ザ・ワイルド

劇場公開日:

解説

極限状況下におかれた男たちのサバイバルを、サスペンスを織り交ぜ荘厳な自然の風景の中で力強く描いたアクション。監督は「狼たちの街」のリー・タマホリ。製作は「大いなる遺産」のアート・リンソン。製作総指揮は「12モンキーズ」のロイド・フィリップス。脚本は「殺人課」(監督も)「ウワサの真相 ワグ・ザ・ドッグ」のデイヴィッド・マメット。撮影は「ロミオ&ジュリエット」のドナルド・M・マカルパイン。音楽は「エアフォース・ワン」のジェリー・ゴールドスミス。出演は「ケロッグ博士」のアンソニー・ホプキンス、「陪審員」のアレック・ボールドウィン、「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」のエル・マクファーソン、「ブラッド&ワイン」のハロルド・ペリノー、「カジノ」のL・Q・ジョーンズほか。

1997年製作/115分/アメリカ
原題または英題:The Edge
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:1998年5月30日

ストーリー

大富豪のチャールズ(アンソニー・ホプキンス)は仲間たちとアラスカ旅行に出掛けた。ファッションモデルをしている若く美しい妻ミッキー(エル・マクファーソン)は仕事も兼ねてカメラマンのロバート(アレック・ボールドウィン)も同行させる。現地の老人スタイルズ(L・Q・ジョーンズ)の山小屋で荘厳な自然の美しさを満喫する一行。スタイルズの友人のインディアンの写真を見たロバートはぜひとも彼をモデルに使いたくなり、インディアンの住む山小屋まで行かないかとチャールズを誘った。ところが彼らを乗せた水上飛行機は渡り鳥の群れに突っ込み墜落、チャールズ、ロバート、カメラ助手のスティーヴ(ハロルド・ペリノー)はなんとか助かったもののパイロットと機体は湖に沈んでしまった。チャールズの博学と冷静な判断を頼りに3人は焚き火をして暖をとりつつ山を下りていく。しかし極限状況下での協力は容易いものではない。ロバートとスティーヴはチャールズの知識に裏打ちされた落ち着きぶりに次第に反感を強めていき、チャールズもまた前からなんとなく感じていたロバートとミッキーが不倫関係にあるのではないかという疑惑が頭から離れなくなっていた。そんな中、獰猛な熊が襲ってきた。なんとか逃げ延びた」3人だが、怪我をしたスティーヴの血の匂いを追ってきた熊は彼を喰い殺す。捜索隊のヘリコプターも彼らの頭上を通り過ぎて行き、ロバートは恐怖と絶望から半狂乱になる。そんな彼を慰めながらチャールズは黙々とサバイバルを続けるのだった。人の肉の味を覚えた熊はふたりを執拗に追いかけてくる。とうとうチャールズは熊に正面から闘いを挑むことにした。ロバートも生き残るために倒木で作った槍を手にする。激しい死闘の末、チャールズは熊を殺す。久しぶりの食料と毛皮で作った防寒具を手にして勝利の喜びを噛みしめるふたりは意気揚々と脱出行を再開した。だがチャールズはひょんなことからロバートとミッキーの不倫の決定的な証拠を発見してしまう。彼の腕時計の裏蓋にミッキーからの愛の言葉が刻まれていたのだ。ロバートは狼狽するチャールズを殺そうとするが、熊捕り用の罠に嵌まって大怪我をする。チャールズは迷いながらもロバートを助け、一緒にカヌーで川を下っていく。ロバートは自分の行いを悔い、ミッキーが本当に愛しているのはチャールズだけだと告げる。捜索隊のヘリがふたりを発見した時、彼は息を引き取った。救出されたチャールズは彼を迎えるミッキーを何も言わずに抱きしめた。

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映画レビュー

2.0大富豪はつらいよ

2023年5月10日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

名優アンソニー・ホプキンスの熊の映画。人食い熊が恐ろしいと言ったって、それを殺して喰ってしまうのが人間だからどっちもどっち。アンソニー・ホプキンスさんは「羊たちの沈黙(1991)」のハンニバルのイメージが強く、思慮深い善人役が不思議に思えたが流石名優、熊に追われ崖を下り川に流されて、熊ばかりか人にも狙われる地獄を耐え抜く肝の座った大富豪、大熱演でした。
てっきりセスナ(DHC-2ビーバー)墜落でのサバイバル映画だと思ったら、富豪の若い妻が不倫に走るなんてプロットはありきたり、そんな三角関係が熊と絡むからややこしい。
ボーイスカウトの知恵みたいな薀蓄が出てくるが昼間なら針の手製コンパスに頼らずとも太陽を見れば方角は容易にわかるでしょう。昨今は温暖化のせいか大規模な山火事が社会問題になっていますから熊よけとは言いながら火のついた薪をやたら森に投げるので気を揉みました。
サバイバル、冒険ものに俗っぽい雑味を混ぜているので助かってもスッキリしない後味の悪さが難でしょうね。

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odeonza

3.0冒頭のサプライズ

2023年5月9日
iPhoneアプリから投稿

は好きではない。
はじめは焚き火も満足につけられない。あんな太い枝にすぐに火はつかない。
金属を絹でこすると磁気を帯びる?とんだ勘違い。

ただアンソニーホプキンスの演じる人物
がいい。この状況で沈着冷静な行動がとれる。
ボールドウィンの演じる人物は好きにはなれない。湖でも助手を助ける素振りが見られないし、ズボンのちぎった布の始末に至っては殺される原因を作っている。
わざとやっているとしか思えない。

毛皮を着るにはだいぶ工程や時間がかかると思うし、すごい匂いのはず。だが、そんなことしてたら、ロビンソンクルーソーみたいな話になるから仕方ないな。

出てくる時計がそのままその人の年代を表していると思うのは考えすぎかな。

熊や狼に襲われる映画はいくつかあるが、リーアムニーソンが出てたのもあったな。まあそんな感じの映画でした。

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myzkk

5.0大富豪もし大自然で熊と戦わば・・・

2022年1月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 通常、映画の主役に据えられるのは、社会から抑圧された立場にある人間であることが多い。 決して日の当たらない卑小な人生や人間性にスポットを当てる方が、ドラマ的に面白いし、人々の共感を集めやすく、それがまた、映画の一つの役目でもあるからだ。

 支配者層である大富豪が登場した場合、一般的なセオリーなら、窮地に陥り痛い目に遭う。 社会的な成功者が怯えたり狼狽するのを観て、観客は留飲を下げるのだ。

 しかし、この映画では逆に、大富豪にまで上り詰めた成り上がり人間の強靭なバイタリティが、遭難という最悪の状況を切り開いていく様を見せる。

 だが、ヒーロー活劇ではない。 大富豪という極めて稀な成功を勝ち得た人間の能力が、極限状況でどう発揮されるのかを、同伴するカメラマンの俗な人間性と対比しながら人間ドラマとして仕上げているのだ。 ここに、この映画の抜群の面白さがある。

 アンソニーホプキンス演じる大富豪は、知的で謙虚、冷静かつ果敢だ。 大自然の中に取り残されたことに絶望するカメラマン助手を、冷静に諭してなだめる印象的なシーンがある。

「人が遭難して死ぬ原因は、恥だ」
「俺はなんて馬鹿なミスを犯してしまったんだと自分を恥じてばかりで、やるべきことをやらなかった。だから助からなかったんだ」

「…やるべきこととは?」 と不安そうに問うカメラマン助手。

ここで富豪は、「Thinking」 と微笑みながら答えるのだが、この短い対話の中に彼の知性と人間性が端的に表れている。

 「郵便配達は二度ベルを鳴らす」や「評決」で知っていたが、デヴィットマメットの脚本はさすがだ。 個人的には、 「彼らの存在が、私を生かしたのだ」 という最後の一言が、このドラマの締めとして秀逸だと感じた。

 アンソニーホプキンスの演技はもちろん、カメラマンを演じたアレックボールドウィンの演技が最高に素晴らしかった。 また、ジェリーゴールドスミスの壮麗な音楽は、この重厚な冒険ドラマを見事に彩っている。

 それと、忘れてはいけないのが、ヒグマのバート君。 いろんな映画に出ている動物タレントだが、この映画での迫力満点の演技は、 アカデミー賞物! と言っていいだろう。

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Garu

3.0人に出来ることは、俺にも出来る!と言え!

2020年10月31日
Androidアプリから投稿

同行の男が終始、大富豪に「で、どうするんだ?」「それで、どうするつもりだ?」「そんなの出来るはずがない」と何度も聞いてきてイライラする。少しは考えろよと、しびれを切らす頃、アンソニーホプキンス叫ぶ(笑)

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きまぐれBANK