「刹那的な生き方は共感出来ないけれど」グッドフェローズ リボンさんの映画レビュー(感想・評価)
刹那的な生き方は共感出来ないけれど
いつものリバイバル上映シリーズで、ロバート・デ・ニーロが出演している、と確認しただけで、あまり内容は知らずに鑑賞してみました。
ロバートはギャング?マフィア界隈ではまだ29歳でもレジェンドになり周りから既に一目置かれている兄貴的存在で、
そんなロバートやギャング、裏社会に憧れていた少年の、大人になるまでの実話を元にした映画でした。
街で悪さ?をして一目置かれるようになると、パン屋でも並ぶことなく店主のほうから注文を聞きにきてくれる存在になれる、ということが主人公にはステータスの1つのようでしたが、
並ばなくていいほどの「大物」として畏怖、尊敬されているからではなく、ギャングの下っ端、若い連中となるとさっさと店から出てほしいから、厄介を起こす可能性が高いから特別扱いするだけのことで、少なくとも尊敬されたりした上でのことでなく、厄介者を早く立ち去らせたいだけの実は塩対応ということに、長いこと主人公は気づかず、
「俺はパン屋でも店主のほうからわざわざ注文を聞きにきてくれるほどの大物なんだぜ!!」とドヤ顔で彼女に自慢するような残念な人でした。
でも最後には麻薬に手を出して麻薬捜査班に目をつけられ、法廷で証言し、マフィア稼業から足を洗えば「法廷参考人」「証言者」として警察から保護を受けられるという、主人公からするとなんとも皮肉な顛末となり(まぁ自業自得なんですけど)
人生の後半は
「普通にパン屋に並ぶ一般人」
になって無難な人生を送ります。
私達からすれば、いつ抗争などで怪我やあるいは簡単に殺されてしまうか、とか逃げることも考えたり、電話は警察に盗聴されると困るから使えない、とか、
泥棒などで一時的な大金を手にしても常にビクビクしてなきゃいけない、次にいつ収入があるかも分からない刹那的な生活のほうが嫌ですが、
まぁ場合によっては取り締まりや法廷のことも警察を買収してその場ではそれなりにのうのうと生きていけちゃう面もあると、主人公にはマフィアだかギャングだかのほうが何故か魅力的なようでしたが。。
主人公がそもそも子どもの頃からカタギは嫌だ、と思っていた確固たる理由はよく分からなかったので生き方そのものは共感出来ませんでしたが、こういう人物も実際にいたんだな、と知ることは出来ました。
そして演技としてはやはりロバートはこういう役、はまり役なんだなぁと実感。映画そのものに重厚感を持たせる重要人物として、ロバート・デ・ニーロの演技を堪能出来て良かったです。