倦怠
1998年製作/R18+
原題または英題:L'ennui
スタッフ・キャスト
- 監督
- セドリック・カーン
1998年製作/R18+
原題または英題:L'ennui
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2024年8月18日女性キャラ、セシリアは新しいキャラクターだと思った。知ってるとか分かるとかならなくて、今までにいた誰かではないキャラクター。いるいるってならない。新鮮。
それでも、少し思い当たったのは、
2023年ドラマ「初恋、ざらり」
軽度知的障害と自閉症を持つ女性が主人公の話。
セシリアも何かあるのかも、ただ受動的なキャラクターとして生まれただけで設定でそこまで考えてるかわからないけど…。
60過ぎてる人と付き合ったり中年と付き合ったり年下とも付き合ったり、これは相手を見てないんだなってことだと思う。
最初の60代絵描きには彼女からアプローチしたようだけど、相手が初めは興味なかったようで断られる。多分だけど居心地のいい相手を好きになったのかな。その後は男がのめり込むほど彼女は冷める。
セシリアは全然相手を否定しないし拒絶もしない。だいたい受け入れるし受け身。セックス以外で積極的に何もしなくて、質問には答えるけど自分からは話さない。ほとんど質問と返答で会話するシーン。
自信のない男と否定しない女は最悪の組み合わせなんだとこの映画で思った。
体を受け入れるのは最大の行為だと思ってしまうけど、彼女には容易いことで、男たちとそこで解釈が食い違ってるのが悲劇。
セックスをしてるし、求めれば拒否しないし要望も聞いてくれるから愛されてると思う男。
セシリアは求められることが嬉しいとか快楽のためとかで相手に興味がない。
男も薄々感じてて気持ちを聞き出そうとするけど、興味がないのが分かる。でも体の関係はあるし、やっぱ何もないってことはないはずって沼にはまっていく。
男はプライドが高くて、好きとか寂しいとか言えずに強気な態度で、欲しい言葉を聞き出そうとする。外から見て惚れてるの丸わかりだけど、相手に愛情を向けてはいない。
好きとか言ってれば可愛い嫉妬だけど、焦ってて余裕がなくだいぶ序盤から怖い。
若い女の体に溺れてるようでそうではないと思う。体を許してるとか、受け入れてくれることに溺れてる。精神的な結びつきがないから、安心したくて体を求めてる。
彼らは彼女の心が欲しかったのに、体の関係の方が上だと思っていて、セックスしてるのに!って考えが前提としてあるようだった。
彼女には本当になんてことないことだから話が噛み合わない。
意思疎通ができないようでイライラしてたけど、セシリアの返答は一貫して興味がないってこと。たまに喜ばせる回答はあえてしていたらしくて、それがまたややこしくさせる。
彼女は最強のセフレ。彼女も相手を選べばいいのに、飢えてて自信のない男と関係を持つから有害な関係になってしまう。
でも、孤独で女体に飢えてる男はとても求めてくれるから彼女のニーズにはあってるのか。
男たちが執着して狂ってきても彼女は全然怯えてないのはやっぱ何かしらあるからなのかなと改めて思った。
日本のドラマのキャラクターとは性格全然違うけど、これを見てなかったら解像度めちゃ低かった。同じではないけど、キャラクターに疑問が出てエロい映画をぼんやり見ないで考えて見れた。エロい映画で何もないと思ってると、ただ性に奔放な男を狂わせる魔性の女と若い体に溺れる男の話に見えてたかも。
最後の方セシリア母が、「あの子は誰にも興味がない」って言ってたから、セシリアのキャラクターは考えられていてああだった。母親はちゃんとわかってるんだよね。結構ショックな言葉と事実。ガンで死にそうな父にも関心がない残酷さが出ててキャラクターがよく分かるいいシーン。
見てれば誰にも興味ないの分かるけど、体の関係がある人はその事実を認められない。
ニーズがあってるもの同士なのにこの組み合わせは最悪だねって見せてくれる映画。