キャッチ22
劇場公開日:1971年10月21日
解説
人間の愚かしい戦争をパロディ化しながらも、人間だけが有する豊かな生命力、人間愛を謳い上げた作品。製作はジョン・コーリーとマーティン・ランソホフの共同、監督は「卒業」のマイク・ニコルズ、ジョセフ・ヘラーの原作をバック・ヘンリーが脚色、撮影はデイヴィッド・ワトキン、編集はサム・オースティンがそれぞれ担当。音楽はリヒァルト・シュトラウス作曲の「ツァラツストラはかく語りき」が挿入されている。飛行シーンの監修はフランク・トールマンが担当。出演は「愛すれど心さびしく」のアラン・アーキン、マーティン・バルサム、脚本を担当したバック・ヘンリー、「わが愛は消え去りて」のリチャード・ベンジャミン、「真夜中のカーボーイ」のジョン・ヴォイト、ポーラ・プレンティス、サイモンとガーファンクスのアーサー・ガーファンクル、「扉の影に誰かいる」のアンソニー・パーキンス、「市民ケーン」「わが命つきるとも」のオーソン・ウェルズ、ジャック・ギルフォード、ボブ・ニューハート、マーティン・シーンなど。日本語版監修は清水俊二。テクニカラー、パナビジョン。1971年作品。
1971年製作/121分/アメリカ
原題または英題:Catch-22
配給:CIC
劇場公開日:1971年10月21日
ストーリー
パイロットのネイトリー(アーサー・ガーファンクル)の声をイヤホーンに受けたヨサリアン(アラン・アーキン)は、負傷した新兵の射手スノードンの救助に機関銃庫へ向かった。血まみれになってうめく悲惨な光景はヨサリアンの眼瞼に焼きついて、その後何度となく夢に浮かびヨサリアンを悩ました。神経がまいったヨサリアンは、ダニーカ軍医(ジャック・ギルフォード)に交渉して、病気を理由に軍務を免れようとした。しかし失敗した。隊長のキャスカート大佐(マーティン・バルサム)は典型的な職業軍人で、出世欲、名誉欲深く、副官のコーン中佐(バック・ヘンリー)と結託して部下の出撃ノルマをふやし続けた。部下のほうもしたたか者ぞろいで、4回も撃墜されても兵器なオーアや、軍事物資を横流ししてM・M興業なる怪しげなヤミ屋をやっている、マインダーバインダーという中尉(ジョン・ヴォイト)らがいた。島の野戦病院の看護婦の、中でも色っぽいダチット(ポーラ・プレンティス)や、ドリードル将軍(オーソン・ウェルズ)が同伴してきた婦人将校のグラマーぶりに、味気ない軍隊生活を送るヨサリアンたちの心は千々に乱れるのだった。休暇をローマで過ごしたヨサリアンは、軍に復帰すると数々の奇行で軍規に反抗した。素っ裸で勲章授賞式に出席したり、戦友の葬式にも裸で樹の上から出席したり--。ある晩、突然基地はドイツ空軍の猛爆撃を受けた。その爆撃を指揮していたのは、なんと指令塔のマインダーバインダーだった。エジプト綿の売り先に困って、事もあろうにドイツ軍と取引したのだった。ヨサリアンは怒って隊長、副官を殺そうとして失敗した。謹慎をくらったが抜け出し、ローマに向かった彼は、戦死したネイトリーの恋人と会ったが、彼女はヨサリアンが犯人だと勘違いして、狂ったように泣き出した。絶望したヨサリアンはMPに連れ戻された。隊長らは、手に余るヨサリアンを英雄に祭り上げて送還することを考えた。帰国を望むヨサリアンを逆利用して、自分の部隊の功績を宣伝しようというのだ。気がとがめながらも飛行場に入ったヨサリアンは、突然背後から刺された。犯人はネイトリーの恋人だった。ヨサリアンはうめいて倒れた、入院したヨサリアンの気持はうつ然としていた。戸外ではヨサリアンの栄光の帰国の歓送予行演習の真最中である。見舞いにきたダンビー少佐(リチャード・ベンジャミン)とタップマン従軍牧師(アンソニー・パーキンス)の話は驚くに十分な事件だった。出撃中に撃墜されて死亡したと思われていたオーアが、ゴムボートでスウェーデンに流れついたというのだ。度重なる墜落は、そのリハーサルだった。「やりやがったな!」 ヨサリアンは病院を飛び出して海辺は走った。もちだしたゴムボートで、彼は力一杯こぎ出した。地中海へ、スウェーデンへ、人間の住んでいるところへと--(CIC配給*2時間1分)。