「怖くなかったです」ケープ・フィアー チャーリーさんの映画レビュー(感想・評価)
怖くなかったです
『グッドフェローズ』に続き、スコセッシ! 巷間、いろいろと評価の別れるスコセッシですが、私の中でちゃんとスコセッシを体験してみようと続けて観てみました! ちょうどHDDに入っていたんです…はは。
それでやはり私の中ではあまりスコセッシは盛り上がれない感じがあります。はるか昔に『タクシードライバー』を見た時は結構熱狂したように記憶してるんですが、こうやって90年代作品を観ると、どうも乗り切れない感じがあるんですよね。
まず、あまり怖くなかったというのが決定的。おそらくそれはデ・ニーロ扮する悪漢が何の動機で嫌がらせしてくるのか分からないで進行する演出のせいだと思うのですが、それならそれで、この訳のわからなさに混乱していく様子が描けているかと言えば、あまりそうも感じられなかったです。やはりこうした訳の分からないまといつきの恐怖は、ふいに対象がそこにいたり、振り返ったら、そこにいたり、ってのがあるかと思うんですが、なんか、そうやってこちらも驚くという感じがまったくなかったように思うんですよね。
それに、せっかく多くの場面で窓から外を警戒するくだりがあるんだから、それをもっと生かしてほしかったとも思います。いなくなったら、すぐ近くから出てくるとか、いなくなったと思ったら後ろに立ってた、とかね。
船のシーンでも、錨のつながったロープの先の海面をニック・ノルティが怯えつつもじっと見つめるショットがあったと思うのですが、そういうショットがあったら、普通はその海面から何か飛び出てきてほしいと思うのですが、なんか微妙な間があった後に、別のところからデ・ニーロが出てくるってのも、どうかなぁ、と感じてしまいました。
そしてあとは、やっぱりスコセッシの画に惹かれないということでしょうか。結構お金がかかってるのだと思うのですが、なぜか一瞬、あまり出来の良くない海外ドラマかと感じるような画が多かったように思います。
後半のデ・ニーロの猛烈さは、なかなか見ごたえがあったので、やはりそれまでの盛り上げが少ないことが余計に残念でした。
むむー、次はやっぱり『レイジング・ブル』に挑戦かぁ?
あ、ただ一言。ジュリエット・ルイスはやっぱり可愛かったです! 驚き方が天才的! それは本当に見ものです!