「【”神よ、何故です!何故殺し合うのです!”戦意揚降に煽られ、戦場に出たドイツ青年兵が悟った真実を描く強烈な反戦映画の逸品。今作が今から100年近い前に制作されていた事には頭を垂れるしかない。】」西部戦線異状なし(1930) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”神よ、何故です!何故殺し合うのです!”戦意揚降に煽られ、戦場に出たドイツ青年兵が悟った真実を描く強烈な反戦映画の逸品。今作が今から100年近い前に制作されていた事には頭を垂れるしかない。】
■第一次大戦下のドイツ。
盛んに愛国心を説く教師の勇ましい言葉に心動かされた学生たちは、次々と軍に志願。
ポールものそのひとりだったが、訓練を経て送り込まれた戦場で彼が目にしたのは、食料もなく砲弾におびえる中で仲間が死んでゆく戦争の現実だった。
◆感想
・この作品が制作、公開されたのが、1930年と言う事実に驚く。
・更に言えばこの作品は、第二次世界大戦に流れる当時の世界情勢の中、過酷な環境下に置かれながらも、上映がされて来たという事実に、人間の善性を感じる作品である。
・内容で言えば、第一次世界大戦の苛烈な塹壕戦を、見事に再現している点と、その中で疲弊していくドイツ兵の姿がリアルに描かれている点であろう。
ー ご存じのように、第一次世界大戦は、正に肉弾戦であり死者数も第二次世界大戦よりも多く、身障者も多数出てしまった事は史実にある通りである。ー
<今作で、盛んに愛国心を説く教師の勇ましい言葉に心動かされたポールが、3年の悲惨な戦争体験をして、祖国に戻った際に、その教師から”戦意高揚のスピーチ”を依頼された際に学生たちの前で行った戦争の真実を伝えるスピーチ。
涙が出ます。そして、ラストのあのシーン。
今作は、今から100年近く前に制作された反戦映画の傑作であると思います。>
■毎年、夏になると戦争映画が上映されていた。だが、コロナ禍以降、新たなる戦争映画は上映されていない。
京都の「京都シネマ」は今年も「野火」を上映してくれるのだろうか・・。
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