グレン・ミラー物語のレビュー・感想・評価
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グレン・ミラー物語 〜 ジェームズ・スチュワート来日の想い出
1940年代始めから様々なB級フィルムノワールを監督していたアンソニー・マン。「T-Men ('47)」、「Raw Deal ('48)」という低予算ながらも強烈な光と影の効果を活かした優れた2本のフィルムノワールが注目されたことにより、当時のメジャースタジオであるMGMに移り、「Border Incident ('49)」、「Side Street ('49)」といったノワールの佳作を放って更に注目され、1950年に名優ジェームズ・スチュワートと組んだ傑作西部劇「ウィンチェスター銃'73 ('50)」が生まれる。この映画のヒットにより、マンとスチュワートのコンビによる「怒りの河 ('52)」「裸の拍車 ('53)」、「雷鳴の湾 ('53)」、「遠い国 ('54)」、「ララミーから来た男 ('55)」といったノワール系西部劇やアクション映画の傑作、佳作が次々と生み出されていくことになるのだが、これらの作品群は、現在では1950年代のアメリカ映画史を語る上で絶対に外せない映画ばかりであり、監督アンソニー・マンの才能が一気に開花した素晴らしい時代でもあった。
そんな時代に、マンとスチュワートが組んで製作した「グレン・ミラー物語 ('54)」は、前記作品群とはまるで異なるタッチで撮られた映画であり、ハートウォーミングな音楽伝記映画の傑作に仕上がっている。「グレン・ミラー物語」は監督のアンソニー・マンにとって、一見相応しくないジャンルの作品に思えるかもしれないが、この作家のフィルモグラフィーを丹念に調べて見ると、1940年代には日本劇場未公開の音楽映画やミュージカル映画を沢山監督しており、実はそうではないことが分かる。
ところで、ジェームズ・スチュワートが相手役として共演した名女優と言えば、フランク・キャプラ監督作品「我が家の楽園 ('38)」、「スミス都へ行く('39)」のジーン・アーサー、同じくキャプラ監督の名作「素晴らしき哉!人生 ('47)」のドナ・リード、アルフレッド・ヒッチコック監督作品「裏窓 ('54)」のグレース・ケリーと「めまい ('58)」のキム・ノヴァク等が真っ先に思い浮かぶのだが、スチュワートと計3本の映画で夫婦役として共演したジューン・アリスンも忘れがたい。
「甦る熱球 The Stratton Story ('49米=MGM) 、監督/サム・ウッド」、「戦略空軍命令 Strategic Air Command ('55米=パラマウント)、監督/アンソニー・マン」と本作だ。
「甦る熱球」は、メジャーリーグのシカゴ・ホワイト・ソックスで活躍した投手モンティ・ストラットンの半生を描いた伝記映画で、狩猟中の大怪我で右脚が義足になりながらも見事に現役投手に返り咲くという実話を基にしたこの映画の中でも本作同様に影で夫を支える妻役を、そして「戦略空軍命令」は伝記映画ではないが、1950年代半ばの米ソ冷戦の最中、日夜、B-36やB-47といった最新鋭の爆撃機のパイロットとして、テキサス州フォートワースの空軍基地からアラスカまでの日帰り飛行、日本の横田基地までのノンストップ飛行を行い苦悩するスチュワート演じる空軍大佐を同様に影で支える妻役を好演している。決して美人というわけではないが、"The Girl Next Door"的な平凡で気さくな役柄を得意とし、1940年代半ば以降、「姉妹と水兵 ('44)」、「グッド・ニュース ('47)」「若草物語 ('49)」等のMGM映画に出演し、ミュージカル作品の中では、ハスキーな声で歌いながら、結構上手いダンスも披露している。
「グレン・ミラー物語」の中でも、長身でダンス下手で脚の動きがおぼつかないミラー(スチュワート)に対して、ヘレン(アリスン)はリードする様に上手く踊っていて、観ていて微笑ましい。
「グレン・ミラー物語」のオリジナルサウンドトラックのレコード盤はステレオ録音されたものだったが、1954年の劇場初公開時のフィルムに付けられた音声トラックはモノラルであった。その後、ユニヴァーサルはこの映画のサウンドトラックをドルビーステレオ化し、1985年にリバイバル公開した。それに先立ち同年5月31日から開催された第一回東京国際映画祭の協賛企画である「ユニヴァーサル映画創立70周年記念フェスティバル」において上映された数々の映画の中に「グレン・ミラー物語」が含まれていた。なんと言っても目玉だったのは、渋谷の東横劇場での上映に先立ち、当時77歳のジェームズ・スチュワートが来日し、舞台挨拶と映画評論家の深沢哲也氏、南俊子氏によるインタビューが行われたことであり、当日は前売り券を購入して喜び勇んで参加したものである。舞台にスチュワート本人が登場するやいなや、満員の観客が総立ちになってのスタンディング・オベーションとなり、まるでアカデミー賞の受賞会場に居るかの様な気がして感動したことを記憶している。
監督アンソニー・マン、俳優ジェームズ・スチュワートとジューン・アリスン
、個人的にもっとも好きなハリウッド全盛時代の映画監督と俳優だ。
茶色の小瓶
ルイ・アームストロング、ベン・ポラック、ジーン・クルーパー等々本物のミュージシャンが出演しているとワクワクします。『ベニイ・グッドマン物語』のように楽器中心にはならず、作曲・編曲の素晴らしさを訴えたかったのだろうけど、映像・音楽だけでは難しいですね。わかる人ならわかるだろうけど・・・
この映画はグレン・ミラーの人間的な面白さがあります。質屋通いのアマチュア時代や、他の男と婚約中のヘレンに求婚するいった件、そして誕生日じゃない日に首飾りをプレゼントするエピソード。演奏曲名もストーリーに絡めてサプライズさせる脚本が上手い。ラストの字幕の曲目もわざと英語にしてあるところが憎い!しかし、この曲を知らない人はわけわからないかもしれない。最初から「茶色の小瓶」について語っていたのに・・・
名曲と共に。
数々の名曲と共に語られる、グレン・ミラーの生涯。まさに古き良き名作、という感じ。
多くの困難はあれど、ずっとずっとあたたかく描かれているので、その分最後の急転直下には涙。
奥様 ヘレンの強さと逞しさにも感動です。
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