ジャグラー ニューヨーク25時

劇場公開日:

解説

ニューヨークを舞台に娘を突然誘拐された父親の、事件発生の朝から結着がつく翌日の明け方までの25時間にわたる必死の追跡を描く。製作総指揮はアーノルド・コペルソン、製作はジェイ・ウェストン、監督はTV界出身のロバート・バトラー。ウィリアム・P・マッギヴァーンの原作(早川書房刊)を基にビル・ノートン・シニアー、リック・ナトキンとウィリアム・P・マッギヴァーンが脚色。撮影はビクター・J・ケンパー、音楽はアーティ・ケーンが各々担当。出演はジェイムス・ブローリン、クリフ・ゴーマン、リチャード・カステラーノ、リンダ・G・ミラー、ダン・ヘダヤ、ジュリー・力ーメン、アビー・ブルーストーンなど。

1979年製作/アメリカ
原題または英題:Night of The Juggler
配給:東宝東和
劇場公開日:1980年6月7日

ストーリー

ニューヨークの朝。元警官でトラック運転手のジョン・ボイド(ジェイムス・ブローリン)は、夜勤を終え、アパートに帰った。妻と別れ、娘のキャシー(アビー・ブルーストーン)と2人暮しの彼は、その日誕生日のキャシーにバレエの切符をプレゼントすると、彼女を学校まで送っていった。その頃、ガス・ソルティック(クリフ・ゴーマン)は、ある金持ちの不動産屋の娘を誘拐して身代金をせしめようと、盗んだ車で待っていた。しかし、彼は勘違いしてまちがって、ボイドの娘キャシーを車に引きずり込んでしまった。キャシーの悲鳴を聞いたボイドは、必死で彼を追った。しかし、街の中を疾走する車に異常を感じる人は誰もいなかった。誘拐された娘を死にものぐるいで追跡するボイドだったが、横転したステーション・ワゴンの余波で、無念にも病院へ収容されるハメになってしまった。午前10時、サウス・ブロンクスの荒れ果てた自分のアパートに戻ったソルティックはキャシーを不動産屋の娘だと信じこみ、隙を見て逃げ出そうとする彼女に、見せしめとして黒人の酔いどれをあっさりと殺すのだった。正午、娘の誘拐の件でトネリ警視(リチャード・カステラーノ)と会ったボイドは、そんな報告は受けていないという冷たい返事を受ける。一方、別れた妻バーバラ(リンダ・G・ミラー)は、コネティカットからかけつけ、ボイドをなじった。ソルティックは、そのころ、不動産屋に電話をかけ、身代金100万ドルの引き渡し場所を今晩9時、セントラル・パークのコンサート会場の裏にある機械室と指定した。午後3時、手がかりを求めてポルノ・スタジオに行ったボイドは、犯人が落とした飼い犬の鑑札を元に動物登録所へと急いだ。午後10時、動物登録所で、女性所員のマリア(ジュリー・カーメン)の協力でソルティックの住所をつきとめたボイドは、元同僚で彼にうらみをもつバーンズ巡査部長(ダン・ヘダヤ)の邪魔をうけるが、うまくかわしてマリアと共にソルティックの住むサウス・ブロンクスに向った。ソルティックのアパートに踏みこんだ2人はチンピラの妨害にあい、再びキャシーを見失ったが、行き先はセントラル・パークしかないとにらんだ。午後9時、セントラル・パークでは、コンサートが予定されており、群衆が集まっていた。地下水道に逃げこんだソルティックは、しかし執拗なボイドの追跡と警察隊の前に遂に屈するのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.043年ぶりに観たが、やっぱり面白い!

2023年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

初見は1980年8月の名画座(池袋テアトルダイヤ)、VHSレンタルして43年ぶりに鑑賞。

ニューヨークのブロンクス地区は怖くて近づけなかったエリアだが、そこを舞台に、娘を誘拐された元警官が犯人逮捕に走って走って走りまくり、暴走しながらも「娘への思い」が伝わって来るアクション映画の佳作。

ダンプ運転手をしている元警官ジョン・ボイド(ジェームス・ブローリン)が、娘キャシー15歳の誕生日に娘思いの言葉をかけた朝。
娘の通学途中まで2人で歩いて別れた時、キャシーが富豪の娘と間違えられて男に誘拐されてしまう。遠くからそれを見た父親ジョン・ボイドは走りまくったり、タクシーや他人の車で必死に犯人を追いかけるが……といった導入部から躍動感あり。
観ていて、とっても楽しい。

映画『ゴッドファーザー』でクレメンザを演じていたリチャード・カステラーノが、本作ではトネリ警部補をユニークなキャラを見せながら演じている。
『ゴッドファーザー』では裏切り者ポーリーを殺す時、「銃は置いていけ、カノーリは持ってきてくれ」という名ゼリフを言うなどして名演だったが、あの時はマフィアの腹心だったのに本作では警察側…(笑)
名優である。

映画館のスクリーンで観た時には気付かなかったが、自分の土地が奪われて黒人とプエルトリコ人に対して「奴らは、98.6度の熱さだから…」という日本語字幕があったが、これはニューヨークでは温度を華氏で言うから。
スクリーンでの日本語字幕は右側に縦書きでのスーパーインポーズだったと記憶しているが、このセリフの記憶なく、もしかしたら日本上映だったので温度を摂氏表記に変えたかも知れない。
ただ、今後、本作を映画館で観られるかは疑問。

今回、VHSで観たが、邦題が『ナイト・オブ・ジャグラー ジャグラー25時』と表記されていた。
日本公開時での邦題は『ジャグラー ニューヨーク25時』となっている。
映画館で買ったパンフレットを久しぶりに眺めてみたい。

こうした面白い映画が日本ではDVD化されずにVHSどまりなのが、本当に勿体ない話である。

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たいちぃ