三十四丁目の奇蹟(1947)

劇場公開日:

解説

「センチメンタル・ジャーニー」と同じくモーリン・オハラとジョン・ペインが主演する映画で「バアナデットの歌」を脚色したジョージ・シートンが、自ら脚本を書き監督に当たった4回目の作品である。原作はアカデミーのオリジナル・ストーリー賞をとったヴァレンタイン・デイヴィースの書きおろしものである。助演は「王国の鍵」のエドモンド・グウェン「我が道を往く」のジーン・ロックハート及びポーター・ホール、新顔の子役ナタリー・ウッド「鉄腕ジム」のウィリアム・コウアン等で、撮影は「夜霧の港」のチャールズ・G・クラークとロイド・エイハーンが監督し、ニュー・ヨークのメイシー百貨店及び付近の街の実景を撮った。1947年作品で、グウエンはアカデミー助演オスカーを与えられている。

1947年製作/96分/アメリカ
原題:Miracle on 34th Street
劇場公開日:1948年11月

ストーリー

感謝祭の日、ニューヨーク第一の百貨店メイシーは、クリスマス・パレードを34丁目通で催すのが常である。8頭立てのトナカイがひくおおそりに乗っているサンタ・クロースは、クリス・クリングルと名乗る本当に長い白ひげの老人であって、人事係長ドリス・ウォーカーが新たに雇ったのだった。彼女には8歳になる娘スーザンがあったが、スーザンはアパートの隣室の住人の弁護士フレッド・ゲイリーと親しくなり、その縁でドリスとフレッドとも友達になる。クリス老人は人気をわき立たせたので、百貨店では7階おもちゃ売場の人寄せに立たせて、クリスマス・セールを始める。クリスは子供のために希望の品を言わせ、その品がメイシーになければ売っている店を教えた。その顧客本位のサービスは大好評で、他店もそれを見習うようになり、クリスは店主メイシーのおほめに預かる。ドリスは男まさりの活動的な実際家で、娘のスーザンにもおとぎ話や夢物語を読ませず、サンタ・クロースなんかも嘘だと言い聞かせている。ところがある日スーザンはフレッドに連れられてメイシーへ行き、クリスのひざに抱かれてひげを引っぱると本物だったのでクリスが言う通りに彼が本当のサンタ・クロースだと信じ始める。これにはドリスは当惑したが、フレッドが自分のアパートにクリスを同居させたので、よく観察すると偏執狂ではないかと思われる。そこでメイシー専属の医師ソーヤーに診察させると、犯罪自責観念に起因する精神病だと言ったので、クリスは怒ってサンタの杖でソーヤーを殴った。このためクリスは公立病院で精神鑑定を受け、精神病院へ入れられることとなる。フレッドはあきらめかけているクリスを、彼を信じ愛する少年少女たちのために戦えと励まし、自ら弁護役を買って出て、法廷に争うこととなる。クリス側の有利な証人はメイシー氏をはじめ童男童女に至る数百人に及んだが、何よりもメイシー百貨店おもちゃ部気付サンタ・クロース様と宛名を書いた数百通の郵便が配達されたので、ハーパー判事はクリスをサンタ・クロースであると言い渡した。ドリスもクリスを好きになり、彼女を愛しているフレッドの求婚をいれて、スーザンと三人で楽しい家庭をいとなむこととなった。

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映画レビュー

4.0定番には今一歩

2023年8月3日
PCから投稿

古典的な名作たるに今一歩です。
話の展開は面白いですが、全体に説明的で、力強さに欠けるきらいはありますが、戦勝直後のアメリカの雰囲気は良く描かれています。

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越後屋

5.0サンタはすでにコマーシャリズムを否定してる

2022年12月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

私はサンタクロース存在すると小学5年生ごろまで思っていた。スーザン(ナタリーウッド)はすでに信じていない。現実的で御伽話を信じないの母親に育てられている。それに母親は当時、主婦の存在が多いのにメーシーズで経営者であるメーシーズの元で働いている。当時のメーシーズでは男の店員が多い。1945 年、戦後一斉に男が戦場から引き上げてきたので職場はおとこのせかいになっていったようだね。そこで紅一点のように見えるが働いているスーザンの母親。こうなるのには夢物語は言っていられないというような力強く賢い母親。しかし、向かいの弁護士のフレッドやサンタクロースのお陰で人間の心を大切にする、そして、想像力のある情操教育を学んでいく。

日本の小さな田舎で育ち、毎年、12月になると、母と弟ともみの木の枝を切りに山にはいり、家に帰って、大きな鉢に植え、周りに「やぶこうじ」という小さな赤い実をつけている植物を植えて、クリスマスを過ごす。サンタが枕元にプレゼントをおいてくれるのが、楽しみでなかなか眠れなかったのを覚えている。

当時のニューヨークには大都会で驚くね。購買力や物の豊富さ、それに商戦。またそれらをユーモラスにコメディタッチで表現できるこの映画制作力。サンタクロースはすでにコマーシャル化したクリスマスが社会を変えていってるのを否定して「子供のためにのクリスマス」を教えているようだ。米国ニューヨークの11月下旬のメーシーズ感謝祭パレードからクリスマスの日までを映した映画を観ると、敗戦後を映した、例えば、黒澤明の映画の世界とはイメージが違いすぎるね。あまり子供の希望が見えてこない映画とコメディタッチで、ロマンチックで、現実的でもあり、理想的でもある、先が見られる映画制作力の違い。スーザン、母親、弁護士のフレッド、などの出演者の見解がおかしくて、大笑いして観た。
この映画はいくつかのバーションがあるがナタリーウッドの子役の時が好きなのでこれを観てレビューを書いた。

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Socialjustice

4.0サンタクロースは、いるのです!!

2022年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

あるホームレスの老人が、街の事業でサンタクロースの仕事をするが、
ある策略により「本物のサンタクロースでないのに、サンタに扮した
詐欺罪」で告訴されてしまう。
彼を救うには、その者を本物のサンタと、裁判で立証しなければ
ならない…
その方法は、作品半ばで大体ネタバレするが、日本人には無い
「夢を見続ける西洋人の物語」として、良作である。
最近にリメイクされた作品があるらしいが、それは、まだ未見。

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777

4.0クリスマス映画

2022年3月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 何でも裁判にするというアメリカという国も面白いが、これが戦後直後の作品だと考えると、当時の日米の差はすごかったのだな、と改めて感じます。クリスマス映画というジャンルはイマイチ好きではないのだが、この映画だけは充分楽しめる作品です。

 俳優ではサンタ役のエドモンド・グウェンも良かったのですが、子役のナタリー・ウッドが素晴らしい。

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kossy
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