ぐうたらバンザイ!

劇場公開日:

解説

フランスののどかな農村を舞台に、稀代のぐうたら男がまき起こす笑いを通して現代を諷刺するコメディ。製作・監督は「わんぱく旋風」のイヴ・ロベール、脚本はロベールとピエール・レヴィ・コルティ、撮影はルネ・マトゥラン、音楽はウラジミール・コスマが各々担当。出演はフィリップ・ノワレ、フランソワーズ・ブリオン、マルレーヌ・ジョベール、ポール・ル・ペルソンなど。

1969年製作/フランス
原題または英題:Alexandre le Bienheureux
配給:20世紀フォックス
劇場公開日:1973年12月1日

ストーリー

フランスのとある田舎町。ここにアレキサンドル(P・ノワレ)という農夫が住んでいた。彼は人並以上に体格もよく、力も強かったが生まれつきのなまけ者だった。が、彼の妻(F・ブリオン)は働き者で、ともするとなまけようとする夫を許しておかない。夫は朝寝が大好きなのに、朝早くから女房にたたき起こされ、食事もゆっくりさせてもらえぬまま、その日のいい渡されたスケジュールを消化するために家を飛び出さなければならなかった。遠くにいても、無電連絡によって少しもさぼれない。そうこうするうちに、アレキサンドルの生活を一変させるような大事件が起こった。あの口うるさい女房が交通事故でポックリ死んでしまったのだ。女房の野辺送りをすました彼は、ほっと息をつき早速ベッドにもぐり込み、そのまま深い眠りにおちた。三日後、一向にアレキサンドルが起きる様子がないので、親友のサンガン(P・ペルソン)が訪れると、過去十年間の寝不足の償いをするのだという。その彼も、食べずに眠ってばかりもいられない。そこで考えたのはベッドの中で飲み食いする方法だった。買い物は愛犬にさせればいい。それから二カ月、アレキサンドルは一向に起きる様子がなかった。そのうちに、彼に共鳴して仕事を休む者が続出した。村会はこれを重視し、その対策としてアレキサンドルを兵糧攻めにすることにした。こうすれば彼はやがて降参するだろう。愛犬がいつも食料を買いにいくブイロー夫人の食料店に、アガタ(M・ジョベール)というセクシー・ガールがいた。彼女はアレキサンドルに大いに興味をもち、近づいた。ある日、アガタは食料を持ってアレキサンドルの家を訪ねた。そのうちにアレキサンドルがベッドから腰を上げ、外へ出る日がきた。村人にとり、それは奇跡だった。ことの起こりは、彼の愛犬が家出したからだった。彼は一日も犬なしでは暮せないのだ。アレキサンドルの親友サンガンを始め、村人たちはやっと愁眉を開いた。彼がいよいよ野良仕事を始めると思ったからだ。ところが、犬が見つかると釣にいったり散歩をしたり、三〇〇エーカーの畑は荒れるに任せっぱなしだった。そのうちにアレキサンドルとアガタが結婚することになった。教会での式も終わりに近づいた頃、花嫁アガタがふと示した仕草で急にアレキサンドルは、死んだ女房を思い出したからたまらない。恐れをなした彼は、教会の入口で待っていた愛犬を連れて表へ飛び出し、すたこらさっさと逃げ出した。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0違う視点で人生を見る。

2023年6月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
オムレツを作って、眠って、休む。
いい人生だ。

アレクサンドレの場合は農夫(農業)ということでしたから、自然が相手ということもあり、労働集約的な仕事だった彼は、いっそう、来る日も来る日も野良仕事をこなすという毎日だったのだろうと思います。
(奥さんの差配も、相当に厳しかったようですし…。笑)
しかし、思い切ってその「殻」を破ってみると、また人生に違う視野が開ける。
客観的な生活状況にはなんの変化もないのかも知れないけど、それまでとは違った視点で、人生を鳥瞰的に見ることができると、それまでとは打って変わった幸福感にみち満ちた人生が訪れる…。

いかにもフレンチ・コメディという要素が「これでもか、これでもか」とばかりに散りばめられでいることも疑いがないのですけれどもら、それでいて、人生讃歌としても、素敵な一本だったと思います。評論子は。

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