ゴッドファーザーのレビュー・感想・評価
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見事な聖と俗の転倒
冒頭の結婚式のシークエンスは長い。この晴れの場は屋敷の屋外で行われ、屋内ではドン・コルレオーネが陳情を持ってきた客人の対応をしている。映画はその両方で起きていることを交互に映し出している。その陳情の内容は当事者の人生や尊厳にとって大きな意味を持つ話が行われているのだ。
結婚式は聖なる儀式だが、その後の披露パーティーはすでに俗人たちの楽しみに過ぎない。フランシス・フォード・コッポラ監督は、このような視点を提示しておいて、屋内で起きている陳情の数々にはむしろ神への祈りにも似た聖性を与えている。ファミリーへの忠誠と友愛という信仰心を持たない者には、そこへ入ることすら許されないのだ。
聖と俗。この対比を通常の観念を見事に転倒した形で映像として見せる、この結婚式のシークエンスで、マフィアの価値観に抵抗する観客との勝負はついた。
この冒頭に対応するかのようなラストのクライマックスに、教会での洗礼式と同時進行で敵対するマフィアの頭目を次々と殺害していくシークエンスがくる。
ここで敵の殲滅作戦を指揮するマイケル・コルレオーネ演じるアル・パチーノ本人は甥の洗礼式で、名付け親として聖性を帯びている。おおよそ俗人としてはこれ以上ないほどの聖性を身に着けているマイケルは、しかしその聖性に反することを彼の部下たちに実行させているのだろうか。
いや、ここでも結婚式と同様に聖と俗の観念の転倒が行われている。だからこそこのクライマックスは映画史に残るのだ。
俗人には立ち入ることのできない世界。ただのイタリア移民ビトーの息子マイケルが、マフィアの世界における神、ゴッド・ファーザー、ドン・コルレオーネという聖性を纏う儀式がここでは進行している。この視点を得た観客の目には、もはや教会での洗礼式など俗人の習慣に過ぎないものになるのだ。
しかし、この聖なる世界を生み出したものはことのほか素朴で、前近代的なものであることが映画では開陳されているのだ。いや、むしろ、素朴で非現代的なるものであるからこそ聖性を帯びるのだと言ったほうがよいだろうか。
マイケルがミゲルと呼ばれるシチリアでの隠遁生活は土俗性に満ちている。束の間の新婚生活、シチリアの貧しさ、これらを守るためにこそ聖なる力が必要なのだ。自身に至高の聖性を身に着けることを課したマイケルの、アメリカへ戻ってからの行動に迷いはないのはそのためだ。
Best movie ever!!!!!!!
壮大な素晴らしい映画でした。
とても壮大な映画でした。3時間にも渡る大作ですが、そんな時間も感じさせないくらい物語に引き込まれました。この作品は様々なレビューで絶対に見るべき映画と言われていますが本当にその通りだなあといった感じです。脚本も音楽も演技も素晴らしかったです。若い人にもぜひ見てもらいたい映画です!続編も借りてみようと思います。
男の生き様と愛の物語
まず、最初に私のような若輩者が、この偉大な映画をレビューさせて頂きます。まず、この映画の良い所は、影の使い方が、うまいです。演出一つ一つに影の美しさ、使い分けの上手さをだしています。また、脚本が良く、セリフの一つ一つに深く、心に残る名言ばかりでした。また、主演俳優がよく、この作品が、出世作になったアルパチーノさん、ジェームズカーンさん、ロバートデュバルさん数々の素晴らしい俳優陣に囲まれている中、何と言っても、この映画の最高の役者は、マーロンブランドさんでしょう。あの貫禄、渋みのある演技、徹底的にヴィトーコルレオーネになりきっていました。
この映画は、男の鏡のような映画でした。この映画を見た時自分の価値観が、崩れていきました。これまで、持っていた様々な悩みが、小さく、アホらしく、見えました。それぐらい魂を揺さぶられる映画でもあります。最高のセリフ、最高のストーリー、最高の役者、最高の監督と製作陣によって、作られた奇跡の作品を楽しんでください。
どうでもいいことですが、映画の終盤で出てきたアルパチーノさん演じるマイケルコルレオーネの子供は、コッポラ監督の実娘で、後に映画監督になるソフィアコッポラさんらしいです。
影の美しさ
2004年以来7年振り、二回目の劇場鑑賞である。無論、今回も最高。言わずと知れた Corleone family の血と叡知に まみれた一大叙事詩。それこそ観た回数は30回は下らない──(ね、僕 控え目でしょ/笑)。物語の筋、膨大な登場人物の関係/性格、台詞と それの間(ま)、流れる音楽。まるで聴き馴染んだ曲を丁寧に なぞる様に瞬間を愛でる。
「我が敬愛する Al Pacino―当時から既に一級品!!」
「Marlon Brando の一挙手一投足 全て見逃さないぞっ」
「影の美しさ、陽光の眩しさ、崇高な輝きをも感じる暴力描写、Gordon Willis 素晴らしい!!!!」
「若手にして この大作、重厚で見事な演出、流石はFrancis Ford Coppola!!!!」
「有り難うっっ、Mario Puzo!!!!!!」
等と私が幾ら“映画通”ぶってみても余裕で受け止めてくれる capacity♪♪
心行く迄 溺れさせて頂きました◎
こうなったら『Part Ⅱ』も劇場で味わいたいなぁ~~♪
頭になるには…?
壮大な映画
壮大な映画
あ"-すごすぎる(*S*)
映画史上に残る超傑作、part2も超傑作
アメリカのイタリアンマフィアの抗争を素晴らしい演出と脚本で描かれる作品
ゴッドファーザーは「名付け親」という意味
日本ではテーマ曲ばかりが有名になっている気がするが
ぜひ映画を見て欲しい、映画史上に残る超傑作である。
マフィアの抗争劇であるがゆえにそのバイオレンスさが描かれる
注目すべきはマフィアを頼る人々、その理由、その代償
マフィアの一族であるが故の悲しみ、
風刺もこめられている
あくまでも紳士的な振る舞いでありながらその恐ろしさが伝わる
ドン・コルレオーネ(マーロン・ブランド)の演技は素晴らしい
マフィアの出てくる作品は数多いけれどこれほど魅力的で暴力的な作品はない
40年も昔の作品とはまるで思えない、今見てもそのクオリティには驚かされる
"人間"を鏡にして映し出されるアメリカという国
観たのはこれで何度目だろうか。
1度目より2度目、2度目より3度目、と観るたびに面白味が増していき、その間により多くの映画を観ていればいるほどこの作品の神がかり的な演出に驚かされる。
脚本、脚色、カメラワーク、音楽、そして演者。
総合値でこの作品を勝るものは存在しないだろう。
コッポラは自身のルーツである移民という存在に軸を置く。
そして、登場するのも移民ばかりだ。
しかし、物語はマフィアとして巨万の富を築き上げた男とその家族の成功と衰退を暴力性と人間臭さを背景に描き出した典型的なアメリカンドリームの物語である。
持つ者と持たざる者、信頼と裏切り、愛と憎しみ、許しと復讐、
人間味に溢れたアメリカの一時代を圧倒的なスケールで描き出したアメリカ人によるアメリカ人の物語である。
傑作としか言い様が無い。
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