砂漠の流れ者
劇場公開日:1970年10月24日
解説
古き良き西部で、時代に取り残されていく人間のおかしさと哀れさの中に、西部男の執念に満ちた復讐譚を折り込んだ作品。製作総指揮に「ワイルドバンチ」のフィル・フェルドマン、同じく製作・監督サム・ペキンパーのコンビ、共同製作ウィリアム・ファラーラ、脚本ジョン・クロフォード、エドモンド・ペニー、撮影も「ワイルドバンチ」のルシエン・バラード、音楽ジェリー・ゴールドスミス、美術リロイ・コールマン、編集フランク・サンティロ。出演は「トラ・トラ・トラ!」のジェイソン・ロバーズ、「追いつめて殺せ」のステラ・スティーヴンス、「フィクサー」のデイヴィッド・ワーナー、「ワイルドバンチ」のストロザー・マーティン、L・Q・ジョーンズ、スリム・ピケンズなど。1991年2月よりのリバイバル時に邦題を「ケーブル・ホーグのバラード~砂漠の流れ者~」に改題し公開。
1970年製作/121分/アメリカ
原題または英題:The Ballad of Cable Hogue
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1970年10月24日
ストーリー
灼熱の砂漠の真ん中で探鉱試掘稼業のケーブル・ホーグ(ジェイソン・ロバーズ)は仲間のタガート(L・Q・ジョーンズ)とボーエン(ストロザー・マーティン)にライフルとロバと食糧を奪われた。手持ちの水が3人分しかなかったからだ。ケーブルは、彼らの墓にツバを吐く日がくるまで、石にかじりついても生き抜くと誓い、4日4晩歩き続けて、砂を掘り、水を探し当てた。そこは駅馬車の通る道から40ヤードとは離れていなかった。やがて通りかかた駅馬車の御者ベン(スリム・ピケンズ)が若干の食糧を与え、同乗をすすめたが、彼は断った。こうして、ケーブルの砂漠生活は始まった。鳥や獣もいて、なかなか快適な住みごこちだが、水を求めてくるタチの悪い連中と争うこともあった。そんな頃、自称“説教師”と名乗る男ジョシュア(デイヴィッド・ワーナー)が現れ、この給水所の所有権の請求を正式にやっておけと奨めた。そこで彼は町の登記所に行き、金を借りて登記した。その町でグラマーな娼婦ヒルディ(ステラ・スティーヴンス)と知り合い、泉に作った休憩所の調理をまかせるくらい意気投合したのだが、ほどなくヒルディは砂漠暮らしに退屈し、“サンフランシスコで待ってるわ”と発っていった。彼には復讐の大仕事が残っていた。やがてチャンスは到来した。2人が駅馬車でやってきたのだ。しかし彼はすぐに仇討ちせず、むしろ泉のお蔭でいかに金を儲けたかを自慢し、昔の恨みは忘れたと言った。儲けた金は泉に隠してあるとほのめかしながらである。翌日彼らは戻ってきた。隠し場所に入り込んだのを見はからって、ケーブルはガラガラ蛇をほうり込んだ。恐怖のあまり彼らは泣き叫んで許しを乞い、ケーブルは2人を裸にして砂漠へ追いやり復讐の快感に酔った。しかし、そんなことで引き下がらぬ彼らがやってきて、撃ち合いになったとき、馬のない馬車--自動車が飛び込んできた。未開の西部に生きるケーブルはビックリ。しかも、自動車から出てきたのはヒルディだった。彼女はシスコで大金持ちの老人と結婚し、老人が死んだので、いまや百万長者の未亡人。ニューオリンズで新生活のためケーブルを迎えにきたのだった。復讐をやめ、恋と金を手にしたケーブルは有頂天。しかし、幸運は永くは続かぬもの。田舎モノだから、あっという間に自動車にひかれて死んでしまった。葬式のお祈りは無論、親友のジョシュアが引き受けたのであった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- サム・ペキンパー
- 脚本
- ジョン・クロフォード
- エドモンド・ペニー
- 製作総指揮
- フィル・フェルドマン
- 製作
- サム・ペキンパー
- 撮影
- ルシアン・バラード
- 美術
- リロイ・コールマン
- 音楽
- ジェリー・ゴールドスミス
- 編集
- フランク・サンティロ
- アソシエイト・プロデューサー
- ウィリアム・ファラーラ