地獄の黙示録のレビュー・感想・評価
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理性を狂気として突きつけられる時、人間は自らの本当の問いに出会う。...
理性を狂気として突きつけられる時、人間は自らの本当の問いに出会う。壊れなかったものたちは信仰を貫く、死ぬまで。壊れたものたちは信仰を産み出す、生きるために。いや、どちらにせよ一度壊れている。そして、古いものを更新するか、新しいものを受け入れるか、あるいはその両方か。綱を切断され、人間は自らの足を曳く。黒く粘着質の精神の底で呼吸を奪われながら。悲しいアメリカ人は壊されたまま、何も持たずに家に帰る。国家。空虚な家。川の終わりの文明と変わることのない、飾られた箱。みな踊り、牛を倒して食らう。地獄はみずからの家の底にいつもある。
これ、見ていいの?見せてええの? 今も世界のどこかで行われている戦...
これ、見ていいの?見せてええの?
今も世界のどこかで行われている戦争。まさにこんな感じなんだろうな。
「戦争はいけません」、自分を良い人だと思いたい人がよく口にするこの綺麗事。そんな言葉よりこの一本を見るほうが効果あり。
次々現れる戦争によって狂ってしまった、そして狂いゆく人々。ゴロゴロと転がっている死体に生首。
この映画自体がもはや狂気。後半はもはや何が何だかわかりません(笑)
R指定は?もう一度言おう。
これ、見ていいの?見せてええの?
ちょっと戻しかけです(笑)
映画史に残る名作・・
コッポラ監督の映画史に残る反戦映画の名作である。これは1980年の原作の2001年リメイク版。初公開時には公開されなかった部分が収録されているらしい。ベトナム戦争で特殊任務を命令された主人公が、兵士4人を伴って変貌したカーツ大佐を殺害するため、ベトナムの川を船で上流に上って行く。そこで様々なことが・・やはり最後のカーツ大佐の狂気な世界が強く印象に残る。主人公は目的が達成されたのか!?共産主義勢力と戦うため、正義をかざすアメリカが起こした泥沼のベトナム戦争がよくわかる。3時間を超える大作を2回に分けて観た。
神の不在
とんでもない。
とんでもない作品を観てしまった。
いや、とんでもない現実を観てしまった。
ワーグナーの「ワルキューレの騎行」の高揚感は一体何なんだろうか。
人を殺すというのは、躊躇することではなかったのか。空から地上に降るものは、雨だけではなかったのか。天から人類に罰を与えるのは、神だけではなかったのか。
神よ。どうか教えて欲しい。
あなたのいう天国なんてないということを。あなたのいう地獄なんてないということを。
本当の地獄とは、人類史そのものであるということを。
そして、あなたの存在を信じた全ての人類に、あなたはいないということを。
今一度見るべき狂った傑作
立川でリバイバル上映されていると知り、鑑賞してきました。
凄まじいとの前評判があり、傑作戦争映画と名高い本作でしたが、いまいち前情報が入ってこず、凄いと聞きながらストーリーを一切知らずに鑑賞しました。
率直に言って、本当に狂ってる。全て、狂ってる。そして、傑作だ、と言わざるを得ませんでした。
最初のうちは、戦争状態であるにもかかわらず、どこか他人事のように、ある種呑気な上官たちなど、見たとおり狂ったものばかりでしたが、物語が進むにつれ、そこにいる人全てが、狂っていると思えてしまいます。その内面にある秘められた狂気が、沸々と表に滲み出るのが、戦争というものなのでしょうか。
そこにある人、敵、軍、果ては政治全てを狂わしす戦争。この物語が事実かどうか知りませんし、関係ないです。正直、僕はこの物語を全て理解出来ていません。あまりにも難解だと思います。でも、この映画が傑作であることには変わらないでしょう。
ちなみに、これは前情報なのですが、マーロン・ブランドや、デニス・ホッパーがえらくテキトーな演技をしていたらしいのですが、やはり凄まじい存在感でした。痩せて来るべきブランドが超デブになってきたらしいのですが、やはり怪優というべき人物でした。
いつか理解できるようになるのだろか?
立川の極爆音響上映で鑑賞。昔一度テレビで見たが、そのときは全く意味が解らず、途中で観るのをやめてしまった。で、今回は…何となく言いたいことは分かったような気がしないでもないが、終盤が全く分からず、結局モヤモヤした感覚を残して終わってしまった。
音響のせいもあるかも知れないが、有名な「ワルキューレの騎行」のシーンや、橋での地獄絵図なんかの迫力は十分恐ろしいものだったし、明らかに常軌を逸しているキルゴアの振る舞いや、逆に「船を進めるだけ」というチーフの言動を見ていると、主人公が度々「欺瞞だ」という戦場の姿は実感(?)できる。ただ、やっぱ最後の大佐との邂逅以後、二人が何を考えているのか、いまいちピンと来なかった。十年ほど前よりは話の内容が理解できるようになったように、また見たら少しは理解できるようになるんだろうか?あんまなりたくない気もするが。
年齢に応じて違う感じ方になる作品のひとつ
今見ると、密林の中のクメール遺跡に君臨する王て、まるでクメールルージュが地下に潜った時代のポルポトたちみたいだな…。
沖縄戦を記憶している体験者世代の人は、相当胸が締め付けられたそうだ。火炎放射器で根こそぎ村が焼かれた時に、フラッシュバックした知人のおばあさんも。
イカれてるのオンパレード
ベトナム戦争にアメリカとそれだけでも狂っているのにコッポラもアル中気味なM・シーンも問題児な大御所M・ブランドもヤク中D・ホッパーとイカれた人間が勢揃いでオープニングのドアーズに早朝ナパーム弾の凄まじさサーフィンと観ているコッチの頭がおかしくなりそうだ。
とにかく狂ってるイカれた最高のベトナム戦争映画、不謹慎でもそう思う。
とにかく映画館で観れたのがメチャクチャ最高で家で観るのとは180度印象も興奮も雲泥の差。
●ワルキューレ・・
なんといっても「ワルキューレの騎行」をバックにした爆撃映像が印象的。キレイなビーチの上を凄まじい数のヘリが行き交う。音楽が流れ、爆撃が始まる。
「時計仕掛けのオレンジ」のように暴力的映像に音楽がマッチして、不適切だが芸術的な仕上がりに。
物語は、たしかに戦場で殺人罪ってのもどうか、戦争の悲惨さ、無情さが切ない。ワルキューレが衝撃的すぎて全体がかすむ。
ベトナムのリアル
ベトナム戦争を知らない世代として勉強したかった。ヒッピーとかSEALSみたいな馬鹿でなく、戦争というシステムに組み込まれた人間の現実(思考/行動について。共産主義もヤバイけどアメリカも相当キテるな、これ
観るたびに新たな発見のある名作です...
本邦初公開時(1980)もノーカット版公開時(2001)も,ともに劇場鑑賞機会を逃してきたので,これがホントの初体験。もちろんそれまでDVDでは数多く観てきたので,ストーリーは全て頭に入っている。
今回はデジタルリマスター版とのことだったので,個人的にはサウンド面に特に注目していたが,やはりその違いを最も実感したのが「ワルキューレ」の場面。 無慈悲な場面なので本当はイケないんだが,背筋が寒くなった..。 「ドラン橋」の場面では「この世の地獄は現世にあり」を思わされたし,「運搬船検問時に乗員を誤射」の場面では「現実もコレと同じようなコトが腐るほどあったんだろうなぁ..」と思えて実に哀しくなった。 平凡で大人しい一般市民ほど,戦争の極限状況に置かれると,正常な神経が飛んでしまい,感情のバランス感覚が亡失してしまう... 戦争の持つ最大の愚かさを訴えるシーンが各所に観られ,そのような道に進んで行かないような気持ちを持ち続けていくことの大切さを改めて実感させられた。
反戦をテーマにした映画は無数にあれど,この作品の持つメッセージを超越する作品はそう多くは無いと信じる。 公開から40年近く経っても今だ色褪せない不朽の名作と言って良い。
今度は「ノーカット版」の劇場再公開を是非期待したい。
地獄とは何か
一度入ったら帰れない。
一度戦争を始めたら終わらない。
延々と続く悪夢の世界。
自由を履き違えたアメリカ。
そしていつも始める戦争。
永遠に苦しむのはさぞ恐怖だろう。
アメリカの戦争に協力してはいけない。
狂気の世界
まだ観て無かったので借りて観ました。
ヘリコプターシーンや爆撃サーフィンシーンなど印象に残る場面が多々有りました。
ただ自分的には、最後のカーツ王国は一瞬妄想か?と思うほど、やり過ぎだろ!と思ってしまった。
監督の主張したいことは伝わるのですが、それが強すぎて合わなかった…
非日常=日常となるとき。
2016年、初見。
村上春樹を読んでDOORSは聴いていたので、冒頭から音楽で引き込まれた。
戦争、ってこういうことだよな。
非日常が日常になるとき、非常識は常識になる。脚本も役者も、振り切れていながらも、現実との接点が失われていない。
流されない少数派の者たち、考える者たちが、悩み、苦しむ。
私は流されずにいられるだろうか?
伝説の名作
1979年公開なのに今なお衰えない作品である。
特にキルゴア中佐のワルキューレを流しながらのヘリコプターでの強襲シーンはこの2016年に観ても凄まじい演出であり、1979年とは思えない現代でも通用するシーンであるというかこのシーンをこえるヘリコプターシークエンスが今なお出ていないほどのモノ...恐るべしコッポラー...
そしてどんどんと物語が進んでいくごとに狂気を増していく世界観と雰囲気、とんでもなく不気味で怖いです...つーか軽くホラー、とにかく戦争の狂気と恐ろしさをふんだんに描いてあって言葉で表すなら「地獄絵図」と言った所、とにかく凄まじいです。
はっきり言った話しこれほどの作品はなかなかお目にかかれない、伝説の名作です。
地獄、なう
ただ今、地獄絵図。
それは、最初から最後まで。
美しくも、異様な世界に突き落とされます。
ベトナム戦争下のジャングルで主人公が巻き込まれていく狂気とは。フランシス・フォード・コッポラ監督、1979年の作品です。
邦題がぴったりと思いますが、今回の鑑賞で知った原題がさらにぴったりだと思いました。
何度観ても、その熱狂と、静かにはびこる狂気に目が離せません。
キルゴア中佐を演じるロバート・デュヴァルを始め、主演のマーティン・シーン、マーロン・ブランドが強烈な印象、心に長く残像が残る感じでした。
あと、ティーン時代のローレンス・フィッシュバーンが華奢で可愛いです。
ワルキューレの騎行
総合:75点 ( ストーリー:40点|キャスト:70点|演出:90点|ビジュアル:90点|音楽:80点 )
この作品の見せ場は、何と言っても騎兵隊がワーグナーの「ワルキューレの騎行」を大音量で流しながらベトコンの村を襲う場面に尽きる。本物の兵器を取り揃え、本物のナパーム弾を投下して椰子林を焼き払い、大金をかけて作り上げた村をを攻撃し破壊する。ロケット弾になぎ倒されるベトナム兵、怯えてヘリから降りるのを嫌がる兵士、こっそり手榴弾を持って近づく女、みんなが殺し合いをしている中で、波乗りのことで頭がいっぱいの意外に信頼のある隊長が、銃弾の飛び交う中でも早速波乗りを強要する。
映画の売上が順調でもあまりに本物にこだわり個人資産からも大金をつぎ込んだコッポラ監督を破産させてしまったほどだったが、それがゆえに映画史に残る大迫力の戦闘場面となった。この場面だけならば映像と演出は100点です。
その村を過ぎてさらに川を上る船は、だんだんとそのようなアメリカの優勢さを示すものがなくなり、どこにいるかわからないベトナムの勢力の怖さや戦争の持つ狂気的な雰囲気に包まれていく。そしてカーツ大佐と彼の支配する部落がまた狂気に支配されているように思える。牛を切り倒す場面も狂気のように撮影されて印象が強い。
これが戦争のもたらした狂気なのか、それとも脚本が狂気に触れて暴走して収集がつかなくなったのか。途中からの展開は難解で意味不明となる。
このように後半が何なのかわけがわからないのがいただけないのだが、その部分も含めて強い印象を残す作品になった。個人的にコッポラ監督という名を意識させられた最初の作品である。
劇場公開版リバイバル上映
NHK-BSで放送されていたのを見た。劇場公開版だと思ってみていたのだが、特別編を組み合わせたバージョンのようだった。
冒頭の酔拳みたいな型で鏡を割る場面は、特殊部隊で鍛えてカンフーも達人クラスの腕なように思っていたのだが、今見ると酔っぱらってふざけていただけだったようだ。
『サティスファクション』が掛かって若い黒人兵士が「これはオレの歌だぜ」というセリフがなかった。記憶違いかな。
キルゴア中佐の場面やプレイメイトの場面などなど圧倒的な場面がたくさんあった。
カーツ大佐が出てからは眠くて途中で何度も中断して寝てしまい、変な寝方をしたせいで頭痛がした。
牛がスローモーションで叩き斬られる場面で終わると思っていたら、そうじゃなかった。見た当時は「なんだこれ?」と思ったものだが、特別編で盛り上がる戦闘場面でいい感じに終わると、逆に何か普通じゃんみたいな物足りなさを感じた。あの牛の変な場面が心にこびりつく感じがしてよかったのかと思った。
劇場公開版をちゃんと見たい。
(追記)
シネウィンドで劇場公開版をリバイバル上映で見た。すると、牛をスローモーションで切る場面などなく、BSで放映されたのは第3のバージョンではなく、劇場公開版だったのかもしれない。そんな場面はそもそも存在せず、オレが脳内で作り上げた場面だったのかもしれない。牛はあっさり切られていた。
この映画は主人公のウィラードがほぼ何もしない。ボートに乗って他人の戦場をうろうろしているだけだ。特殊部隊の工作員みたいに言われていて、凄腕なのかなと勝手にこっちが思っていたのだが、凄腕かどうかも全然分からなかった。最後にマーロン・ブランドをめった刺しにするだけだった。アル中気味で精神を病んでいた。
そんな何もしない主人公だからこそ何度見ても面白いのかな。すっきり謎が解けるような映画は何度も見れない。それに何よりここまで贅沢で迫力のある映像はそうそう滅多にない。また何年かしたら見よう。
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