四十不惑
劇場公開日:1993年12月4日
解説
過去、文革下報時代を体験してきた四十代の男性をテーマに、彼の日常生活を切り取ってみせた作品。企画は「盗馬賊」「狩り場の掟」田壮壮。脚本は「菊豆」「黒い雪の年」の劉恒。監督の李少紅は女性で、北京電影学院の卒業生。八八年に処女作「銀蛇謀殺案」を大ヒットさせ、その後「血祭りの朝」を経て本作に至った。女史の三作めに当たるこの作品は、九二年ロカルノ国際映画祭・最優秀映画批評家賞と、九三年ベルリン国際映画祭・青年論壇賞を受賞した。
1992年製作/97分/中国・香港合作
原題または英題:A Man at Forty 四十不惑
配給:東光徳間
劇場公開日:1993年12月4日
ストーリー
四歳のカメラマン曹徳培(リー・シュエチエン)は、若く美しい妻京華(ソン・タンタン)と五歳の息子漢漢(ティンティン)と共に北京の高級アパートに暮らしていた。ところがある日、児童福祉事務所の連絡で、亡くなった前妻の子供を引き取らなければならなくなった。前妻は離婚した当時、すでに彼の子供を身ごもっていたらしい。男の子、小木(イエ・チン)は一一歳になっていた。曹徳培は、とりあえず暗室に小木を住まわせ、漢漢が六歳になったら家族に小木のことを打ち明けようと考えた。しかし、妻が妊娠してしまい、それを堕胎するという事情で言う機会を失った。暗室で生活を始めた小木は、曹徳培が置いていった手帳を見て、父の住むアパートに電話した。留守番で退屈していた漢漢は、小木に遊びに来るように言い、二人は部屋で大暴れ。京華は暗室に電話を掛けたことにより、小木の存在を知った。漢漢の誕生日、曹徳培は小木を呼んで家族に改めて紹介した。子供達はふざけてケーキを潰してしまうが、京華は不快感から夫を罵倒した。夫婦喧嘩を見て傷ついた小木は、再び暗室に戻ってしまった。後から暗室にやってきた曹徳培は、仲のいい人同志なら喧嘩をしてもまたすぐに仲直りできるものだと小木に言って聞かせた。曹徳培の写真展の日、小木は一人北京を出て行った。京華と漢漢は会場には現れず、曹徳培はただ多くの観衆の仲にいた。