「午前十時の映画祭10」ゴッドファーザー 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
午前十時の映画祭10
ラスト付近、マイケルの苦悩や困難は既に始まり、不穏な空気のまま映画は幕を閉じる。
"エイドリアン"の結婚式でドン・コルレオーネの偉大さや、コルレオーネ・ファミリーの内情と主要な人物を登場させる演出が冒頭で巧く描かれていて、コッポラの秀逸さが光る場面の一つに思える。
約三時間の上映に重苦しく小難しいイメージもあるが、物語は分かり易く興味の持続力は永遠に。
頼れる存在で説得力ある演技を見せ付けるM・ブランドが弱々しく変貌する反面、マイケル演じるA・パチーノの表情が逞しく変化する演技も圧巻。
"PART II"から怒鳴り散らす印象のマイケルは本作では、ラストに抑えながらの怒鳴りが一度だけ。
時代が変わろうとも、何度観ても色褪せない、新たな発見を繰り返す、素晴らしい名作。
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