スモークのレビュー・感想・評価
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にやっとしちゃう大人の話
この手のオムニバス映画が大好物です。
ニューヨークの街角のとあるタバコ屋。
そこ行き交う人々の日常と非日常。
悲喜こもごも。
丁々発止の粋な会話。
やっぱり人間て基本的には善い生き物で、そうありたいと願ってると思える作品。どこか大阪ぽくて親近感。
オヤジたちがほくそ笑む渋い話
人間のそのままさ
煙の奥に見える繊細な人間描写
愛煙家でなければゴホゴホと咳き込んでしまいそうな 煙、煙、煙…
タイトルの通り、全編を通して喫煙シーンがこれでもかと出てきます。
それもそのはず。舞台は大都会の片隅にたたずむ煙草屋。
煙草屋の店主、常連の作家、その作家を助けた少年の3人を軸に
オムニバス形式で描かれるのは男同士の友情、恩義、男女の愛情、親子の絆と
どれも日常に溢れる人と人との関わり合いの形。
ストーリーには大きな起承転結といったモノもなく淡々と進んでいくのですが
人物の一人一人がとても丁寧に描かれており、日常に起こる様々な出来事を通して
お互いの関わり合いが深くなっていく様子が繊細に表現されています。
人物設定にはしっかりと物語があり、無駄な音楽や過剰な演出を排除した
ハリウッド大作にはなかなか見られない(いい意味で)ちまちました心理描写。
それはまるで質のいいヨーロッパ映画や日本映画をみているよう…
出演している役者さんたちもみんな魅力的で、表情や細かな動きで見せる「演技」は
揃いも揃って素晴らしいの一言。突っ込み所が見当たりません。
オムニバスのトリを飾るのは作品の核となっているストーリー。
2人の会話形式で語られる物語はよくできた「ちょっといい話」。
真偽のほども分からない物語ですが、男2人で語り合うその空気がたまらなくイイ。
そこにアクセントをつけるのはやはりタバコの煙…
個人的にはタバコは苦手ですが
今ほど愛煙家の肩身が狭くなかったあの頃…
子供の目には大人達のタバコを吸う姿がやけにカッコよく映ったものです。
エンターテイメントとしては退屈なこの手の作品ですが
心にじんわり染みる大人のヒューマンドラマ。
何度でも観たくなるお気に入りの作品です。
※他サイトより転載(投稿日時:2008/02/29)
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