グラディエーターのレビュー・感想・評価
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泥は血の汚れよりも落としやすい
こないだ鑑賞してきました🎬
初見ではありませんが、やはりマキシマスを演じたラッセル・クロウの精悍さといったらないですね🙂
将軍時代の威厳ある姿、妻子を殺され絶望し奴隷に身を落としてからのやけっぱちな戦いぶり、皇帝に近づく手段を得てからの復讐をうかがう表情…どれも真に迫ってました❗
アカデミー主演男優賞も納得です😀
コモドゥスを演じたのはホアキン・フェニックス🙂
父とは似つかない性格に育ってしまった彼は、序盤であらぬ暴挙に出ます。
それから皇帝となった彼ですが、処刑したはずのマキシマスが生きていると知り…。
姉のルッシラへ向ける目も肉親以上のものを感じさせます。
猜疑心の塊の彼ですが、憎たらしく演じたホアキンもまた欠かせない存在でした🙂
ルッシラを演じるのはコニー・ニールセン。
彼女も整った顔立ちに王族ならではの装飾品やらを身につけ…綺麗でしたね🤔
雰囲気も出てました😀
コモドゥスの野心に気づきながら、息子のルシアスがいるため表立って反対できない微妙な立場の女性を演じています🙂
そして、奴隷になったマキシマスを買い取り主人となるプロキシモを演じたオリバー・リード😀
彼は既に亡くなっていますが、貫禄ある姿に、嘘が通じなそうな鋭い目。
プロキシモが発する言葉は時代を反映したものが多く、重みがあり作品を引き締めてくれました🫡
リドリー監督は本当に、重厚で壮大な作品を撮るのが天才的ですね🎬
その手腕に感服せずにはいられません。
この映画に限らずですが、一度はスクリーンで見ていただきたいです❗
また映画館で観れて、光栄でした🖐️
続編大丈夫?超えられる?
初見です
続編の前に一度観たかったのでこの上映は嬉しいですね。
当たり前ですが大ヒット作のリバイバルですからむちゃくちゃ面白い
壮大な戦場から窮屈な奴隷生活のギャップ
名君と世継ぎ問題に絡むどろどろした政略
重厚で惹き込まれる登場人物
スカッとするのかい?しないのかい?というドキドキの展開
正直続編はこれを超えられるの?という不安すら覚える傑作でした。
闘志、怒り、哀しみ、希望を内に秘めた主人公を見事に演じたラッセル・クロウ
ギリギリで壊れゆく精神状態を怪演したホアキン・フェニックス
もう言うことないですね。
私みたいに続編の為に前作も復習したいという方、配信動画もいいですが映画館の迫力で見れるのはまたとないチャンスだと思いますよ
Ⅱを観る前におさらいを。
数回、TVの画面では観たが、今回グラディエーターⅡの公開を前に再上映。せっかくなのであの迫力を大画面で。
近年、ラッセル・クロウは画面に出る度に、マキシマスと比較されてしまうが(もちろん私もそうなのだが)やはりラッセル・クロウはこの剣闘士の姿が印象強い。コロッセオで敵を倒し、コモドゥスと対面して背中を向けて立ち去る場面、かっこいい!ただコモドゥスがホアキンだったのねえ。知らなかったわあ。
何度見ても殺し合いの場面は恐ろしいし、とんでもない事を当時はしていた、嫌な時代。
24年前の映画だけど、今観ても迫力あるし凄い。また同じ監督で続編、予告観ただけでもかなりのスケール、今作では出来なかったことをⅡでは撮ってるんだろうなあ。
とても楽しみ〜、早く観たいよ!
古さを感じさせない素晴らしい作品
映画館で見逃してずっと観たかったのですが、自宅で観るには物足りないと、チャンスを伺っていました。やはりスクリーンで見るべき作品です。コロシアムに行ってるような臨場感です。残虐なシーンは今の時代は少し抵抗を感じますがサムライ映画と同じ、歴史的背景があるので、素晴らしいと思います。早くⅡも観たいです。
2に向けてリバイバル鑑賞
続編が心配になるほど、あまりに綺麗にまとまった作品
子供の頃に見たきりの本作。リマスターということで劇場へ。
子供の頃は戦いの派手さばかりに目がいっていたが、今見てみるとその濃密な人間ドラマに唸ってしまった。主人公の「もうちょっと融通が効いたら出世できた」感や、ヒロインの「気持ちはわかるがもうちょい立ち回り方あったやろ」感や、ライバルの「あまりに面倒くさい」感や、先代皇帝の「政治はできても家族のパパには向いてなかった」感など、立場や待遇はそれぞれだが、抱えているものや問題点は実にホームドラマめいている。それをドラマチックに、歴史ものにしつつアクションとして飽きさせない。なんとまとまりのいい名作だろう!
しかしこれだけ綺麗にまとまり完結を見た作品の続編を、最近煮え切らない作品を連発しているスコット監督が作れるのか余計に心配になってしまうところ。
圧倒的なビジュアルと音響によるフィジカルエンターテインメント!
11月公開の2を楽しむためが目的ですが、
せっかく劇場公開するので4Kリマスター版を鑑賞。
ストーリーは率直に申し上げて
珍しくない話なので、驚きはありません。
但し、ビジュアルのつくりこみが圧倒的ですし、
音響・音楽も相まって芳醇な完成度になっています。
24年前の作品とあって、
ラッセル・クロウ、ホアキン・フェニックス、
そしてコニー・ニールセンが実に若々しく
エネルギッシュで迫力のある演技を見せてくれます。
最初からずっと観ながら考えていたのは、
「どういう落とし前のつけ方をするか?」ということ。
きっと復讐は果たされるが、それだけか?と思って
いたら、中盤から布石が打たれていた、
死後に会う的なワード。
これがラストにつながっているとわかった瞬間が
カタルシスでした。
もちろん、フィジカルにエンターテインメントする
劇場で観る価値のある作品になっていて、
大満足でした。
2への予習はバッチリできたので、
11月を楽しみに待ちたいと思います!!
いわゆるIMAX等での視聴がおすすめだが…。
今年369本目(合計1,461本目/今月(2024年10月度)20本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
今年は「~2」の上映が決まっていて復刻上映されたようです。そのため扱いとしてはそれほど多くはないようです(というより、「敗れざるもの」が1日8回とかすごい…)。
少し前の作品になりますが、今見てもちょうどいいなといったところです。高校世界史まで含めればこの時代のいわゆるこうした人たちの存在がいたことは学習しますからその点でも理解がしやすく、また映画の扱う範囲が実質一つに絞られているのでストーリーのブレもないので見やすいといったところでしょう。
しいて言えば、このタイプの映画って、ドルビーだったりIMAX上映だったりで見るものというイメージって結構あるような気がするんですが(多分、作品としても(各国で名前は違っていても)IMAXみたいなところで見ることが想定できる)、そればかりは「~2」のおさらい編で復刻上映された本作品ではそこまでの贅沢は仕方なしといったところです。
特に気になる点はないですが、若干今の一般的な映画より若干長い(155分)ので、お手洗いなど気にされる方は前方推奨かな(目がちかちかシーンは基本的にありません)。また、この時代のローマの事情についてもさくっと教科書など残っていれば見ておくとよいかなというところです。
故郷でまったりとか。
皇帝の座をマキシマスに譲ろうとした父でもあり皇帝でもあるアウレリウスを殺し、妻子を焼き殺し吊るした皇帝アウレリウスの息子コモドゥスに復讐のタイミングを計る将軍マキシマスの話。
奴隷とし捕らわれの身となったマキシマスだったが闘技場にて剣闘士して名を上げコモドゥスに近づこうとするが…。
汚れてない真っ直ぐなマキシマスと野心家コモドゥスの戦い、なんとなくストーリーは読めるものの、唯一読めなかったのは…へっ!?マキシマスが倒して2作目で皇帝の座?何て思ったけれど、まさかの…、2作目は新たな話ですか?って感じでした。
2000年公開作品リバイバル上映だけど…配信で有料鑑賞…、しかもアマプラで特価になってて100円!気づいて良かった(笑)
ジェラシー
2024年の Ⅱための予習鑑賞しました。
グラディエーター Ⅱは、
どんな風に I から継続するのか、
復活するのか、楽しみ楽しみ。
予告編を見ると、
リメイクのような気がした。
Ⅰ は、愛の裏側 ジェラシー ですね。
井上陽水の歌詞より
シーザーに推されない者に
生じるものはジェラシー
^_^
グラディエーター
「ブレードランナー」の巨匠リドリー・スコットが、古代ローマを舞台に復讐に燃える剣闘士の壮絶な闘いを描き、
第73回アカデミー賞で作品賞・主演男優賞など5部門に輝いた歴史スペクタクル。
古代ローマの皇帝アウレリウスは、信頼を寄せる将軍マキシマスに次期皇帝の座を譲ろうと考えていた。
それを知った野心家の王子コモドゥスは父を殺して玉座を奪い、マキシマスに死刑を宣告。
マキシマスは故郷へ逃れるが、コモドゥスの手下に妻子を殺されてしまう。
絶望の中、奴隷に身を落としたマキシマスはやがて剣闘士として名を上げ、闘技場で死闘を繰り返しながらコモドゥスへの復讐の機会を狙う。
主人公マキシマスをラッセル・クロウ、
宿敵コモドゥスをホアキン・フェニックスがそれぞれ演じた。
2024年、続編「グラディエーターII」の公開にあわせて、本作も4Kデジタルリマスター版でリバイバル公開される。
グラディエーター
Gladiator
2000/アメリカ
大作!
来月公開のグラディエーターII の予習として「グラディエーター 4Kデジタルリマスター」を劇場で初鑑賞。
ストーリーは奇をてらったものではなく王道。
だが、大作はそれでいいと思ってます。豪華な俳優陣の素晴らしい演技、VFX、多くのエキストラを使った大掛かりな戦闘シーンを堪能するもの。
当時はまだ26歳くらいでしょうか。ホアキン・フェニックスの悪役っぷりが素晴らしい。前日に「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」でガリガリの姿を観たので、改めて凄い俳優だなと感じました。
民衆や部下からの人望があるマルクス・アウレリウスの強い姿に憧れを抱いていたルシウス。次作でどのような男に成長したのか、今から鑑賞が楽しみです。
シスコン独裁者
マキシマスよ、永遠なれ
中学生の頃にTSUTAYA借りて観た作品がまさかの映画館で観られるなんて…ほんまに感激すぎて😭😭上映してくれてほんまにほんまにありがとうございます🙏
ラッセルクロウをこの作品で知り、子どもながらにそれ以降TSUTAYAでラッセルクロウ出演作を観まくるという。これもまた思い出の作品。
新皇帝に忠義を示さなかったことにより、家族を殺され剣闘士になる男、マキシマスが主人公。復讐がメインではあるんやけど、このマキシマスという主人公がなんとも魅力的。家族、仲間思いの優しさもあり、闘いとなると誰よりも頼りになるリーダー。マキシマスに対抗するのがホアキンフェニックス演じるコモドゥス。こいつがまた憎たらしいし、シスコンだしほんまに嫌味。ホアキン好演!
あらためて見返すと、ああこんなシーンあったなあ〜とか小さい頃に観ていたせいか当時は難しい映画という印象やったけど、マキシマスの愛と漢としての美学を描いた作品やなあと思う。最後のシーンは思わず涙。
劇場公開中なので観たことがない方もある方もぜひ!
Ⅱもはやくみたい!!
「グラディエーター Ⅱ」に向けて‼️
ラッセル・クロウ、カッコいい‼️ホアキン・フェニックス、キモ恐ろしい‼️コニー・ニールセン、美しい‼️さすがはリドリー・スコット監督‼️この作品は21世紀に作られた最高の歴史スペクタクルの一本ですね‼️西暦180年、ローマ皇帝亡き後、時期皇帝の座に就くはずだった将軍マキシマスは、皇帝の息子、コモドゥスの策略で追放され、家族も失ってしまう。復讐に燃えるマキシマスは、奴隷剣闘士としてローマに戻ってくるが・・・‼️見どころは何と言っても壮大なアクション描写‼️森でのゲルマニア軍とローマ軍の激突‼️降り注ぐ無数の火矢‼️恐ろしい‼️剣闘士となってからのコロシアムでの戦いでは、戦闘馬車との圧倒的な不利な戦闘‼️虎が放たれた状態での死闘‼️ホントに怖い‼️アクション・シーンに様々な仕掛けが用意されてて、2時間35分がアッという間‼️ローマ帝国のビジュアルも実物大のセットを作り、CGで細部や群衆などを補完してるみたいですけど、さすがにすべてがセット、そして何千というエキストラを揃えた「ベン・ハー」や「スパルタカス」に比べると、CG感が漂っているのは仕方ないですか⁉️剣闘士としての強さと、家族や先代皇帝への思いを情熱的に表現するラッセル・クロウがホントにカッコいい‼️コロシアムでコモドゥスにグラディエーターとして宣戦布告するシーンは、この映画の一番の名場面‼️対するコモドゥス役のホアキン・フェニックスは父である先代皇帝へ愛を求めるも、報われず父を殺害、マキシマスを愛する姉ルッシラへの近親相姦的愛情を抱き、自分の子を産ませようとしたり、二人から愛されているマキシマスへの憎悪の炎を燃やす、恐ろしい役どころ‼️でもまたこれがハマり役‼️オスカー獲ってもよかったような気がしますが・・・‼️そしてハンス・ジマーの音楽‼️この作品を詩的にエモーショナルに彩るハンス・ジマーの音楽‼️いつまでも余韻に浸ることが出来る素晴らしい音楽‼️そしてリドリー・スコット監督の演出とラッセルの演技、そしてハンス・ジマーの音楽が一体となったラストシーン‼️マキシマスの最期の言葉「ルシアスは安全だ」‼️ルッシラの腕の中で息絶えるマキシマス‼️ルッシラが「彼こそ真のローマの戦士」と称え、男たちがマキシマスの遺体を担ぐ‼️そしてマキシマスは妻と息子が待つ楽園へ‼️素晴らしいラスト‼️完璧なラスト‼️涙なしでは観れないラスト‼️これでこの物語は完結でよいラスト‼️でも続編があるんです‼️ルシアスは全然安全じゃなかったんです‼️まぁ、創造主であるスコット監督の判断を信じましょう‼️「グラディエーターⅡ」‼️11月の公開が楽しみです‼️
『夕陽のガンマン』や『ウェスタン』をリスペクト。
帝国に君臨する王様は『皇帝』英語で『エンペラー』となる。さて、現在エンペラーは何人存在するだろうか?
現段階でそれはたった一人。
それが『ラストエンペラー』
この映画のエンペラーは1900年以上前の人物。
さて、それがある国で未だに存在する。
西洋の活劇は重そうな剣を振り回して、間合など関係なく、力でぶち抜く。そんな戦い。一瞬の光る様な殺戮が描けない。東洋のカンフー、柔道、剣道の様な技が彼らには無い。
フランス人が描いた『マカロニ史劇』もう少し、ニヒルに描いてもらいたい。
暴君マルクス・アウレリウスに、人生を壊された三人。
映画の中では”賢帝”のように評される先帝マルクス・アウレリウス。
けれど、どこかじゃ?と思ってしまう。
「お前がダメなのは、父がダメだからじゃ」と言われて嬉しい子どもがいるのだろうか?
息子が自分の期待に合わなかったからと、あからさまに、その息子の前で、自分の期待に応える息子をかわいがる父(今なら心理的虐待に入る)。
領土拡大したから、偉大な皇帝?まるでロシアのプーチンだ。
そうやって、原住民を蹴散らし、被害を与えておいて、死期が近づき、己への後世での評価を気にし、「私は何をしたのだろうか」って。
自分のことしか考えない。
「共和制に戻す」っていきなり言って、さも良さような人になっているが、段取り考えない。思い付き。組織変更の苦労をすべてマキシマスに丸投げ。そんなの引き受けたくない。
上に立つ才の無い2代目を、わが子可愛さに2代目にして、つぶれていく組織は多いから、それをしなかったのは英断。でも、それにしたって、根回しして、周りの重臣を巻き込みながら、息子の気持ちに寄り添いながら、穏やかに代替わりしたのならこんなことにはならなかったのに。急いては事を仕損じる。その典型。
老いて、自制が効かなくなり、死期も近いことから衝動性が止められなくなったのだろうか?
そんな父の元に生まれてしまった姉と弟。
姉は、マキシマスに「嘘ばかり」と評され、「そうしなければ生きていけなかった」と返す。どんな生活を送ってきたのだろうか?日本の”大奥”のような暗殺・権謀に幼いころからさらされたのだろうか?『英国王のスピーチ』に出ていたように、乳母たちからの虐待? 実際、ヨーロッパ貴族の子弟は、召使たちからの性被害にあっていた人が多いと聞く。そんな中で、権謀術にたけたのだろうか?
弟も、かしずかれていても、己の欲のために動く召使たち・取り巻きに、よいしょされ、下げずまれて、生きてきたのだろうか。誰にも安心して甘えられず。
母は?
父は評価するのみ。
二人は、お互いのみを頼りとするしかなかったのか。
マキシマスには、そんな親子関係など、想像もできなかったのだろう。
ひたすら、妻と子の元に帰りたかったマキシマス。子は目に入れても痛くないほどかわいいはず。誰にとっても。
だから、せっかく、コモドゥスに一矢報いるチャンスが巡ってきても、息子と同じ年頃のルキウスがコモドゥスの前に立つと諦めてしまう。
ルッシラが裏切っても、ルシウスを守るためだろうと許してしまっている様子。
マルクス・アウレリウスが、マキシマスに固執しなければ、こんなことにならなかったのに。ちゃんとマキシマスの望みを叶え、故郷に帰し、そののち呼び出せばよかったのに。
マキシマスとコモドゥスとの間には、ゲルマニアへの遠征以前から確執があったのだろうか。コモドゥスがゲルマニアに到着した時点で既にマキシマスからコモドゥスへの思いやりも敬意もない。”父”として慕う先帝を殺された思い、(実)父殺しをした輩への思い。そのうえでのコモドゥスへの対処。軍は自分の味方、コモドゥスには何もできないという驕りがあったのではないか。
そんな確執に巻き込まれて亡くなったマキシマスの妻と子が不憫でならない。
確かに、コモドゥスは、マキシマスから妻と子を奪った。
でも、コモドゥスから父と栄光を奪ったマキシマス。勿論、それは父の咎で、マキシマスのせいではないのだが。
『三国志』で、劉氏が息子を差し置いて、劉備に国を譲ろうとした時の劉備の対処と比べて、なんとも拙い。戦いにはたけていたが、情勢を見るのは下手だったのか。辺境にいたから、ローマの情勢がつかめなかったのか。
★ ★ ★ ★ ★
なんたる愛憎劇。
求めるものを得られなかった二人。
帰郷したかっただけのマキシマス。
父の、姉の、民衆の愛を得たかっただけのコモドゥス。
初見では、ホアキン・フェニックス氏の演技に魅了された。
この方は、他の映画でも、得られぬ愛を乞う演技が本当に上手い。
そして、この映画では、青白い顔、目の下のクマ。監督による演出だそうだ。
皇家のやんごとない生まれの立ち振る舞い。視線の投げ方。
それでいて、中二病らしい繊細さ。壮大なことを考えていそうでの短絡思考。脚本・演出とはいえ、この方が演じるとハマる。
姉から渡された薬を飲むときの表情。”毒”?と怪しみながらも、飲み干す姿。そしてなんでもなかった時のかすかな表情。緊張感あふれてドキドキする。
そして、ニールセンさんの演技にも共感する。
いかにも、権謀術にたけた登場。
息子を思う気持ちと、弟を思う気持ちの変化。やつれ具合。
何度か見直すうちに、クロウ氏の繊細な演技に気づく。
カリスマ性のある将軍・グラディエーターの役。
強さが目立ち、初見では猛々しさだけが印象的だが。
故郷を、妻・子を思う時の表情。こんな穏やかな表情をするんだ…。
そして、ルキウスを演じたクラーク君。
母と叔父の愛情を疑わない爛漫さ。
それでいて、自分の発言で、叔父と母の仲が崩れていくことに目を白黒させながら、母を気遣う姿。夫婦喧嘩の間に挟まれた子のようで、抱きしめたくなる。
ジュバが、たんなる愛憎・復讐物語を昇華させる。
背筋の伸びた、フンスー氏の言い方が良い。
衣装や舞台背景が煌びやかで重厚。
ローマの皇帝の館。
グラディエーターの周りは、赤土色。
マキシマスが乞う農村風景。
世界観に酔わせてくれる。
★ ★ ★
この作品は、音楽も称賛されているのだけれど…。
私は、時折、『パイレーツ・カリビアン』を思い出してしまって…。
一瞬、私は何を見ているのだっけ?と混乱してしまう。
★ ★ ★
実話をもとにしたフィクション。
Wikiによると、
コモドゥスは、マルクス・アウレリウスのたくさんの子どものうちで、ただ一人成人した男児で、父の溺愛を受けていたそうだ。父の存命中から、10代で副帝になって、父の死後、皇帝になったとか。
初めは、それなりに皇帝として政治を行った。けれど、妻の一族を重用し、それに危機感を感じた姉・ルシアにより暗殺されそうになったとか。
その後くらいから、重臣を処刑したりして…。
ヘラクレスの生まれ変わりと自称して、実際にコロシアムで動物と戦ったりしたとか。
最終的には暗殺されたとか。
この映画の元ネタになった先行映画もあるらしい。
時代考証の専門家に監修してもらっていたらしいが、その人たちの指摘より、演出を優先したとDVDについていた解説で、監督が言っていた。「あなたの言うことって絶対正しい?実際に見てきたのか?」とか言って。
なんて、失礼な!と怒りたくなるが、指摘通りに作っていたら、あのうっとりするような衣装も、迫力ある戦いシーンも無くなっていた。映画は映画と割り切るべきなのだろうな。
★ ★ ★
ローマ時代の絵巻。
迫力があるシーンが多い。
蜂起とか、元老院の暗躍も多少描かれるが、
結局、マキシマス・コモドゥス・ルッシラの愛憎劇に終始して、場面もコロシアム主体となり、物語は小さくまとまっている。
その分、コモドゥスとルッシラの心情をたっぷり描き、マキシマスのアクションもたっぷり堪能できる。
加えて、プロキシモの生き様、ジュバの死生観も興味深い。
筋をシンプルにした勝利と言うか。
そして、皇帝の地位が、民衆の人気度に頼っているらしいところが、映画や芸能が民衆の人気度次第なところとかぶってしまう。民衆の思いが移り気なところも…。
よくできた構造だなと思う。
ただ、私は、冒頭に書いた部分や、
クィントゥスの処世術に違和感を覚え、(あの時点で「剣を渡すな!」って言ったからって、マキシマスを運ぶのに、躊躇なく一番乗りしてくるって…)
コモドゥスがかわいそうすぎて、高評価をつけられない。
(マキシマスを運びたいのに、背が足りないから周りをウロウロしているルキウスはかわいいが)
㊟引用台詞はすべて思い出し引用。間違っていたらごめんなさい。
ラストの美しさ
スペクタクルとそれを支える丁寧な人物描写と心理戦設定が素晴らしい。闘技を初めて見たホアキンの生き生きとした表情よ。/能のない息子の愛されたさととにかく強いが故に悲運に見舞われる主人公。
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