成功の甘き香り

劇場公開日:

解説

コスモポリタン誌に連載されたアーネスト・リーマンの小説からクリフォード・オデッツとアーネスト・リーマンが共同脚色し、「ハイ・アンド・ドラム」などの作品をイギリスで監督したアレクサンダー・マッケンドリックが初のハリウッド入りで描く、芸能界ーブロードウェイの暗黒面。撮影は「ピクニック」のジェームズ・ウォン・ホウ、音楽エルマー・バーンスタイン。主演は「OK牧場の決斗」のバート・ランカスター、「野望に燃える男」のトニー・カーティス、この映画がデェビュー作のスーザン・ハリソン、「OK牧場の決斗」のマーティ・ミルナー、「ながれ者」のバーバラ・ニコルズ。ほかにサム・レヴィーン、ジェフ・ドンネルなど。

1957年製作/アメリカ
原題または英題:Sweet Smell of Success
配給:ユナイト=松竹
劇場公開日:1957年10月24日

ストーリー

ブロードウェイのプレス・エージェント、シドニー・ファルコ(トニー・カーティス)は自分の成功のためには良心をさえ切り売りすることをいとわない。自己の勢力を伸ばすため、その彼を巧みに利用してきたのが、ブロードウェイに大きな勢力をもつジャーナリスト、J・J・ハンセッカー(バート・ランカスター)である。シドニーの目下の役目はハンセッカーの妹スーザン(スーザン・ハリソン)と有望なナイトクラブ俳優スティーヴ・ダラス(マーティ・ミルナー)との恋仲を裂くことである。シドニーは寄稿家の1人を巧みに説いて、ある歌手が麻薬中毒で共産主義者だという記事を書かせた。勿論その歌手はスティーヴだということを暗示させてある。その結果スティーヴは失職した。一方、失脚したスティーヴをなおも愛し続けるスーザンをみたハンセッカーは、これを別れさせるため最後の手段をとることに決め、それをシドニーに行なわせることにした。まずハンセッカーはスーザンと長期間ヨーロッパ旅行をする手筈をととのえた。その夜、シドニーはスティーヴに何気なく麻薬入りの煙草を持たせた。外には暴力的な悪徳警官ハリイ・ケロ(E・メイヤー)が待ち構えている。逮捕されたスティーヴが残酷な殴打を受けるのを、さすがのシドニーも凝視できなかった。このことを知ったスーザンは激しくシドニーとハンセッカーの悪計を責めた。そして、これまで彼女が愛した男2人までも破滅させたことを悲しんだ。最初の夫はスキャンダルから自殺し、今またスティーヴは監獄病院に押込められてしまったのだ。スーザンは嘆きの余りデラスから身を投げようとした。その時スティーヴが病院で意識を取り戻し命を取りとめたという電話がかかってきた。しかし、ハンセッカーはどうせスティーヴは麻薬常習者として服役するのだ、といって妹を押さえつけようとした。これをみたシドニーは、これまでの陰謀の一切を告白、彼女の先夫の自殺もハンセッカーの悪企みが原因だ、とぶちまけた。シドニーは秘かにスーザンを愛していたのだ。この裏切りに激怒したハンセッカーは、悪徳警官ケロに再び電話し、スティーヴに麻薬煙草を持たせたのは、シドニーの仕業だと告げた。冷酷なハンセッカーは、テラスからシドニーがケロと警察車に追いつめられていくのを何喰わぬ顔で見下ろしている。--その頃、スーザンは兄と永遠の訣別を決意し、愛するスティーヴの許に急いだ。

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