゃうんじゃないか?
少なくとも、TVでしか観た事ない人は別として、主にかつての劇場鑑賞を体験して記憶に留めていた人たちにとっては?如何なものかと思わずに居られなかった。
スクリーンのサイズに関しては、新宿TOHOの11番なので大画面とはいかないが、思っていたよりは迫力を味わえた。
久々のスクリーンでの鑑賞だったからかもしれない。
そもそも、昔観た名画座のスクリーンもそれ程の大きさでも無かったろうし?
それと、今回は場所柄か日曜日は勿論のこと、自分が観た平日の上映も、ほぼ満席に近かったのには驚かされた。
しかし、何か異様に(違和感を覚えた)感じられたのが、上映中がヤケに静かな事。
当時は、面白い場面(特に前半の)では皆で一声に笑ったり、マックィーンの展開の最後にはため息が漏れたりと、観る側の方も感情が場内に満ちていた感じだったのも、今は昔か?
客の反応が乏しいと、「本当に楽しんでいるのかな.....?」みたいに思えて、なんか裏寂しい気分になった。
まあ、「余計なお世話だ」とか言われそうですけどね。
それでも、何が変わってしまっても、この映画の輝きが永遠に変わることが無いことだけは確かでしょう。
(これは、ほとんど奇跡に近い作品だと思うから)
それから、この映画の音響については元々、シネマスコープの一種である横縦比2.35:1mのパナビジョン社製のアナモルフィックレンズを使って撮影された「パナビジョン方式」フィルム18巻の「磁気プリントの4トラック・ステレオ版」か、「35 mmオプチカル・プリントのモノラル版」の2種どちらかになっており、拡大ロードショー館での鑑賞時以外の、当時の名画座用のフィルムでは映写設備の関係上、モノラル版以外には上映されなかったと考えられる。
それが、4Kレストアにあわせて音響も35 m磁気プリントの4トラック・ステレオ版から再現されたようで、近年のBlu-Ray版にも5.1音源として収録されるようになったのは喜ばしい。(5.1サラウンド化の為にいじくり回したという訳でなく、元の4chを生かした感じか。)
因みにこの作品が、小学生時からの1番の愛好作品で、初鑑賞以降、あらゆる関連品々を収集して来たのですが、その中でもアメリカでのみ発売だった「クライテリオン版レーザーディスク」というマニア向けの高品質バージョン特別盤があって、現在も貴重盤として所有しています。
2枚組で1枚目と2枚目Side1までは長時間モード収録。
2枚目Side2のみ高速モード収録になっていて、そこにエンディングタイトル部分の収録と、残りは特典満載で、生前のスタージェス監督自らの、制作前の情報収集段階の様子や企画進行途中過程の様子の、収容所のミニチュア等の資料映像を提示しての説明ドキュメンタリーと、当時の現場の様子を収めた多くのスナップ写真など、その後の映像商品には未収録の、必見映像の数々です。
(DVD、BD盤に収録されているドキュメンタリーとは別物で、権利関係からかクライテリオンLD以外には以後未収録。)
また、音声特典もデジタル音声はモノラルのオリジナル英語フィルム音源、アナログは片チャンネルに同音声、もう片チャンネルが関係者のオーディオ・コメントが収録されており、生前のスタージェス監督、音楽のエルマー・バーンスティン氏、スタントのバド・イーキンズ氏などによる貴重な解説が収められていて、いずれもマニア必見・必聴と言えると思います。
尚、未確認ですが最新の国内盤Blu-Rayのオーディオ・コメンタリーが2種収録なので、上記のが追加収録されているかも?
鑑賞されて何よりです、私は今回は日程的にダメでした。残念です。
インターミッション=途中休憩の事ですが、この作品は3時間未満の上映時間で、70mmフィルム作品でも無いので、当時の慣習としては通常は途中休憩入れないですね。
同時代70mmの『アラモ』とか『トラトラトラ』『戦略大作戦』などの作品だと中程に「休憩」が入り、その間フィルムに収録された「休憩音楽」が流れ続けてます。
洒落てましたよね、昔は。
午前十時の映画祭、再開!再上映!
万歳です!^ ^
大感動、大満足でした!
インターミッションが前代未聞とはどういう事なんでしょう?
当時はインターミッションありが普通だったのではないでしょうか?
f^_^; ??