スモーク

劇場公開日:2016年12月17日

解説・あらすじ

ニューヨーク、ブルックリンの小さな煙草屋を舞台に繰り広げられる人間模様を、それぞれの真実と嘘、現在と過去を交錯させながら描いた群像ドラマ。現代アメリカを代表する作家ポール・オースターの短編「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」を原作にオースター自らが脚本を手がけ、「ジョイ・ラック・クラブ」のウェイン・ワン監督がメガホンをとった。ブルックリンの片隅で煙草屋を営むオーギーは10年以上にわたり、毎日同じ場所で同じ時刻に写真を撮影している。煙草屋の常連客である作家ポールは、数年前に妻を亡くして以来、スランプに陥っていた。ある日、ポールは路上で車にひかれそうになったところをラシードという少年に助けられ、彼を2晩ほど自宅に泊めてあげることに。その数日後、ポールの前にラシードの叔母だという女性が現われ……。店主オーギー役を「レザボア・ドッグス」のハーベイ・カイテル、常連客ポール役を「蜘蛛女のキス」のウィリアム・ハートがそれぞれ好演。第45回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員特別賞)を受賞し、日本でもロングランヒットを記録した。2016年12月、デジタルリマスター版でリバイバル公開。

1995年製作/113分/PG12/アメリカ・日本合作
原題または英題:Smoke
配給:アークエンタテインメント
劇場公開日:2016年12月17日

その他の公開日:1995年10月7日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)1995 Miramax/N.D.F./Euro Space

映画レビュー

5.0 ブルックリンの間取り図

2024年10月28日
iPhoneアプリから投稿
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ychiren

4.5 ポール・オースターの世界観を見事に映画化 ハーベイ・カイテルの渋さも妙味

2022年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD、映画館

米ニューヨークのブルックリンの小さな煙草屋という設定が、なんとも粋である。
いま、このご時世では煙草屋って街でほとんど見かけなくなったが、かつては自販機で買えない世界の珍しい煙草を扱う店が大きな町には必ずあった。
ある種、交流の場でもあった煙草屋を舞台にしているのが、作家ポール・オースターの短編「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」。これを原作に、オースター自ら脚本を執筆し、ウェイン・ワン監督がメガホンをとった。
ハーベイ・カイテルが演じた煙草屋店主オーギーは、10年以上にわたり毎日同じ場所、同じ時刻に写真を撮影している。その写真から、小さな奇跡が起こり……。そのくだりは、陳腐な表現になってしまうが、とても素敵だ。また、ウィリアム・ハートの芝居も作品世界を優雅に漂っていて秀逸である。

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大塚史貴

4.0 虚構の曖昧さ

2025年9月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

90年代らしいフラットな照明で、影を強調せず日常の光に包まれたような映像が印象的でした。全編を通じて煙草の煙が漂っており、タイトルの「スモーク」は単なる小道具以上に、嘘や虚構の曖昧さを象徴しているように思います。

この映画のテーマは「嘘」だと感じました。登場人物たちは嘘をつき、名前や経歴を偽り、物を盗むことさえしますが、それが断罪されることはありません。むしろ、それらは人間同士をつなぐ「方便」として働きます。最後のオギーと小説家の会話では、互いに嘘であることを承知しながら、それを含んだ上で友情や信頼関係が成り立っていることが描かれており、人間関係の本質を突いているように思いました。

哲学的に深掘りさせる作品ではなく、あくまで人間が日常の中でただ存在している姿を淡々と映し出した映画です。煙のように形を定めず、ふわっと漂う物語は掴みどころがないですが、その曖昧さごと受け入れることで、観客は温かさと現実感を同時に感じられるのではないでしょうか。

鑑賞方法: WOWOWシネマ

評価: 80点

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neonrg

3.5 「やさしさ」の街角

2025年8月5日
PCから投稿

ブルックリンはニューヨーク。舞台はアメリカというより世界のどこかにある都会の街角といった無国籍さを感じさせる。そこで交わる人々。人種も年齢も性別も境遇も違うけどみんな心の奥底では「やさしさ」という無意識の感情でつながっている。生きてることってまんざらじゃないかなって思わせてくれる一本でした。

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おまつ