ゲッタウェイ(1972)

劇場公開日:

解説

「ワイルドバンチ」「わらの犬」などの作品でバイオレンスの真髄を鮮明に捕らえたサム・ペキンパーが、「ジュニア・ボナー 華麗なる挑戦」に続いて再びスティーヴ・マックィーンとコンビを組み、組織に追われる男と女が必死で逃亡する姿を描く。製作はデビッド、フォスター、ミッチェル・プロウアー、脚色は「生き残るヤツ」のウォルター・ヒル、原作はジム・トンプソンの同名小説。撮影はルシエン・バラード、音楽はクインシー・ジョーンズ、編集はロバート・L・ウォルフが各々担当。出演はスティーヴ・マックィーン、アリ・マックグロー、ベン・ジョンソン、サリー・ストラザーズ、アル・レッティエリ、ボー・ホプキンス、ジョン・ブライソンなど。

1972年製作/122分/アメリカ
原題または英題:The Getaway
配給:東和
劇場公開日:1973年3月16日

ストーリー

テキサスのサンダースン刑務所からドク・マッコイ(スティーヴ・マックィーン)が出所した。銀行強盗の罪で10年の刑に服していたのだが、4年間服役したところで突然釈放になったのだ。この釈放はドクにとって1つの取引でもあった。彼は、地方政界の実力者ベニヨン(ベン・ジョンソン)を相手取り、出所と引き換えに町銀行を襲い、奪った金を山分けして保釈金代わりに払おうというのだ。ドクを、愛する妻キャロル(アリ・マックグロー)が待っていた。4年ぶりに味わう自由のうまさ!やがて銀行襲撃の綿密な計画が立てられ、用心深いベニヨンは2人の殺し屋、ルディ(アル・レッティエリ)とジャクソン(ボー・ホプキンズ)を送り込んできた。決行の朝、ドクはキャロルの運転する小型トラックに乗り込み、銀行前のマンホールの真上に停めると、地下にもぐり銀行に通じる電力源を切断した。ルディとジャクソンが拳銃を携えドクが金庫から札束をバッグにつめ込んでいく。襲撃計画は成功したかのように思えたとき、ジャクソンが守衛の1人を射殺してしまった。タイミングよく、ドクの仕掛けた時限爆弾が爆発し、混乱に乗じてドクとキャロル、ルディとジャクソンは別々に逃走した。その途中、ルディは足手まといのジャクソンを射殺し、車から放り出すと、落ち合いの場所に急行した。ドクは、ルディが金を1人じめしようとしていることを知り、一瞬早く彼の胸板をぶち抜いた。ドクはルディが動かなくなったのを見届けると、ベニヨンが待つ農場に向かった。その場でベニヨンは、自分のような政界のボスがたかだか一介の囚人の出所にわざわざ手を貸したのは、魅力的なキャロルがいたればこそ、といい、暗に彼女との情事をほのめかした。その時、車で待っていたはずのキャロルがいつの間にか近づき、やにわにベニヨンを射殺した。ダガ、ベニヨンの言葉がドクに与えたショックは大きかった。怒りと屈辱--しかしいまのドクにはここを立ち去るしかなかった。車から列車に乗りついだ2人は駅のロッカーに金の入ったバッグを預けたが、鍵をすりかえられ、盗まれるというよきせぬアクシデントが起き、ドクの必死の探索で取り戻したものの、この1件でドクは指名手配の身となってしまう。一方、ドクに撃たれたルディは防弾チョッキのおかげで1命を取りとめ付近の獣医クリトンを脅迫して彼を追うためエル・パソに向かった。その頃“経理士”とあだ名されるベニヨンの弟(ジョン・ブライソン)もドクの行方を追っていた。指名手配になっていることを知ったドクはショットガンを買い求め、パトカーの追撃をかわしながらエル・パソのホテルに到着した。しかしホテルには一足先に着いたルディが見張っており、さらに“経理士”にも連絡がいき渡っていた。そんなことは知らないドクとキャロルは高飛びの用意もすませ、しばしの安らぎをみいだしていた。だがいつもと違うホテルの雰囲気に敏感に反応したドクは廊下にひそんでいたルディを殴り倒した。折しも“経理士”らがホテルに到着し、ドクのショットガンが火を吹くのを皮切りに、凄まじい銃撃戦が始まった。1人、1人、ベニヨンの一味が倒れていく。エレベーターからドクを狙った“経理士”も、逆にケーブルを切断され、床に叩きつけられた。窓伝いに逃げるドクとキャロルを、意識の回復したルディが狙った。だがドクは今度こそ止めの1発をルディに見舞った。無事落ちのびた2人は通りがかりの老人から小型トラックを3万ドルで買い取ると、国境を超えて南へ向かった。

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映画レビュー

5.0アクション映画のレジェンド、サム・ペキンパー監督と名優スティーブ・マックイーンさんの最強コンビが贈る、クライムアクション巨編!!

2024年11月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

サム・ペキンパー監督の映像や編集の骨太演出がカッコよすぎ
ストーリー展開もめちゃくちゃ面白い、ホテルの銃撃戦がド迫力で圧倒的

本作のスティーブ・マックイーンさん、強盗団のリーダーという悪役なのにヒロイック、そしてダークスーツにショットガンを撃つ姿は超一級で痺れるほどカッコいい

アリ・マッグローさんがすごく美人、長身でスラッとしていて、長くて綺麗な脚が印象的、車を運転し逃走したり、銃を撃つシーンなどのアクションもキマっていて最高にカッコいい女優さんです

ルディを演じるアルフレッド・ゲッティエリさんがメチャクチャ印象的なキャラクター、マックイーンさん扮するドクとマッグローさん扮するキャロルのマッコイ夫妻を執拗に追い続けるワイルドな悪党を暑苦しく演じています

そしてルディと言えば、本作で唯一不思議で謎すぎるくだり、マッコイ夫妻追跡の道中で半ば拉致と言っても過言ではない最悪の旅に巻き込まれる獣医とその奥さんの登場、奥さんは何故かルディに身体を許しダンナの前でセックスしたという様な描写もあるし、ダンナは我慢ならず自殺するというトンデモ展開、このくだりって要る?とずっと頭の中で疑問符、ホントに意味不明すぎました(苦笑)

というツッコミ所はあるものの、それ以外は超一級の壮絶アクションに大満足、銃撃戦や寝台列車での追跡、マーキュリーなど旧車でのカーチェイスなど、全編クールで何度でも観たくなる大好きなアクション巨編です

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Jett

4.0【”様々な裏切りと騙し合いと信頼。”今作は、ラストのショットガンアクションシーンも見応えがあるサム・ペキンパー監督の粋な演出が冴える悪漢映画の逸品なのである。】

2024年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

幸せ

■銀行強盗の罪で刑に服していたドク・マッコイ(スティーヴ・マックィーン)は、ある日突然釈放される。彼は地方政界の実力者・ベニヨンと取引し、町の銀行を襲撃し奪った金を山分けして保釈金代わりに払おうとしていた。やがて銀行襲撃の緻密な計画を立て、作戦は決行されるが、ベニヨンには企みが有った。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・今作後、スティーヴ・マックィーンの奥さんになったアリ・マッグロー演じるキャロル・マッコイとダグ夫婦の関係性の描き方が面白い。

・キャロルは、ベニヨンと組みながらもドクを撃たずに、銃口をベニヨンに向け撃ち殺すシーンと、ベニヨンが雇ったルディ(アル・レッティエリ)に妻を寝取られ、こき使われ、最後は首を括る男との対比が、何だか申し訳ないがコミカルである。

■スティーヴ・マックィーンは、ヤッパリ格好良い。悪漢を演じても格好良い。市民や警官は殺さずに、深手を負ったルディから逃げる際の、数々の機転が利く男を渋く演じている。
 新聞にデカデカと指名手配の顔写真が出ている中、豪胆にもキャロルと、大金を持って只管メキシコを目指す姿も大変宜しい。

<ラストの、エルパソのホテルでのルディ達との、ダグが激しくショットガンを炸裂させる撃ち合いのシーンも見応え充分である。
 そして、町の修理屋の親父のトラックで逃亡するシーンも粋である。
 親父は車中で”最近は男女の仲が乱れてイカン”と呟き乍ら、トラックを運転する。
 そして、国境が近くなったところでドクは車を降り、親父に”去年は幾ら儲けた?”と聞き、”5000”と答える親父に2万を渡そうとすると、キャロルは”3万”を渡すのである。
 そして、ドクとキャロルは大金を持ってメキシコに向かうのである。
 今作は、サム・ペキンパー監督の粋な演出が冴える悪漢映画なのである。>

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共感した! 5件)
NOBU

3.50051 ショットガンをぶっ放す第一人者

2024年7月3日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

1973年公開
そらアリマッグローもマックィーンにこれだけ男気出されたら
惚れるしかないわな。
ゴミ回収車から脱出してカネ持って歩くシーンはいい!
マックゥイーンは宮部昭夫がやっぱりいいよな。
録画したのは磯部勉だった。
70点
テレビ初鑑賞 1978年4月28日『ゴールデン洋画劇場』

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NWFchamp1973