劇場公開日 1978年6月30日

「少年時代の衝撃映像体験」スター・ウォーズ Moiさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0少年時代の衝撃映像体験

2024年5月5日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

萌える

感想

忘れもしない。1978年7月8日テアトル東京1階
G19で初鑑賞。

アメリカ本国では1977年5月25日に全米50館で
公開。予想外の記録的ヒット。その事が報道され、
日本のマスコミは挙って特集を組み、その都度首都
圏を中心にイベントを開催していた。

日本で特集が組まれる度に夢中になって映画情報誌
を読み漁っていた。また、イベント開催にも積極的
に参加。当然だか、当時はパソコンやスマホは
無い。公開までスターログというSF月刊誌を購読
して情報収集をしていた。

アメリカ本国でも、予想外のヒットで当初FOX
は海外配給を考えておらず、日本公開は1年遅れる
ことになる。

日本の映画関係者、評論、作家達は待ちきれず、
渡米し、(知り得る限りでは、石上三登志、小松
左京、石ノ森章太郎、手塚治虫、西崎義展、
の各氏、その他、東映、東宝の制作部等) 本作を
鑑賞。それぞれが高く評価していた。

ジョージ・ルーカス監督は特撮技術を革新させる
ため、私費でインダストリアル・ライト・アンド・
マジック(ILM)を特殊効果制作部門として本作の
ためだけに創設。後に多数の特殊効果技師を輩出
し、デジタル・ドメイン、ピクサーの設立に関わ
っていく事になる。

この間、日本では、映画製作会社が、前年の劇場
用アニメ、『宇宙戦艦ヤマト』の大ヒットを発端と
して、SFブームの到来を予期、東宝では『惑星大
戦争』、東映ではILMが開発した、その当時、
世界に2台しかなかったシュノーケルカメラシス
テムを借り受け、『宇宙からのメッセージ』をそれ
ぞれ制作。ヒットした。

この頃、中高生の間では、第一次アニメブームの
真っ只中であり、自分のクラス内でも、ヤマト派
が大半(8割)を占め、実写派である、スターウォ
ーズ派は極少数派だった。

1年間待ちに待った、本編を6チャンネル超立体
音響、当時最新のドルビーAシステム、スーパー
シネラマ方式、日本最高の上映・音響システムを
誇る劇場で鑑賞出来た事が、最高の思い出である。

20世紀FOXのファンファーレと共に始まる。魔法
の呪文のような、A long time ago...が流れ、心は
現実世界から完全に銀河の彼方に飛んでいってしま
い、一瞬にして虜になった。

前節が広大な宇宙空間を石版のように進んでいく。
ジョン・ウィリアムズの壮大なテーマ曲が流れる。

そこに突然、画面一面にものすごい勢いで砲撃をし
合いながら登場する、大宇宙船!奥行き深く、シネ
ラマスクリーン全面に広がり、見えなくなるほどに
なる。

爆音に近いすごい音、光、そして目眩く、追われて
いた、ブロッケードランナーのアンテナ部に着弾!
轟音と共に画面は船内に移り、ドロイド達の登場、
接続ハッチが激しく破壊され、ストームトルーパ
ー対反乱軍のレーザーショットの大銃撃戦が展開さ
れる。

ドルビーAの重低音域を増幅させる効果で、発生
する、爆破音の地響きの様な音と閃光に身震いして
目がくらんだ。

暫くして、ダースベイダーの登場、レイア姫が、R
2に3Dフォログラムメッセージをレコード、さら
にタトゥイーンに脱出ポットが回転しながら、降下
していく。ポッド内には2体のドロイド達。

惑星に大気が存在するのだという事をこの時、初め
て意識した。それは驚異的にリアルな宇宙空間映像
であった。

それまで観てきたSF映画とは全く異なる(『2001
年宇宙の旅』は除く)、大人になった今でも思う
ことだか、それまでには考えられなかった程のリア
ルな異次元映像音響体験であり、頭をハンマーで
殴られたような衝撃と感動、興奮は強烈で忘れられ
ない。

話は単純明快。反乱軍対帝国軍の大宇宙戦争が豪快
に展開していく。息つく暇もなく、見どころ満載で
物語は展開していく。

バラエティに富んだ魅力的な登場人物達。辺境の星
に棲む、青年ルーク・スカイウォーカー。
フォース、(当時は『理力』と翻訳されていた)とい
う不思議な力を操る、ジェダイを名乗る謎の老人
オビワン・(ベン)ケノービ。反乱軍を指揮する
惑星オルデラーンのレイア・オガーナ姫、宇宙盗
賊でミレニアム・ファルコン号の船長ハン・ソロ、
相棒のウーキー族、チューバッカ。そして、悪の
権化ダース・ベーダー。帝国軍総督モフ・ターキン
。また、物語の狂言回しとなっていく、2体の
ドロイド、C-3POとR2-D2。

ありとあらゆるエンターテイメントの要素を詰め込
んだという監督の制作意図の通り、冒険、勇気、友
情、善と悪の戦い、そして理力、と夢の宝石箱を
かき回した様な物語で、大満足。面白かった。この
日以来、自称、SF映画(大好き)少年が、誕生する。

⭐️5

Moi
CBさんのコメント
2024年8月28日

うわあ、すごい!
年齢が近いこともあって、このレビュー、ジャストミートです!!
ILMのくだりも全く同感ですし、なによりも、オープニングの感動というか衝撃を再び目の当たりにしているかのような描写!
今でも忘れることはない、俺を映画好きにしてくれたあのオープニング映像!!
いやあ、レビュー読んで感動するわ!
ありがとうございました。

CB
Moiさんのコメント
2024年6月9日

パピヨンも名作でしたね。独房の中でほんの少しだけのスープに蛾をちぎって入れて、映っているのは手元だけなのですが、飲むというシーンが異様に記憶に残ってます。テーマ曲も素晴らしいと感じました。初鑑賞はテレビでした。

Moi
Moiさんのコメント
2024年6月9日

Gustavさん。初めまして。わざわざコメントをいただきありがとうございます。お話出来て大変光栄です!レビューを大変楽しく興味深く読ませていただいています。私はレビューを始めたのが最近で、余り上手く書けませんが、楽しいので継続したいです。今後もよろしければご教示、ご講評宜しくお願い致します。わが谷のお話も是非お聴きしたいです。

Moi
Gustavさんのコメント
2024年6月9日

Moiさん、初めまして、これまでの沢山の共感ありがとうございます。
全てにお答え出来ず心苦しく思っています。スター・ウォーズ愛が溢れたレビューに同じ映画好きとして心動かされました。私も1978年、11歳下の甥っ子を連れて地元の小さな映画館で観ました。テアトル東京は一度だけ、その4年前の高校2年の時上京して、大学生の兄に連れられてスティーブ・マックイーンの「パピヨン」を観ています。映画館のスケールに圧倒されました。

お好きなSF映画と並んでフォードの「わが谷は緑なりき」やキャプラの「素晴らしき哉、人生!」をベスト映画に挙げられていて勝手に親近感を抱いていました。特に「わが谷は緑なりき」は映画歴60年の小生のベストワンは不動です。また色んな映画で共感できることを楽しみにしております。

Gustav
Moiさんのコメント
2024年5月9日

Mr.C.B.2さん
遅ればせながら、フォローさせていただきます。
よろしくお願い致します。

Moi
Moiさんのコメント
2024年5月9日

各映画館は特徴があって、個性というか、こだわりが大好きでした。

Moi
Moiさんのコメント
2024年5月9日

コメントありがとうございます。
大劇場時代が懐かしいですね。
ディメンション150方式ですね。

Moi
Mr.C.B.2さんのコメント
2024年5月9日

私は6月24日に先行上映の新宿プラザで観ました。テアトル東京も新宿プラザも失くなってしまいましたね。

Mr.C.B.2