ジプシー

劇場公開日:

解説

ストリップの女王ジプシー・ローズ・リーの回想記から「ウエスト・サイド物語」のアーサー・ローレンツが原作を書き、「我が心に君深く」のレナード・スピーゲルガスが脚色、「四人の悪魔」のマーヴィン・ルロイが製作・監督した芸人もの。撮影は「野郎どもと女たち」のハリー・ストラドリング、作詞は「ウエスト・サイド物語」のスティーブン・サンドハイム、作曲はジュール・スタイン、音楽監督はフランク・パーキンスである。出演者は「ウエスト・サイド物語」のナタリー・ウッド、「メイム伯母さん」のロザリンド・ラッセル、「西部開拓史」のカール・マルデン、舞台の新人ポール・ウォレスなど。

1962年製作/アメリカ
原題または英題:Gypsy
配給:ワーナー・ブラザース
劇場公開日:1963年1月9日

ストーリー

ボードビル華やかなりし、1920年代の初期。ローズ(ロザリンド・ラッセル)は2人の娘をスターにするのに懸命だった。ロサンゼルスの劇場で開かれた子役採用テストで、俳優のハービー(カール・マルデン)を無視して娘たちに演技させて失敗した彼女はシアトルに帰郷したが、菓子売りになっているハービーに再会し、得意の手管でシカゴで子役を捜すことを約束させた。子供を学校へやれという祖父の忠告も聞かずに、彼が50年勤務して鉄道から贈られた金の飾り板を盗んでローズは娘たちとシカゴに向かった。彼女を愛し始めて一座に加わったハービーは結婚を望んだが、舞台に恋していたローズは相手にしなかった。ルイーズ(ナタリー・ウッド)とジューンは美しく成長したがローズは依然として娘を子供扱いし、一座を支配していた。不景気とトーキーの浸透で契約を取ることは益々困難になった。本当の女優になりたいからとジューンが踊り手の一人と転落した時、ローズは目の前が真っ暗になった。彼女はいやがるルイーズを強引にスターにしようとしたがあぶれることが多く、場末の劇場で我慢するよりなかった。ハービーの熱意にほだされたローズは、契約が切れたら結婚すると約束したが、ストリッパーの代役をしてスターになったルイーズにまた夢中になり出したローズを一生かかっても変えられないと悟ったハービーは去っていった。ストリッパーとして大成功したルイーズはジプシー・ローズ・リーと改名したが、依然として支配しようとする母親との間に、大げんかが起こった。ルイーズは自分自身の人生が欲しかったのだ。人気のない舞台でローズが、娘たちや彼女のために望んでいた人生を歌うのを、袖でそっと聞くルイーズ。やがて2人にはお互いを認め合う気持ちが生まれた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第35回 アカデミー賞(1963年)

ノミネート

撮影賞(カラー) ハリー・ストラドリング
編曲賞 フランク・パーキンス
衣装デザイン賞(カラー) オーリー・ケリー

第20回 ゴールデングローブ賞(1963年)

受賞

最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル) ロザリンド・ラッセル

ノミネート

作品賞(ミュージカル)  
最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) カール・マルデン
最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル) ナタリー・ウッド
最優秀監督賞 マービン・ルロイ
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映画レビュー

3.0「マダム・ローズとその娘ジプシー」

2022年9月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

今年のゴールデンウィークからチェックしていた映画、ようやく観る気になったので観た。
あまり日本で出演作が見られないロザリンド・ラッセル出演の映画だからチェックしていたもので、ロザリンド・ラッセル出演映画のカラー作品。
ただ、観てみると、やはり寄せる年波には抗えず、ロザリンド・ラッセルは娘が2人いて、娘を舞台女優にさせたがって生きている「口うるさい母親」の役。
こうした母親役を見事に演じ切っているものだから、「ロザリンド・ラッセル、綺麗だな…」といった趣ではない…(笑)

本作のクレジット順は、ロザリンド・ラッセル → ナタリー・ウッド → カール・マルデンの順だが、これは本作の製作時点(1962年)の序列であり、主演はやはりナタリー・ウッド。やはり、綺麗。

物語は、母親が幼い娘2人を連れて「立派な舞台女優にしよう!」と頑張るのだが、娘も成長して母親のコントロールが効かなくなっていき……というドラマに、母親と彼女をサポートしようとする男(カール・マルデン)との恋愛も織り交ぜながら描かれる。

娘のルイーズ(ナタリー・ウッド)は、わずかなお金のためにストリップ劇場で踊ってみたところ、大人気となり、「ジプシー・ローズ・リー」という人気ストリップ女優となっていく。
(※注)本作でのストリップ女優というのは、少し肌の露出が多めの衣装で舞台に上がるぐらいのもので、裸になったりはしない。

ミュージカル形式ではあるものの、会話まで全部が「歌」というわけでなく、ときおり歌いながら気持ちを表現するぐらいの作品で、ドラマを見せていくことに主眼を置いたかたち。

それなりに楽しめる映画であり、「マダム・ローズとその娘ジプシー」という言葉が心に残る。

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たいちぃ