コッチおじさん
劇場公開日:1972年5月27日
解説
息子の嫁に嫌われた72歳の老人と、父なし子を身ごもった女の子が同居したことから巻き起こる騒動を笑いと涙でつづる。製作はリチャード・カーター。監督はジャック・レモン。アメリカの女流作家キャサリン・トプキンスの小説「コッチ」をジョン・パクストンが脚色。撮影はリチャード・H・クライン、音楽はマーヴィン・ハムリッシュ、編集はラルフ・E・ウィンタースが各々担当。出演はウォルター・マッソー、デボラ・ウィンタース、フェリシア・ファー、チャールズ・エイドマンなど。
1971年製作/アメリカ
原題または英題:Kotch
配給:フォックス
劇場公開日:1972年5月27日
ストーリー
コッチャー(ウォルター・マッソー)は老妻が死んでから息子ジェラルド(チャールズ・エイドマン)と妻ウィルマ(フェリシア・ファー)と同居している。コッチャーはコッチと呼ばれている70歳の老人だが、1歳になる孫のダンカンを溺愛するために、ウィルマから嫌われていた。ウィルマは、とうとうがまんができず、子守として15歳の女の子エリカ(デボラ・ウィンタース)を雇い入れてしまった。このエリカが、夫婦が一緒に外出している夜、ボーイフレンドを連れ込んでいちゃついているのを目撃したコッチは、そのことをジェラルドに話すと、ウィルマはエリカをクビにした。ダンカンのお守はまたコッチに回ってきたが、ウィルマはそれに反対し、老人ホームに入れようとした。翌日、夫婦はコッチをドライブに連れだし、ロサンゼルスの郊外にある老人ホームに案内した。翌朝、コッチはスーツケースに身の回りの物をつめ、カルフォルニアに立った。途中、サン・ベルナーディノに立ち寄り、エリカに会った。彼女はコッチに妊娠していることを打ち明け、彼が差し出した金を受け取った。数日たってエリカからはがきが届き、その文面が気になったコッチは、早速彼女の許に向かったが、そこで彼女がパーム・スプリングスのある美容院に勤めていることを知った。即座にパーム・スプリングスへ向かい、キャシドラル・シティー近郊の家を借り、彼女の居所を探した。そして赤ん坊が生まれるまで家にくるよう勧めた。それから数カ月たち、コッチは、エリカに伴なって医師の許へ行ったり、買い物をしたり、産婦の講習会にも出席したりして、久しぶりに生き甲斐を感じるようになった。だがコッチは、生まれる赤ん坊をボーリンジャーという金持ちの夫婦の養子にしようとしているエリカの心を知り、驚いてしまう。コッチが病気をしている間、エリカはボーリンジャー家の山小屋に行っていることを知り、その後を追うが、すでに彼女は陣痛が始まっていた。コッチは彼女を車に乗せ町へと飛ばしたが、医者まで間に合いそうになかった。しかたなく、講習会で得た知識を思いだしエリカの赤ん坊をとりあげた。男の子だった。エリカは養子に出す決心を翻し、赤ん坊を自分で育てることに決めたという置き手紙を残し、ロサンゼルスに発った。また、コッチは、エリカが赤ん坊を養子にだそうとしていた時に書いた手紙も発見した。それは赤ん坊に当てたもので、「私はコッチャーさんに触ってほしかった、それはセックスを意味することでなく、ただ抱いてほしかった。コッチャーさんは医者ではないから不器用ではあったが、立派にお前をとりあげて下さった。事情が許せば、お前の、いいおじいさんになって下さったのに……」コッチは思わずホロリとして、手紙を持つ手がふるえた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジャック・レモン
- 脚色
- ジョン・パクストン
- 原作
- キャサリン・トプキンス
- 製作
- リチャード・カーター
- 撮影
- リチャード・H・クライン
- 音楽
- マービン・ハムリッシュ
- 編集
- ラルフ・E・ウィンタース
- 字幕
- 清水俊二
受賞歴
第44回 アカデミー賞(1972年)
ノミネート
男優賞 | ウォルター・マッソー |
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編集賞 | ラルフ・E・ウィンタース |
音響賞 | |
主題歌賞 |
第29回 ゴールデングローブ賞(1972年)
受賞
最優秀主題歌賞 |
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ノミネート
最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル) | |
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最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) | ウォルター・マッソー |
最優秀脚本賞 | ジョン・パクストン |