最前線物語

劇場公開日:1981年1月17日

解説

第一次大戦に生き残った軍曹が、4人の若いヤンキーの兵士を率いてヨーロッパ戦線の最前線を転戦する姿を描く。製作はジーン・コーマン、監督・脚本は「ショック集団」のサミュエル・フラー、撮影はアダム・グリーンバーグ、音楽はダナ・カプロフが各々担当。出演はリー・マービン、マーク・ハミル、ロバート・キャラディン、ボビー・ディ・チッコ、ケリー・ワード、ステファーヌ・オードランなど。

1980年製作/アメリカ
原題または英題:The Big Red One
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1981年1月17日

あらすじ

1918年、第一次大戦の終了時、4時間前に終戦になったことを知らない軍曹(リー・マービン)が、1人のドイツ兵を殺してしまった。そして第2次大戦の1942年、若い4人のヤンキー兵を率いた彼の姿があった。いずれも屈託のない素直な若者たちだ。まだ幼さを残すが、狙撃の腕は抜群のグリフ(マーク・ハミル)、痔が悩みのタネである農家の息子ジョンスン(ケリー・ワード)、音楽好きでサックス吹きの下町っ子ビンチ(ボビー・ディ・チッコ)、文学青年でヘミングウェイにカブれている小説家志望のザブ(ロバート・キャラダイン)らだ。彼らが所属するのは歩兵第16中隊の第1狙撃兵分隊である。軍曹が「殺人ではない、ただ殺すだけだ」と悟したことが影響したのか、彼ら4人は、苛酷な戦場にいても、悲愴感ひとつなく、まるでハイスクール生活を楽しんでいるようだった。彼らは北アフリカ戦線からナチス管理下にある南仏ヴィシー地区に上陸し、解放した連合軍とともに北アフリカに戻り、そこからドイツ軍と連合軍が激しい戦闘を行なっているシシリー島へと向かった。どこへ行っても不思議に生き残った4人は、ついに最大の戦闘ノルマンジー上陸作戦に参加した。そして、ここでも生き残った彼らは、ユダヤ人のゲットー解放までを共に迎えるのだった。それは軍曹が語る「戦場では生き残ることがモラルだ」という言葉が彼らの中に強く入り込んでいたためだったのかもしれない。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第33回 カンヌ国際映画祭(1980年)

出品

コンペティション部門
出品作品 サミュエル・フラー
詳細情報を表示

映画レビュー

2.0 一小隊の最前線版「この世界の片隅に」的に感じ…

2025年8月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

この作品については、
世間的な高い評価も聞かないので、
あまり観る理由も無かったのだが、
事前の情報で、この米軍部隊が、
当時のフランスヴィシー政権の軍隊と
戦ったシーンがあるとのことだったので、
そんなこともあったのか
との興味で観てみた。
しかし、私の思いが至らなかっただけで、
考えてみたら当時のフランスは
ナチスの傀儡政権だったわけだから、
当然と言えば当然だったのだろう。

さて、冒頭のキリスト教感視点を予感させて
始まったこの作品、
シチリアでの少年の母親の埋葬や
戦車の中での出産手助けエピソードなど、
戦時中の市井の人々の日常を描いた
「この世界の片隅に」ではないが、
ある意味、戦時における一小隊の兵士の
日常を描いたという意味では
最前線版「この世界の片隅に」
的な印象を受けた。しかし、
リアリティを欠いた戦闘シーンに加え、
彼らの“片隅”を描くとするには
各有名な戦場をなぞる構成が禍してしまい、
第二次世界大戦のダイジェスト
のような中途半端な印象を受けた。

さて、そんな中でのラストシーン、
軍曹は第一次世界大戦時のトラウマがあったのだから、それからの回復性の意味から、
終戦になっているかも知れないとの認識で、
ドイツ兵を助けようとして逆に殺されるとの
皮肉な設定にするのかなと思ったが、
そうとはしなかった。
キリスト教感視点的結末としたのだろうが、
甘い帰結に感じるばかりではあった。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
KENZO一級建築士事務所

2.5 タイトルなし(ネタバレ)

2025年8月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
マサシ

3.0 チノとルーク・スカイウォーカー

2020年12月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

興奮

リー・マーヴィンとマーク・ハミルの異色な組み合わせで、サミュエル・フラーのちょっとした実体験。

戦車の中で妊婦の出産、精神病院での障害者入り乱れた銃撃戦と、突拍子もない描写が挟まれ、後にマイケル・チミノやオリバー・ストーンが作るベトナム戦争映画や同時期位?「地獄の黙示録」と比べると、少し古臭い印象が残る。

マーク・ハミルは「スター・ウォーズ」の一発屋イメージが、本作では一俳優として様になった演技と存在感を示し、他の作品で大成出来なかったのが惜しい。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
万年 東一

3.0 murder or kill

2017年5月4日
iPhoneアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
everglaze