ソドムの市(1975)

劇場公開日:

解説

1975年11月2日、不慮の死を遂げたピエル・パオロ・パゾリーニの遺作で、ナチズムに加担する4人のファシストが少年少女を集めて繰り展げる一大狂宴を描く。製作はアルベルト・グリマルディ、脚本はパゾリーニとセルジオ・チッティ、原作はマルキ・ド・サドの「ソドムの120日」、撮影はトニーノ・デリ・コリ、音楽はエンニオ・モリコーネ、衣裳はダニロ・ドナティ、編集はウンベルト・アンセルッチ、録音はドメニコ・パスクァディセグリィがそれぞれ担当。出演はパオロ・ボナチェリ、ジョルジョ・カタルディ、ユベルト・P・クィンタバル、アルド・ヴァレッティ、カテリーナ・ボラット、エルザ・ド・ジョルジ、ヘレン・サルジェール、ソニア・サビアンジュほか。

1975年製作/イタリア
原題:Salo o le 120 Giornate di Sodoma
配給:ユナイト
劇場公開日:1976年9月25日

ストーリー

ヒトラー占領下の北イタリア、1944年。ナチズムに加担する大統領(アルド・ヴァレッティ)、公爵(パオロ・ボナチェリ)、殿下(ユベルト・P・クィンタバル)、猊下(ジョルジョ・カタルディ)と名乗る4人のファシスト・グループが、傲慢な権力をカサに一大狂宴を計画した。 〈地獄の門〉4人は、町という町、村という村で、快楽の奴隷としての美少年・美少女狩りを開始し、それぞれ数十人ずつ集めた。そして、その中から4人が点検し投票で少年・少女9人ずつ選び、狂宴の舞台となる館へ運んだ。だが、その途中、一人の少年が逃走しかけたが射殺された。館に入る前に、公爵が17人の少年・少女にこの館を支配する掟を告げた。彼らはすでに死んだことになっており、すべての者は犬のように従順になり、4人を娯しませることにのみ専念しなければならない。ただし、彼ら同士が異性と交わったり、宗教的な行為をすると処刑する、という、非人間的なものだった。 〈変態地獄〉彼らの“教育係”として集められた4人の語り女たちの猥談をキッカケとして、強姦、ソドミーを繰り返した。やがて耐えられなく脱走しようとした少女が虐殺された。 〈糞尿地獄〉スカトロジーに快楽を感じる大統領の提案で、彼らは糞を少女に食わせ、食事にも大量の糞を揃えて、自分たちも食い、吐気を催す少女にも強制的に食わすのだった。 〈血の地獄〉この狂宴も終幕に近づいた。メイドと姦通した衛兵を殺した4人は、少量の血では飽き足りず、全員の処刑を開始した。衛兵たちが少年・少女の目をえぐり出し、頭髪を剥ぎ、焼き印を押し、なぶり殺しにする。この地獄図を窓から双眼鏡を覗きながら自慰にふける男たち。それはナチズムの最後のあがきを象徴するかのようでもあった……。

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映画レビュー

2.5観始める前はテーマ等々から想像するに芸術性というか、皮肉や風刺、寓...

2023年9月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

観始める前はテーマ等々から想像するに芸術性というか、皮肉や風刺、寓話的なイメージの映画だろうと身構えていた。
だが観てみると意外にも単に悪趣味であり、面白いとか楽しめるとかは別としてエンタメ感のある映画だった。『サド』の語源となったという作家による原作ありきのストーリーであったとしても、なかなかゾクゾクくる表現も多く良い。

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ezio

4.5話題の映画作家の最終ビジョン。

2023年1月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

これまで文学にしかなかった異常な行為を見事に映像化したピエル・パオロ・パゾリーニの傑作で、大島渚の「愛のコリーダ」と双璧をなす異色の問題作。
狂気の富豪が少年少女を城に監禁し、変態ス○トロ、レ○プ、グロテスクで暴力的な殺人を行う。公開当時、国内外から賛否両論を巻き起こした作品。
倒錯の帝王サド侯爵が遺した傑作小説をパゾリーニがリミックスしたもの。
この倒錯した小宇宙を象徴するのがラストシーンである。
パゾリーニが殺害されたこともあり、カルト的な人気を誇る作品となった。

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茂輝

4.0伝説の変態ス○トロ残酷鬼畜炉利文芸作品

2022年11月5日
iPhoneアプリから投稿

伝説の変態ス○トロ残酷鬼畜炉利文芸作品。

「ソドムの市 」
今年のPFFでの特別招待作品としての公開。
奇跡の パゾリーニ 特集ですよ!!
言うまでもなく数時間で完売。
マニアはみんなスクリーンで観たいのさ。

ど変態なんだがAVではないので
映画としてのカルトさを楽しむ感じ。
この作品で監督は殺害されてるんだよね。
性と欲と芸術は紙一重なんだろーな。

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溶かしバター大盛りポップコーン

3.5数字も持ってるパゾリーニ先生

2022年11月5日
iPhoneアプリから投稿

世界中の、
映画、映像作品において、
さまざまなジャンル、
カテゴリーに分類されながら、
めちゃエグいシークエンス、
ただただ気持ち悪い作品を現代では見る事ができるようになった。

そんな中、パゾリーニ先生は、
目を背けたくなるようなシーンを、
無駄を最小限にした編集に、
壮麗な音楽を重ねて、
見やすくなるように各シーンを仕上げている。

モリコーネがスクリーンに向かいながら、
一曲、一曲、オエーってなりながら、
スコアを書いてる姿、
名曲をあてている姿を想像してしまう。

フィクションに倫理的絶対価値観を持ち込まない、押しつけない。
また、
許せない、理解不能、感情移入なんてできない、
そんな時どうする、
そんな時の為の、
推薦されるべき教科書的作品としては、
古今東西、
他の追随を許さない、
貴重な逸品である。

でも、オエーってなる人には薦めてはいけない。

また、
どんなエグくても、難解でも、
見やすくなるように魅せる変態パゾリーニ先生の人気は、
数字が証明している。

『ソドムの市』は満席、
『テオレマ』は20人程度、
『豚小屋』は8割、
他もかなりの数字だそうだ。

ありがとうPFF、ユーロさん。

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蛇足軒瞬平太

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