荒野の決闘のレビュー・感想・評価
全19件を表示
ジョン・フォード監督の傑作のひとつ🎥✨
久しぶりに鑑賞🎥
1980年代リバイバル上映の際、初めて映画館で観た時の邦題は『いとしのクレメンタイン』だった🙂
それほど、本作の音楽はインパクト強い🎶
従前の西部劇はドンパチ中心のイメージだったが、この作品は人間ドラマがキッチリと描かれているジョン・フォード監督の傑作✨
牛の群れを連れた男がカリフォルニアに牛売りに行こうとしていたが、牛を盗まれ、18歳の弟も殺され、男はトゥームストンという町に残ることにした。
彼がワイアット・アープ(ヘンリー・フォンダ)であり、ドク・ホリデイ(ビクター・マチュア)との出会い、ドクの女=チワワ(リンダ・ダーネル)やドクを追いかけて来たクレメンタイン・カーター(キャシー・ダウンズ)、そして弟の仇=クラントン一家(ウォルター・ブレナン他)を巡って様々なドラマが描かれる。
全編にわたって行き届いたような画面・セリフ・動作なども見事であり、有名な「OK牧場の決闘」も素晴らしい🌟
1970年代に学生だった頃、週刊少年ジャンプに連載されていた「荒野の少年イサム」(川崎のぼる)という漫画が大好きで、いまだに当時買ったコミックス(全12巻)を時々読むが、イサムもこの映画に影響を受けた部分もあるような気がする。
何度観ても素晴らしいジョン・フォード監督の傑作のひとつ🎥✨
不朽の名作ですが
いとしのクレメンタイン
西部劇の世界そのものを味わい、楽しむ映画
「おー前だーれ、おー前だーれ」と小さいころ歌っていたような記憶がある。
雪山賛歌と同じメロディなので、「きっと雪山賛歌はこの映画の主題歌の替え歌なんだろう。この映画のヒロインのような美女とは到底結婚できそうもないので、へん!俺には女なんかいらない。俺には山があるもんね」ともてない山男が自分を慰めるため作った歌だろう、ぐらいに思っていた。実際はそうではなく、雪山賛歌はこの映画ができるずっと前に作られたらしい。この歌は西部開拓時代に鉱山の男たちによって歌われていた民謡だそうだ。歌の内容は、鉱山で働く男の娘が川に落ちて死んじゃった、というようないいかげんな歌詞で、この映画のクレメンタインとは似ても似つかない。
この映画を見たいと思ったのは、「ルパン三世カリオストロの城」のラスト近く、ルパンがクラリスと別れるシーンが、この「荒野の決闘」のオマージュだと知っていたからだ。ワイアットとクレメンタインが向かい合って立っているシーンは、ルパンとクラリスが向かい合って立っているシーンと全く同じである。特にクラリスとクレメンタインは同じ人間だと言ってよい。こんな女性とこんなふうに真っ直ぐに向かい合って立つ、というのはいったいどれほどの緊張感なのだろうか。
しかし、その緊張感は、その両者が最高にいい男と最高にいい女であるから起こるものに違いない。上記の二つの映画とも、その男と女がどれほどいい男であり、いい女であるかを充分に描いてきたからこそ、このシーンはこんなにも高まるのだ。言い換えれば、二つの映画の全内容はこのシーンのために存在していると言ってよい。
この映画のワイアットはやくざ者に対しては驚くほど素早く的確な対処ができる。保安官として、超有能である。ところが、恋したクレメンタインに対しては驚くほど不器用で、はにかみ屋だ。その落差がいい。町の人たちがダンスをしているのを見て、二人もダンスをしたくてたまらない。でも、どちらからもそれを切り出せなくてもじもじしている。意を決してワイアットはダンスをに誘う。クレメンタインは喜んで応じる。なんてウブな。でも、これこそが恋の幸せというものだ。
また、ワイアットは実直この上ない。それに大して男前とも思えない。しかし、カッコいいのだ。魅力がある。歩き方が独特だ。この歩き方は見覚えがある。最初に作られたスターウォーズで、ハン・ソロが酒場で、争いごとを鎮めた後、悠然とその場を立ち去る時の歩き方と同じだ。あの歩き方は普通じゃなかったので、あれは何なんだろう、と気になっていたのだが、この「荒野の決闘」を見て、わかった。あれはこの映画のヘンリー・フォンダの歩き方を真似していたのだ。
この実直なワイアットとクレメンタインが別れのために向かい合って立ったあと、ワイアットはクレメンタインの頬にキスをする。このキスシーンは試写会の時はなく、ただ握手するだけであったらしい。しかし、試写を見た一般観客はキスシーンを期待していたので失望した。それで、キスシーンを新たに撮って、握手に替えたそうだ。握手だけの方が主人公らしいが、一般のアメリカ人にはプラトニックでありすぎたようだ。でも、やっぱりキスシーンがあった方が甘くて、満足感が高いだろう。そして、二人はここで別れても、この後再会し、幸せな結婚をすることがほぼ約束されているようなものだから、観客は幸せな気持ちになれる。
この映画の魅力は何だろうか。恋があり、決闘もある。殺伐としているが、解放感がある。現代人にとって、この解放感は大きい。西部開拓時代の町の人々もしっかりと描かれている。背景のモニュメントバレーは観光地で、西部のどこにでもあったものではないが、雄大だ。この映画には、それほど大きな感動というものはないかもしれないが、全てがよくできていて、人物はみんな存在感がある。味がある。最高の料理人の料理にどこか似ている。「西部劇」の世界にじっくりと浸りたい、味わいたい、楽しみたい、と思ったとき見る映画だと思う。期待を裏切ることはまずない。
クレメンタインは浮世離れしているから良い
雄大で繊細な正統派西部劇の傑作
普段から映画を見ていれば見ているほど奥行きが感じられる映画だった。少なくとも1年前の私だったら単なるステレオタイプの西部劇としか認識できなかったと思う。
とにかく映像が雄大だ。ジョン・フォードは荒野を駆ける馬群を惜しげもなく脚から写す。というかほとんど脚しか映さない。なぜならそれが馬を一番カッコよく撮る方法だから。やがてカメラは馬群が立てる後方の土煙へと横移動していき、映画が今まさにダイナミックな運動の中にあることを受け手に体感させる。
また彼は繊細さをも併せ持っている。例えば中盤で街の人々が何やら広場のほうを目指して荷物を運ぶ光景がインサートされるが、これは作品に程よい弛緩をもたらすと同時に、その後にアープ保安官とクレメンタインが広場の真ん中に新築された簡易教会の完工パーティーにて淡いランデブーを楽しむシーンの呼び水ともなっている。一挙両得の賢い見せ方だなあと思う。
アープ保安官とクレメンタインの離別シーンについても、淡々としていたのがかえってよかった。西部の乾いた空気には涙に濡れそぼった過度なセンチメンタリズムは似合わない。誰も何も言わずとも、彼ら彼女らが心のうちに抱える寂寞は、ロングショットで映し出された無辺の荒野に点在するサボテンや奇岩たちがじゅうぶんに代弁してくれている。
確か蓮實重彦を初めて読んだとき、物語なんかどうでもいいから映像を見なさいみたいな教説を延々と聞かされてうるせ〜なクソジジイと少年じみた反抗心が湧き、それゆえ彼が評価するジョン・フォードにも食指が伸びなかった。しかし映画をとにかく見まくって、おぼろげながらもショットが何なのかを自分なりに掴みかけてきている今、彼の作品がどれだけすごかったのかがだんだんわかってきた気がする。制約が多く記名性も低い娯楽映画の範疇でこんなものがチョロっと撮れてしまうフォードやヒッチコックはやはり巨匠と言われるだけある。
そういうわけで久々に蓮實重彦の著作をパラパラとめくってみたが、清水宏を見てない奴は日本映画を語る資格がないとかコッポラは大したことない凡人とか相も変わらずうるせえクソジジイという感じで、ここまで「うるせえクソジジイ」を貫徹できる性根には少しだけ畏敬の念を抱…くわけねーだろクソジジイ!はよ映画撮れ!
流れ着いた果ての場所で。
1946年。ジョン・フォード監督。弟が殺されたことから犯人捜しのためトゥームストンで保安官をすることになるアープ。街を仕切るドク・ホリデイと奇妙な信頼関係を築き、犯人の見当もついてくるが、ドクのいいなずけ(クレメンタイン)が街を訪れて今の愛人が騒ぎ出すことから、事件は急展開していく。
アープ、ドク、クレメンタインがそれぞれ過去を持ちつつ流れ着いた場所で出会う。そこに地元のクラントン一家との抗争がからむ。そこには偶然と行き違いと複雑な力学がからみ、アープとドクは友情をはぐくみつつ銃で打ち合うし、アープとクレメンタインは他人行儀な距離と保ちつつダンスを踊ったりする。一瞬ごとに目が離せない場面と展開が続く。
流れ着いた者たちはいずれ流れ去っていく。下からあおるカメラに捉えられた白い雲の割合が多い青空。なんと豊饒な映画。なんたる解放感。
生き残った次男が、お茶目でクールで強くて、なんか惹かれたな。
いとしのクレメンタイン
最初に観たOK牧場だが、何回見ても面白い。
ワイアット・アープはヘンリー・フォンダ、ドク・ホリディはヴィクター・マチュア。
アープが惚れるのがクレメンタインで、情愛にあふれている。
ジョン・フォード監督の傑作の一つ。
My Darling Clementine
最初の出会い、結局シャンペンを飲むワイアット。
Oh,My Darling, Oh,My Darling. 主題歌が有名なまったり西部劇
いとしのクレメンタイン
総合50点 ( ストーリー:50点|キャスト:60点|演出:55点|ビジュアル:65点|音楽:75点 )
有名なワイアット・アープを題材にして彼らの英雄的活躍を西部劇の定型通りに進める、悪い意味で昔ながらの娯楽西部劇。敵に味方に女と登場人物の性格や立場の設定もいいやつ悪いやつと単純に白黒はっきり分かれていて単純すぎだし、演技も演出も古くて現在の作品とは比べるまでもない。
唯一、主題歌の「いとしのクレメンタイン」だけが良かった。
いとしのクレメンタイン
冒頭から洒落てます。情感豊かな作品であることにびっくり。とにかく男臭い作品だと思い込んでましたので。
1946年、ジョン・フォード監督作品です。
1881年の有名なOK牧場の決闘を題材にした男のドラマと、堅物保安官の一目惚れに始まるラブストーリー。
広大な乾いた風景をバックに、邦題の「荒野の決闘」としても、原題の「MY DARLING CLEMENTINE」としても大満足。愉快な場面もあり、見応えのある97分でした。
保安官ワイアット・アープと詐欺師ドク・ホリディがカッコいい!
ワイアット・アープを演じるヘンリー・フォンダの、一瞬見せる笑顔、クレメンタインへの一途さにドキドキ、自然な存在感が素晴らしいです。
夜の酒場は沢山のランプが灯って男達を誘い、劇場では盛装して名優の旅興行を楽しむ。生き生きした街の生活も印象的でした。制作当時の人達にとっては、祖父や父親の若かった頃、あるいは自分の子どもの頃を描いた作品だったんだよなあ。感慨深いです。
全19件を表示