希望
劇場公開日:1985年4月24日
解説
トルコ映画界の人気スターを経て、自らプロダクションを興し製作・脚本・監督・主演の活躍を始め、「路」でカンヌ国際映画祭グランプリに輝き国際的な名声を得ることとなるユルマズ・ギュネイの第四作。現代トルコの社会構造の矛盾を厳しくつき、トルコ国内では上映禁止となったが、71年のカンヌ映画祭に出品されて注目を浴びトルコ映画の存在を世界に知らせた。70年のアダナ映画祭で最優秀作品賞と主演男優賞を、72年のグルノーブル映画祭で審査員特別大賞を受賞。
1970年製作/トルコ・スイス合作
原題または英題:Hope Umut
配給:欧日協会=ユーロスペース
劇場公開日:1985年4月24日
ストーリー
アダナという町で乗り合い馬車の御者をやっているジャバル(ユルマズ・ギュネイ)は、早朝から駅で客待ちをしているが、なかなか客がつかない。家では五人の子供を抱えた妻のファトゥマ(ギュルセン・アルヌマチュク)が生活苦から彼に愚痴をこぼす。貧しさの中で、ジャバルの唯一の夢は宝くじだった。ある日、ジャバルは事故で一頭の馬を失い、残った馬と馬車も借金のかたに持っていかれてしまう。困り果てた彼は友人のハサン(トゥンジェル・クルティズ)と強盗を働くが、逆に相手にやられてしまった。町で乗り合い馬車禁止反対のデモが行なわれる頃、ハサンが宝探しの話を持ってくる。ジャバルは最後の望みをかけ、ファトゥマの嘆きをよそに、聖職者(オスマン・アルヤナク)とハサンの三人でジェイハン川に出かけるが、夜昼かまわず掘っても何も出てこなかった。ジャバルは気が狂ったように自分たちの境遇をのろうようになる。