原子力潜水艦浮上せず
劇場公開日:1978年4月22日
解説
深度1400フィートの海淵に沈んだ原潜の乗組員の生と死の救出作戦を描く。製作はウォルター・ミリッシュ、監督は「ゴッドスペル」TV「ルーツ・第1部」のデビッド・グリーン、脚本はジェームズ・ホイッテーカーとハワード・サックラー、脚色はフランク・P・ローゼンバーグ、原作はデビッド・ラバリーの「原潜919浮上せず」(早川書房刊)、撮影はステバン・ラーナー、編集はロバート・スウィンク、音楽はジェリー・フィールディングが各々担当。出演はチャールトン・ヘストン、デイビッド・キャラダイン、ステイシー・キーチ、ネッド・ビーティ、ロニー・コックス、スティーブン・マックハッティ、ドリアン・ヘアウッド、ローズマリー・フォーサイス、ヒリー・ヒックスなど。
1978年製作/アメリカ
原題または英題:Gray Lady Down
配給:ユニヴァーサル=CIC
劇場公開日:1978年4月22日
ストーリー
コネチカット州、ニューロンドン沖100キロの濃霧のたちこめた海上で、事件は起こった。本土をめざし、浮上航行していたアメリカ海軍原子力潜水艦ネプチューンが、レーダーの故障したノルウェーの貨物船と接触。船尾をひきさかれたネプチューンは、1400フィートの深みに沈んでいったのだ。そこはしかし、海底ではない。艦は岩棚の端にかろうじてひっかかっているだけで、岩棚の下には底知れぬ深海が広く、ひろがっていた。もし何らかの衝撃が艦に加われば、その中に落ち込んでゆくだろう。そしてこの海域では、地殻変動が激しかったのだ。一方、ネプチューンの艦内では、ブランチャード艦長(チャールト・ヘストン)を含む乗組員41名が奇跡的に生存を続けているが、海中は、司令室の隣室まできており、酸素の量も36時間分しかない。それまでに全員救出されるだろうか--。一方、衝突した貨物船のSOSで、事故はノーフォークにある海軍司令本部に通報された。時を移さずベネット大佐(ステイシー・キーチ)を隊長とする救助隊が組織され、沈没現場の近くにいたLST(上陸用舟艇)・ナッソーに救援本部がおかれ、DSRV(深海救援艇)がサンディエゴ基地より急送される--。準備や手配に忙殺されつつも、ベネットは妻に電話をかけて、テニス中のブランチャード夫人ビッキー(ローズマリー・フォーサイス)に事故を知らせさせた。一方、ネプチューンの方では、負傷者の手あてと、乗務員が楽観的な気分を保とうとしている。だが、1人サミュエルソン(ロニー・コックス)だけが、艦長の責任をわめいていた。が、その時、地すべりがおこった。1平方インチ270キロの水圧の日、しかし、不通になっていた無線が、ナッソーとの連絡を可能にする--。そして、その頃、ナッソーにベネットは到着する。いよいよオペレーションは開始だ。しかしまたしても地すべりがおこり、ネプチューンの脱出用ハッチを土砂がおおってしまう。これをとりのぞくまで、救出活動は不可能だ。ワシントンでは緊急会議が行なわれ、ゲイツ大佐(デイヴィッド・キャラダイン)が設計、開発した新型潜水艇を土砂除去に用いることとなった。やがて、そのスナークと名づけられた潜水艇はナッソーに到着し、ゲイツは助手のミッキー(ネッド・ビーティ)と共に深海にもぐる。ようやく2人の目に見えてきたネプチューン。今、再びこの艦は無線が不通となった。そして土砂をとり除くスナーク。だが三再び地なりがおき、艦は90度かたむいてしまう。そうなってはDSRVは使えない。ブランチャードは、船を水平にもどすべく、イチがバチか左舷のタンクの排水を行なった。しかし、60度に戻っただけだ。空気はあと6時間。崖と船との間に大岩がはさまっているのだ。ゲイツはこれにプラスチック爆弾をとりつけて爆発させる。そして爆発。ネプチューンはゆっくりと姿勢を水平にもどした。いよいよDSRVの出番だ。生存者の第1陣はナッソーに運ばれ、続いてブランチャード以下の第2陣の番となった。だがその時、また地すべりが……。岩棚の斜面をすべりはじめるネプチューン。ゲイツは早速、スナークをネプチューンの下にもぐりこませ、自らくさびとなってネプチューンを守った……。そして、DSRVの第2陣は無事、蒼い空の下に運ばれたのであった--。事件は終った。しかし、多くの人々の生命も失なわれたのだ--。
スタッフ・キャスト
- 監督
- デビッド・グリーン
- 脚本
- ジェームズ・ホイッテカー
- ハワード・サックラー
- 脚色
- フランク・P・ローゼンバーグ
- 原作
- デビッド・ラバリー
- 製作
- ウォルター・ミリッシュ
- 撮影
- スティーヴン・ラーナー
- 音楽
- ジェリー・フィールディング
- 編集
- ロバート・スウィンク
- 字幕
- 金田文夫