「10年代ごとに波乱の時代に」活きる redirさんの映画レビュー(感想・評価)
10年代ごとに波乱の時代に
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このように10年、decade でこれだけ世の中が変わり、街の色合いが変わり、信じなければいけない従わなければいけないものが変わり、それでも人間としての信条、生きる道筋を通し生きて活かしてきた人たちの強さ。
なによやらコンリーが強く逞しく美しい。冒頭最悪な(いわゆる旧悪)優男風な夫も意外と筋が通っていて柔軟性がある気持ちが良い人物。
賭博で財産を失なったことで腐ることなく真面目にそして中国革命の変化の中でも生き延びることができた、稀有な人生、変化する動乱の時代を乗り越えた夫婦。共に戦場で生死の別れ目を経験した春生や娘婿やその仕事仲間たち、文革で自己批判させられる地区長など、密告や激しい競争心、権力闘争の時代であったと思うかその中で生き延びようとする人たちの暖かさ、隣人家族愛、組織的ではない人間本来の互助や利他の気持ちがよく描かれている。凄惨な時代背景のなかソフトな描写ではあるが、内戦や大躍進や文革の不条理、滑稽さと残酷さを描きながらそれを凌駕する家族隣人愛、ペーソスの利いた中国現代史の中の性の記録として感動した。
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