草原の輝き

劇場公開日:

解説

「階段の上の暗闇」の原作者であるウィリアム・インジのオリジナル・シナリオを「群集の中の一つの顔」のエリア・カザンが監督映画化した青春ドラマ。撮影担当はボリス・カウフマン。音楽はデイヴィッド・アムラム。出演するのはナタリー・ウッド、ウォーレン・ベイティ、オードリー・クリスティ、フレッド・スチュワートなど。製作エリア・カザン。

1961年製作/アメリカ
原題または英題:Splendor in the Grass
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1961年11月17日

ストーリー

バッド(ウォーレン・ベイティ)と、ディーン(ナタリー・ウッド)は高校3年生。愛し合っているが、セックスに罪悪感を持つ母親の影響もあってディーンはバッドのすべてを受け入れるに至らない。バッドの父石油業者のエイスは息子がフットボールの選手であることが大自慢で、エール大学に入れたがっているが、バッドには父親の期待が心の負担になっている。それにこの父は、理解あるりに振舞うが本能的には暴君で、姉のジェニーが家出してダラクしてしまい、大学を追われたのも、このような父のいる家庭がたまらなかったからだ。だからバッドの気持ちはひたむきに向かうのだが、彼女はそれを受けとめてくれないのだ。父は気楽な気持ちで他の娘とよろしくやればよいなどという。そんなことでイライラした気持を、バッドは折にふれて乱暴な行動で爆発させたりする。そしてついに彼も同級生でコケティッシュな娘ファニタの誘惑に負ける。青春の悩みに苦しんでいるディーンはこの事件でショックを受け、河に身を投げる。救助に飛び込んだバッドのおかげで死を免れたディーンは精神病院に入院するが、そこでジョニーという若い医師と婚約する。一方、父の希望通りエール大学に入ったバッドは、勉強にも身が入らず、酒ばかり飲み、あげくにアンジェリーナというつまらないイタリア娘と結ばれてしまう。学校は退学寸前のところまでいっている。そこで父のエイスはニューヨークへ出かけようとする。ちょうどそのころ、1929年の大恐慌がやってきた。エイスは大打撃をかくして息子に会い、コーラス・ガールをバッドの寝室に送り込んだりするが、その夜窓から飛びおりて自殺する。やがて退院したディーンは、バッドが田舎へ引込んで牧場をやっていることを知り、訪ねて行く。バッドはアンジェリーナとつつましく暮らしていた。2人は静かな気持ちで再会し、そして別れた。青春は終ったのだ。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第19回 ゴールデングローブ賞(1962年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) ウォーレン・ベイティ
最優秀主演女優賞(ドラマ) ナタリー・ウッド
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映画レビュー

4.0アメリカのアオハル、逸品。貞操観念が日本的なところも共感したのかも...

2023年7月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

アメリカのアオハル、逸品。貞操観念が日本的なところも共感したのかも。ラストがなんとも切ない。初恋、燃えるような恋の結末って…なんか激しく共感(笑笑) 草原の輝きは戻らず 花は命を失ったが 嘆くことはない 残されたものに力を見いだすのだ 「エデンの東」の監督か、なんか分かる。名匠なんですね、他作も見てみたい。

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はむひろみ

5.0珠玉の恋愛文学

2022年2月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

わが娘に会いに行ってきた。 「失恋した」とのことだったので。 クラッシックな文学作品なのだが、その古臭さがこんなにも今の世に清々しいのだ。 時代なのだろう、 過干渉の親のもとで育ったバッドとディーニー。 若さゆえの激情とモラルの間で苦悩する二人なのだが、そのような息子と娘を持つ二組の親たちの“子育ての物語”でもある。 ・良妻賢母の自己抑制と、代々の臍(へそ)の緒のつながりに価値を求めて娘にすがり付く女親たちと、 ・良かれと信じ込み、自らのポリシーと支配の轍を息子にたどらせようとする単純脳の男親と。 そしてもうひとり ・そんな親子たちの有り様まを冷ややかに眺める“脱落者”=金髪のジェニーと・・ 急転直下、 会社が破産し、子供たちが“破局”に向かってしまって初めて、親たち自身が、自らもその親たちから受け継いできた「人生のレール」を客観的に言葉に出来て自覚をする。そのシーンが良い。 精神科医との対話で「自分の親も他の人たちと同じ人間だったのだ!」と初めて目からウロコが落ちるディーニーの「気付き」がとても良い。 そして「恐怖は直視出来れば消えるのだ」とドクターに背中を押されてかつての恋人バッドに会いに行くディーニーの勇気が、この映画のクライマックスだろう。 「両親からの自立」と「失恋」という痛手。そこに加えて「運命」と「世の掟」。これらの激震を同時に経験して、傷つきながら成長して大人になっていく若者たちの再生に、応援の思いを送らずにいられようか。 今の世から見れば、禁欲と失恋であそこまでメンヘラになってしまう二人は、ある意味すごい。現代は男女関係も薄っぺらで大量消費の時代になってしまったから。 ワーズワースの詩は 古風かもしれないが、いまだ古風に生きる人たちのためにそっと寄り添ってくれる。 それは、還らない初恋の日の痛みをば、枯れてしまった思い出としてではなく「輝ける力の記憶」として謳ってくれている。 実に清々しいエンディングだった。 ・・・・・・・・・・・・ わが娘に会ったりすると、僕にとって自分の結婚と離婚とは何だったのかと、殊更に思い起こしてしまうものだから この映画のナイーブさは胸に迫るものがあったね。 バッドのあの我慢、うまいよなぁ。 男性諸氏なら体がバラバラになりそうで、どれほどに辛いか解るだろう(笑) 余談かもしれないが、僕は結婚までは彼女に触れないと決めて、5年の婚約期間を耐えたもんで。 ―「禁欲で死んだ人間はいない」と有名な哲学書に書いてあったし、 ―「デート前には忘れず一発抜いていけ」と友人は励ましてくれた。 バッドは“自瀆”はしていなかったのだろうかなぁ。可哀想に。 かたや農夫に。 かたや医者夫人に。 バットとディーニー。寂しげだが愛しいではないか。 いじらしくも切ない別れだった。 . ・・・・・・・・・・・・ 草原の輝き Splendor in the Grass ウイリアム・ワーズワース 『霊魂不滅のうた』(Ode: Intimations of Immortality)の一節 さらば唄え、小鳥よ、歓喜の歌を、 鼓の調べにつれて子羊をして躍らしめよ。 われらも心において汝らの群れに加わらん。 笛吹くものよ、戯るるものよ、 今日、5月のよろこびを 全心に感ずるものよ、 『かつて輝やかしかりしもの、 今やわが眼より永えに消えうせたりとも、 はた、草には光輝、花には栄光ある時代を取り返すこと能わずとも何かせん。 われらは悲しまず、寧ろ、 後に残れるものに力を見出さん。』 【他訳】 「あの草原の輝き 」 花園の饗宴 呼び戻すすべなき。 されど悲しみその後に強きもの残すを知るなり 【黒柳徹子訳】 『草原の輝き 花々が咲き乱れて素晴らしい光景、もうそれらを見ることができなくなっても、あなたは嘆くことはないのです。 すでに、あなたは、人生の奥深くを分かって、前に進んでいるのだから』(本人のインスタより) .

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きりん

3.5白い帽子と服のナタリー・ウッド

2018年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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Cape God

4.0ストイック

2017年11月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

時代なのかも知れないが、悲しいお話しだ。思い合っていながら結ばれないもどかしさ。 ナタリー-ウッドがみずみずしく美しかった。

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Bluetom2020