シンドラーのリストのレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
ラストの指輪を渡すシーン
この車を売ればあと10人助けられた
このバッヂを売ればあと1人は助けられた
と、泣き崩れる…
いやあなたはここに居る1000人もの人を助けてくれた
25年前くらいに見たまま、久々の鑑賞
ずっと観るか躊躇してました
冷酷なアーモン少尉やその部下がその時のご機嫌で簡単に人を撃ち殺すのが、映画とは言え観るに耐えないから…
ドイツとソ連に挟まれた国ポーランド、そしてその中のユダヤ人 史上最悪の歴史
リーアムニーソンの観るべき作品
血の通った神になる事
個人評価:4.7
中学生の時に、この映画を学校で見、難しいという記憶しかなく、そしてアカデミー賞作品賞は難しい映画がとるのだと浅く理解していた。
愚かにもそれ以降、本作を見る機会を持たなかった自分を恥じる。
常にエンターテイメント性に溢れる作品を世界に送り出し、大多数の人間が喜ぶ映画を作り続けたあの時代のスピルバーグが、なぜこの異色作を世に出したのか。
それは忘れてはならない歴史の真実を映画という形で記録に残し、そして世界中に伝える。
世界が認める監督がこの題材を描き、より多くの人に伝える。本当に意味のある行為だと感じる。
またスピルバーグ自らが作ったシェアー財団。ホロコーストを生き抜いたユダヤ人の生きた声を記録し続ける財団とその意味。今を生きる人間が後世に伝える義務がある歴史。それをアメリカ系ユダヤ人でもあるスピルバーグ自身が担っている。
劇中シンドラーに対して向けられたユダヤの言葉「1人を救える人間は世界を救える」。
ホロコーストが真実であれば、600万人のユダヤ人が虐殺されたこの地。その人達全てを救う事は出来ないが、せめて関わった目の前の人だけでも救いたいというシンドラーの考え方。目の前の命を1つでも救う為にとった数々の行為。それは人間でありながら、神に近い行為であると感じる。
ユダヤ人が信じる神は、救いを願ったであろう信者に何をしてくれただろう。人々は虐殺され、何もしてはくれやしない。
敗戦後に工場の人達にむけ掛けた言葉と、群衆がシンドラーに向ける眼差し。それはキリストを見る眼差しに近い物があった。
最後のポーランドで生き残ったユダヤの末裔達がシンドラーの墓に石を置く描写。それは架空の神ではなく、彼らがしっかりと感じる事ができる、血の通った神であると考える。
「この先の運命が知りたくないの?」名もなきおばちゃんの一言
シンドラー氏はどう見てもアメリカ人
あの時代に、民間の企業が軍とつかず離れずして金儲けをしていたこと、その延長上にユダヤ人マネーが存在したことをはっきり示している点で面白かった。ただ、シンドラー氏を英雄のように取り扱っているところが真実味を欠き、「もっと助けられたのに」と嘆くシーンは蛇足に感じた。
尊い行いを忘れない
70~80年代にヒット作を次々放ちながらも、オスカーに縁が無かったスピルバーグ。
そんな彼が遂にオスカーに輝き、名実と共に名匠となった記念碑的な作品であると共に、映画史に永遠に刻まれる名画。
スピルバーグ作品の中でもやはり本作は、特別な作品であり、特別な感情が込められている。
自身もユダヤ人であるスピルバーグ。自身のルーツを描く。
当初は同じユダヤ人であるロマン・ポランスキーが監督予定だったが、辛すぎると断ったのは有名な話。
スピルバーグも撮りながら辛いシーンだらけだっただろう。
しかし、伝える為に、残す為に、よくぞ撮り上げた。
重厚で、ドキュメンタリーのようなリアルさと迫真さに満ちながら、それでいて繊細。
間違いなくスピルバーグのキャリアBESTの演出力。
時に残酷ながらも、美しい、ヤヌス・カミンスキーによる白黒映像。
そして、ジョン・ウィリアムスの名曲。
全てが、奇跡のような素晴らしさ。
最近完全にタフなアクション・スターが定着したリーアム・ニーソンだが、やはり本作が最高の名演。重厚な名演で、『リンカーン』の時叶わなかったスピルバーグとの再タッグを見たい。
背筋も凍る収容所所長のレイフ・ファインズ。この時の冷血な演技が後のヴォルデモートに繋がったのかな、と。
そして、オスカーの計理士で片腕でもあるベン・キングスレーの好助演。
キャスト陣の熱演/名演も素晴らしい。
もう何度も見ているが、何度見ても、胸が苦しい、心が痛いシーンが続く。
ナチスによるユダヤ人強制移住退去。その渦中で行われる殺戮…。
逃げ隠れするユダヤ人たち。さ迷う赤いコートの少女…。
オスカーの工場で働く片腕の無い老ユダヤ人が、ナチスによって無情に射殺される。
朝起きて、ランダムにユダヤ人を射殺する所長は戦慄…。
ある日、灰が降る。その灰は…。
この世の光景とは思えない、ユダヤ人死体の焼却処分…。
その一方、心に迫る、心に響くシーンも多くある。
いきなりラストの名シーン中の名シーンになるが、
身に付けていたバッジ一つで後一人救えたと嗚咽し後悔するオスカー。それまで弱さや脆さを見せなかった彼が初めてそれらを見せ、本当に目頭熱くなる。
あるユダヤ人女性が父母を助けて欲しいと求め、追い返すが、その父母を雇い入れる。
列車にぎゅうぎゅう暑苦しく押し詰められたユダヤ人たちに、せめてもとホースの水を捧ぐ。
作り上げた“生命のリスト”。
最後カラーとなり、オスカーの墓石に石を置く“生命たち”。
ほとんどがオスカーのシーンだが、それもその筈。
本作はシリアスで重厚な作品だが、人一人の尊い行いを描いているのだから。
そもそもオスカーは最初から、人命を助けるつもりは無かった。
全ては金儲けの為。
軍に人脈を作り、軍相手に商売をし、戦争という絶好の機会にたんまり稼ぐ。
ユダヤ人たちの事もただの労働力。
ユダヤ人を雇い入れたのも、低賃金で手っ取り早く使えるからだろう。
しかし…
目の当たりにしたユダヤ人たちの迫害、虐殺…。
この時、彼は何を思ったか。
間違いなく、何かを感じた。
それを機に、ユダヤ人たちを助けようと奔走する…。
表向きは依然、豪腕な実業家。ユダヤ人たちにも面と向かって優しさは見せない。
が、その本心は…。
名前を覚えてるくらい、一人一人を思いやる。
オスカーの心境の変化に深く心打たれる。
また、ナチス相手のビジネス手腕にも天晴れ!
やがて戦争が終わり、ユダヤ人たちは自由の身に。
明暗分かれ、ユダヤ人たちを助ける為に私財を投げうったオスカーは破産。ナチスの党員でもあり、裁かれる身。
オスカーは自分の事を英雄など思っていない。感謝される身でもない。
ユダヤ人たちを使って金儲けを企んだ、ナチスと同じ非道な人物…。
しかし、1100人のユダヤ人を救い、その“生命”の子供たち子孫たちは今、どれほどか。
誰もがシンドラーの名を忘れない。
オスカーがあるシーンで、後の自分について語った台詞がある。
「オスカー・シンドラーか。
あいつの事なら覚えてる。
あいつは凄い事をやった。
誰にも出来ない事を」
当初の目的とは違ったかもしれない。
が、確かに凄い事を、誰にも出来ない事をやったのだ。
ユダヤの教え。
“一人の生命を救う者が世界を変える”
簡単に誰にも出来ないが、誰もがしなければいけない。忘れてはいけない。
その尊い行いを。
最終的に1,100人を助けることになった実業家のオスカーシンドラーの功績
・最初は収容所で使われる食器を大量に製造するためのビジネスでユダヤ人を雇っていたのだが、無差別に殺される現状を見て次第に彼らを助けるため私財をなげうって奔走する
・駅で回収したとランクから靴や衣服、貴金属など細かく分別して山積みになる
・館の最上階のベランダから半裸の状態で無差別に撃ち殺すゲート長官の恐怖を感じるほどの残忍さ
・シンドラーの心が変わるきっかけとなる赤いコートの少女を町の外れの高台から見つけてから、焼却される荷車に乗せられるのを発見した時の顔の表情が忘れられない
・ユダヤ人がドイツ兵に目の前で射殺されるのをここまではっきり、しかもこんなに沢山見た映画は他にない
・最後にバッジひとつで2人、車一台で10人は助けられたと悔いるシンドラー
・工場へ向かうはずが手違いでアウシュビッツへ送られた女子供をのせた汽車が、その音だけで悪い予感が現実になる絶望感に満ちた表現をしていた
・ラストのシンドラーの墓に実在の人物達が現れるシーンでモノクロからカラーになるのがまた過去のものだけでない現実感を深く味わうシーンだった
1人を救う者は世界を救う
構成とかコロコロ変わって面白いけど見やすかったです。流石です。
スピルバーグらしさ全開で、「引き金」のシーンとか「医者と怪我人」のシーンとか特にぽいって感じでした。あれは引き込まれちゃいます。残虐描写がそう見えなくなってくる不思議です。ただ、表面的な面白さの奥にある恐怖はほんっとに怖いというね…。シーンシーンが本当に印象的。
シンドラーは謎なままだったけど、ラストの泣き方とかが彼の真意だと思いました。シンドラーと同等に興味が湧くのはアーモンガート。彼は人間ではないです。彼の愛人も人間ではないです。何をどう失えばああなるのか…。いや彼だけでなく、ナチの兵隊みんなに思います。どうしてあんな残虐なことが出来るのか。家族が、親子が、引き離されるだけでも胸が引きちぎれそうでした。それなのに…。
ラストシーン、シンドラーのお墓詣り。わたしはあって良かったと思います。史実だぞ、ノンフィクションだぞって事ですよね。NHK見てるみたいでした。モノクロだとここまでドキュメントぽいのかと。
人間が権利とか奪われてることってこんなにもおぞましいのか。そう思いました。表現はしづらいですが、人権が奪われるのは大嫌いです。どうかあんなことがもう起こらないようにと願うばかりです。
語り継がねばならないものがある。
決して風化させてはならない真実がここにある。
スピルバーグ作品ながら、エンタメ性を極力廃してリアリティを追求した作風は没入感が高かったです。
モノクロ映像でドキュメンタリーのようになっているので、見ている最中は映画である事を忘れそうになりました。
安価な労働力として雇ったユダヤ人。
最初はビジネスとして判断したシンドラーが徐々に彼らに同情し、最終的には命を賭してでも守ろうとする姿が描かれていました。
ユダヤ人が迫害されガス室まで送られるようになる過程も丁寧に描写されています。
直接的なバイオレンス描写以上に、殺害された遺体から押収された写真や遺品の山を検品するシーンなど。
当時の異常性を感じさせる日常描写の方が見ていて辛かったです。
若き日のリーアム・ニーソンとベン・キングズレーの演技も素晴らしかった。
エピローグの余韻は他の映画とはひと味違った感慨深さを感じました。
最高傑作
スピルバーグの最高傑作
いやーむごかった😠
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