「カンボジア内戦の実話」キリング・フィールド odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
カンボジア内戦の実話
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ニューヨーク・タイムズ記者としてカンボジア内戦を取材し、後にピューリッツァー賞を受賞したシドニー・シャンバーグと彼を守り支えてくれた現地人ジャーナリストのディス・プランの絆を描いた実話の映画化。
カンボジア人ということで外国人記者と共にタイへの避難ができなかったディス・プランは自力での逃避を試みるも武装組織クメール・ルージュにつかまってしまう、キリング・フィールドとは大量虐殺が行われたカンボジアの辺境にある強制労働収容所一帯である。映画の後半は主役交代、ディス・プランの苦難の逃避行を綴っている。
ベトナム戦争の映画は多く作られたが隣国カンボジアを巻き込んでの史実の映画は希少である。
劇中のビデオでもニクソンが出てくるが大国の思惑に振り回される東南アジアの悲劇がこれほどまでだったとは胸が痛む。戦場ジャーナリスト活動についてゲリラの人質交渉に利用されるなど日本では問題視する向きもあるが、夫や息子たちを戦場に送り出している母国の家族、国民にしてみれば軍のやっていることの真実の側面を伝える役割は極めて大きいことが分かる。
戦闘場面を売りにせず、現地の視点でこれほど克明に戦争を描いた生真面目な映画は珍しいのではなかろうか。
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